ロマンドリップ

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PCゲームの感想

ロケットの夏

  • メーカー:TerraLunar
  • ジャンル:純愛アーカイブノベル
  • 発売日:2002/10/11
そんなに遠くない昔。
異星からの使者によって、地球は銀河連盟の一員となった。
宇宙との交流や貿易が盛んになり、毎日のように銀色のロケットが星々へ向って打ち上げられた。
けれど、ある日をさかいに銀河との交流は途絶え、宇宙港の門は閉ざされてしまった……。
 
主人公・真幌高志は、幼い頃からロケットに憧れを抱いていた。だが、ある事故をきっかけに、宇宙への夢に挫折してしまう。少年の頃の輝きを失い、惰性のようにすごす毎日。
だが、ひとりの女の子との出会いが、彼を変えていく。
ある朝、高志の目の前にパラシュートで落ちてきた女の子・千星(ちせ)。彼女は「50マイルズオーヴァー」(FMO)と呼ばれる自作有人ロケット大会の出場を目指していた。
主人公を兄のように慕う幼馴染み・歩(あゆむ)や、担任のロボット教師である「はるひ先生」の応援もあって、高志は次第に少年の頃の情熱を取り戻していく。
サヴォア星から家出してきた小さな姫君・セレンと彼女の護衛兼メイド・ベルチアも加わり、大会最大クラス・アルバトロス級有人ロケットの製作を開始する!

(OHPより)


恋愛<ロケット モデルロケットの詳しさには驚き

まあ簡単に言うと、ロケットに情熱を注ぐ転校生の女の子と一緒に有人ロケット大会に向けて共に製作を頑張っていく というお話です。
FMO出場という目標をめざす内容であるため、女の子とふれ合って好感度を上げていく恋愛モノとは若干色が違なります。まあシステム的に見れば普通のAVGとなんら遜色はありませんが、どちらかというと恋愛面は描写は薄かったです。なんていうか、こちらはオマケ程度といった感じで。一応、FMO出場が最終目的であるということから必然的にロケットに主体が行ってしまうのは仕方の無いことだと思いますが。

主人公の学校では、他校にはあるロケット部が存在せず、そんな無の状態から少しずつ目標を積み重ねていくという流れと、最終的に有人ロケットを自作して飛ばすという偉大なる野望を掲げながらストーリーが進行していくので、男なら誰しもが持ちうる情熱を感じながらプレイできると思います、多分。^^;

ロケットの夏では作中にモデルロケットと言われる、黒色火薬を燃料とした小型(30〜100cm程度)のロケットが出てきます。実はロケットの夏では、このモデルロケットを発射するシーンがあるのですが、発射の手順とかがほぼ正確に描かれていました。自主保安距離の取り方が間違ってましたが、他の動作や専門用語などはあっており、少なくとも製作者の中に経験者がいたのかもしれません。
しかし、ゲーム中に専門用語に関する記述が少なかった為に、モデルロケットをやったことのないプレイヤーの殆どに対しては理解するのが難しいように思われます。(ストーリー進行には問題ありません)


全体的な完成度を高くして欲しい

肝心のシナリオのほうなのですが、これは表シナリオ+裏シナリオ+あと残りのキャラはおまけ といった感じです。
シナリオ中における共通ルートの割合が多いので、ひとりクリアしたあとはCtrlキーで既読スキップ使えば一人に付き1時間半〜2時間でクリアできました。そんなわけでボリューム感はめちゃくちゃありません。
ホント暇なときにちょこっとやればクリアできてしまうような感じです。
はじめから最終的な目標が定まっているという点から、ロケット製作を主体にした物語を複数のキャラにわたって描くということが難しいからかもしれません。メインで登場するキャラのうち3人は途中からロケットから全く異なる話に突入してしまい、かなり違和感を覚えた記憶があります。
千星と歩以外のキャラは扱いが適当な感じで、とりあえずストーリーを用意したという印象を受けました。ぶっちゃけると内容もちょっと微妙かな・・・なんて思います。この辺はシナリオライターの腕の甘さが出てちゃったのかも。

あと、エピローグをもうちょっと伸ばして欲しい。ラストで話がいい感じに終わってから速攻でEDしてしまうのは物足りない印象。もう2,3言くらいあって欲しかったと思います。


千星、歩。表と裏の物語は面白い

内容で言えば一番オーソドックスな展開をする表ルートの千星、ロケットの夏というタイトルの真の意味を貫く裏ルートの歩はそこそこに面白いです。千星ルートはこのゲームのタイトルをそのまま反映した内容。まさに王道。自作のロケットで宇宙に行くという目標、誰しもが一度は宇宙に行ってみたいという憧れを持っていると思います。そんな思いを今まさに形にしようとしている千星ルートはプレイヤーを否応なしに熱くしてくれるはずです。
そして歩ルート。千星ルートがアルバムのタイトルチューンだとすれば、歩ルートは締めくくりの曲、ロケットの夏というタイトルの真の意味を伝えてくれるキャラです。実は歩ルート感動してしまいました。最終的には良い話かと思われます。つーか歩超可愛いの何のって。思わず和んでしまうような歩の笑顔に折れはヤられました。あんな素直なキャラは大好きです、ホント。


システム面はちょっと微妙かと

バックログはセリフのウィンドウ右の矢印のみでしかできず、マウスのスクロール機能も無いというのはちょっとキツかった。普通に読んでいくぶんにはいいのですが、ちょこっと戻りたいときとかが不便に感じます。
あと、おまけモードがCG鑑賞とBGM鑑賞しかなく、シーン回想が無かったのが心細い。Hシーンを見るにはそのシーンでセーブしなくてはなりません。せめてシーン回想はあって欲しいと思います。


結局のところ

恋愛要素は結構薄めです。ロケットの夏はそれよりも、ロケットという一つの目標を目指して青春を駆ける少年少女の物語を楽しむところにあると思います。お勧めの攻略順は、

千星>セレン、ベルチア、はるひ先生>歩

です。
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