だいすき!絵本
初瀬 恵美
新年あけまして おめでとうございます
本年もよろしくおねがいいたします
『ふゆめがっしょうだん』
かがくのとも傑作集
冨成忠夫 茂木透/写真
長新太/文
福音館書店
私は、年末からお正月にかけて実家の岐阜に帰ってきました。向こうは時折雪も降ったりして、すっかり冬の寒さが到来し、景色も冬枯れ寒々としていました。しかし、こちら熊本では年を越してから、やっと寒波がきたものの、年末には紅葉もまだあざやかで、秋の趣が残っていましたよね。あらためて、九州の暖かさを感じました。
今月紹介する本は、落葉した葉の柄がついていた跡を写真と文で紹介しているユニークな本、『ふゆめ がっしょうだん』です。この本は、今から19年も前の1986年に福音館書店の『かがくのとも』から、発行された本です。もしかしたら若ーいお母さんやお父さんの中には、保育園時代に見たことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし、私が出会ったのは、まだほんの数ヶ月前です。中川みつきちゃんのお母さんから紹介していただきました。みつきちゃんも、みつきちゃんのお母さんも、お気に入りのおすすめの一冊です!
ところで、皆さんは、落葉した葉の柄がついていた跡の実物を、じっくりご覧になられたことがありますか?私はありませんでした。そこには、目や口に似ている部分があるそうです。そして、木の種類によって、うさぎやコアラや、帽子をかぶった子どもの顔に似ていたりするんです。うそみたいでしょ。でも、上の四角にかこまれた写真を見て下さい。笑った顔にみえるでしょう。(これは、「おにぐるみ」という木の冬芽です)この写真のように、この絵本のページをめくると、いろいろな顔が飛び込んできます。そして「あっ!これは、うさぎさんみたいだね」とか、「おもしろい顔の人みたいだねー」と、自由に想像をふくらませ、楽しむことができます。実物は、小さくて地味ですが、春をまっている木の芽が、冬に小さな楽しみを準備してくれていることを、私たちに気づかせてくれる、素敵な一冊だと思います。今年の冬は、ぜひ私も本当の冬芽を見てみたいです。皆さんの周りでも、おもしろい「冬芽」をみつけたら、ぜひ教えて下さいね。