だいすき!絵本
初瀬めぐみ
『ブルーベリーもりでのプッテのぼうけん』
作・絵:エルサ・ベスコフ
出版社:福音館書店
皆さんは「エルサ・ベスコフ」さんをご存知ですか?スウェーデンの方で、1953年に80歳近い年齢で、亡くなっておられます。亡くなられるまでに、沢山の絵本を描かれているのですが、50年以上たった今も、その絵本には、多くの魅力を感じることができます。
その中から、今月ご紹介する絵本は、『ブルーベリーもりでのプッテのぼうけん』(作・絵:エルサ・ベスコフ、出版社:福音館書店)です。
プッテは、お母さんの誕生日の贈り物にしようと、ブルーベリーとこけももをつみに出かけますが、なかなか見つかりません。そんなとき、小人のおじいさんに出会います。小人は魔法でプッテを小さくし、ブルーベリーの森へ連れて行ってくれました。実は、このおじいさんは、ブルーベリー森の王様でした。王様のおかげで、ブルーベリーやこけももを沢山集め、お母さんに贈り物ができたというストーリーです。
絵本を手にとったとき、少し字が多いかな?と感じたりする方がいらっしゃるかもしれません。しかし、読み始めると、プッテの世界にどんどん引き込まれてしまうので、4歳頃から充分に楽しむことができる絵本だと思います。
絵本の世界に引き込まれる理由の一つに、素晴らしい絵があると思います。自然が丁寧に描かれ、虫や人、植物は、まるで写真の1コマであるかのように、ナチュラルに描かれているのです。ですから、今にも動き出しそうです。
それから、子どもたちにとっての魅力は、みずみずしそうに描かれたブルーベリーや赤く熟したこけももに、はちみつをかけた「はちみつこけもも」など、実においしそうな食べ物がでてくることです。登場人物がおいしそうに食べている姿をみると、「いいなー、おいしそう。たべたーい。」という言葉が思わずでてしまいます。食べ物以外には、「木の皮のヨット」や「くもの巣のブランコ」など、小人ならではの遊びも魅力的のようです。
このように、この絵本の魅力をあげればきりがありませんが、1ページずつ描かれた、挿絵を存分に楽しんでいただきたい絵本です。