ロマンドリップ

GAME

PCゲームの感想

ラムネ

「何か」が起こりそうな・・・そんな期待をして、ドキドキして。
でも、そんなことはなかなか起きなくて・・・
そういえば去年も一昨年も同じように思ってたりして。
なのに、今年も何かが起こりそうな気がして・・・
やっぱりドキドキしてしまう、不思議な季節。

〜そんな不思議な季節を舞台にしした、
 どこにでもある「普通」の物語り〜

(ゲームパッケージより)


期待のねこねこソフトの新作、朱でコケた(折れは感動しまくった)ねこねこが出したのは、みずいろと同じ「普通」の学園モノ。
舞台を田舎の海沿いに移動し、そこで繰り広げられる一夏の出来事。 幼なじみ、妹、従姉妹、先輩。いつも身近にいる人たちとの間で繰り広げられる、一夏の淡い物語です。


だからこそねこねこが目指したのは、とことん「普通」な物語。突拍子な裏設定があるわけでも主人公が絶体絶命のピンチに陥るわけでもなく、ありきたりで平凡な日々をひたすらに描く。決して表に出ることのないオタのために、少しでも夏の思い出を作ろうとしたねこねこの暖かい心意気の表れだと思えたりもしますが。(ぉ


そんなラムネ、今年はTYPE-MOONやKeyなどといった超大手のソフトハウスが新作を出したこともあり、今作を出すことはかなり勇気がある行動だと思います。なにせねこねこも大きなソフトハウスであるわけだし、朱でコケた分を挽回せねばなりません。
そこを敢えて「普通」で通そうとするあたり、ねこねこの多大なる意欲を感じるわけです・・・・・・・・・・が、







今回のラムネ、総括すると普通過ぎ、インパクトがなかったというのが印象です。

まあ、上に挙げた二つのメーカーの作品が設定の濃さや物語の壮大さなど、非常にインパクトのある特筆したものであったために、ラムネがあまりにも単調に感じた、というものあります。
しかし、それを除いてラムネだけに視点を当ててみた場合でも、今作はインパクトに欠ける内容だったんじゃないかなぁと思います。
みずいろ同様、「ぽんこつな幼なじみ」といういわば看板娘な役割を果たすキャラも登場し、そしてゲームの時期もちょうど発売したのと同じ夏でタイムリーなど、ねこが用意する素材としては十分であったのですが肝心のドラマをうまく味のあるものに持っていくにはちょっと足りなかったかなと思います。


例えば海で遊んだり湖で遊んだり、夜に星を観測したり、暑い季節に涼しさを感じる演出が施されており気持ちの上での避暑ならば、まさに夏を感じさせてくれるもの。物語は置いといて、それだけなら十分に良かったのですが。
しかしまあ、王道を外さない点では評価します。ありきたりな物語を望んでいるのであれば、「普通」と言う面では外してなく素直にプレイできます。過去編→現代編という、みずいろであった形を継承していたのも良かったかなと。過去編でクリアするキャラを定めればあとはエンディングまで一本道なので安心してプレイできますし。

それに今回は過去編がカラーだったってもの良かったかと。カラー故にあまり過去編という印象は受けなかったのですが、先輩のあまりに可愛い過ぎるょぅι゙ょ姿が見れたりロリ七海の入浴シーンがバッチリ拝めたりと、カラーでなきゃ後悔するような内容でもあったために、今回の過去編カラーはウッハウハでした。


話は戻しますが、普通であることは逆にいえばプレイヤーをひきつけることは難しい。
どういうことかといえば、普通であることは宣伝材料がないわけだから、ウッハウハな過去編で出てきた伏線を現代編においてうまく絡めないと、炭酸の抜けたぬるい「ラムネ」になってしまうんじゃないかと。個人的印象としては、伏線を一番うまく活用できたのはひかりでしょうか。次点に先輩とぽんこつさん。
アフター+おまけがいっぱいあったこと、各務さんの学ランおふぇらがエロかったことなどから、まあギリギリ合格点。

雰囲気で言えばまあ、良いものでした。以下、各キャラの感想〜

友坂鈴夏

一番初めにクリアしたキャラ。それ故、キャラ設定が他のキャラのルートと鈴夏ルートで異なっているのにまず驚き。
公式の設定では、鈴夏は素直で活発で無邪気な性格、そして柔道部に所属していると言うことだったのですが、現代編の鈴夏ルートに入ってからまったくその兆候が見えず、何か全然大人しくて静かだし部活は天文部に所属してるしで、かなり疑問を持ちながらプレイしていた記憶が有ります。

肝心のシナリオの方は、「普通」を目指しているねこねこにとって本当に「普通」(あまり凹凸のない)だったような。
天体観測が好きな妹、そして一緒に観測する兄貴というだけで、あとは特に大きなドラマもなく嵐のような怒涛の展開もなく淡々とシナリオが進んでいくだけで、いわゆる(ていうのか?)普通を目指すねこねこらしい展開。

過去に健次がやらかした天体望遠鏡事件を伏線として展開する物語でしたが、個人的に言わせて見れば鈴夏ルートは普通すぎ、平凡すぎでかなりインパクトがないシナリオ。
というのも、ラムネをやったのが折れの涙腺を完璧にぶっ壊したKeyのCLANNADの後だったので、あのシナリオの内容からするとラムネの鈴夏ルートはあまりにもドラマが平坦すぎに感じました。

まあ、静かにまったりプレイするには良いかもしれませんが。


鈴夏の性格は他のキャラノルートでは公式どおりの設定ですが、じゃあどちらが好きなんだ?と聞かれた場合は結構悩みそう。
活発で元気な方もよろし、静かで大人しい方もよろし、で結構悩んでしまいます。しかし、それを解消してくれたのがアフターストーリー。選択次第で自分の好みの鈴夏とHできたのは意外でした。しんみり系の本編よりむしろアフターの方が面白いかもと感じた折れです^^;

近衛七海

へっぽこぶり健在やはりねこねこといったらぽんこつさんがいないと。

七海スペシャルとかアホなことやらかしてしまうのとかウケました。アホすぎて笑いましたよ(ぉ
だけど平和ボケボケの日常から一変してシリアスな雰囲気に入ってからはぜんぜんヘっぽこじゃなかったですねどね。
後半、シリアスモードに入ってからのストーリー展開がちょっと速すぎたかなと。個人的には、かなり駆け足だった印象。個別ルートの大事な部分って大概こっちになってからなのだから、もうちょっとスパイスが欲しかったかな、何て思います。

ただ、物語中に何回か出てきた「貸し借りは消えるんじゃなくて積み重なるもの」、みたいな表現の引き出し方はちょっと良かったかなと思います。出てきた数字がキーワードといいますか。シリアスモードで切なさを引き出すのに良い材料だったなと感じました。


結局のところ、へっぽこで幼なじみ、七海はそれで全てだと思いますね^^;


※ちなみにですが、七海ルートでは修正パッチをあてていない場合、ラストシーンの最も盛り上がる場面においてゲームがフリーズする可能性が有ります。折れはこれで泣かされました。パッチはあらかじめ導入しておきましょう。
修正パッチを使用しなくても特殊な方法で回避できるときも有りますが・・

石和多恵

「一番ねこねこらしくない」と言われている先輩ルート。自分としては先輩ルートの話はけっこう良かったと思います。

決して自分に甘えることなく、他人にも頼ることのなかったのなかった先輩が、主人公の健次と出会ったことで次第に自分に素直になっていく過程が良かった。甘えることのなかった先輩が誰かに頼りたくて、その結果とった先輩の旅館での「だっこ」シーンなんかは結構印象深いものがあります。いつも一定の距離を置いていた先輩が始めて他人の心と触れ合う様は、それこそ先輩を強く抱きしめたい、なんて衝動に駆られました^^;

それ故、そのあとのHシーンへとつなげていくのは良かったかなと。自分自身、Hシーン前後はかなり先輩に気持ちが依存しまくりでしたね。

自分の中では先輩ルートはラムネの中で一番出来たシナリオだと思います。やはり大きなドラマこそないものの、先輩の揺れ動く気持ちが表れていて、結構気持ちがシンクロできます。おそらく、先輩ルートがお気に入りだと言う人は結構いるものと思います。



はじめ、世話焼きすぎる性格はどうかとも思いましたが、まあそれなりにいいシナリオと、あとその声が個人的にツボだったために、ラムネの中では一番のお気に入りキャラです。

仲里ひかり

このキャラのシナリオで言わせてみれば、ひかりルートは恋愛云々と言うよりは七海、健次、ひかりの3人の友情物語みたいなものですね。まあきゃんきゃんして勝ちっ気な性格ではとても恋愛という定義が浮かんでこねぇよ、ってのが個人的見解だからだったりするのですが^^;

ひかりルートで思ったことと言えば、相手への気持ちを持ち始めてからの展開が急すぎな印象でした。通常進行のシナリオばかり続いていて、それから突然「相手のことが好きだったよ」とか表現されてもこちらとしてはそんな前提など与えられていないので、(゚Д゚)ハァ?なんて思ったりします。そんな伏線どこにあるんだよ、って思わず突っ込みを入れたくなるような。

それからHシーンに関しても、無理やりとってつけた内容ですね。シーン自体も本当に短いし、Hする理由もただ単に健次がヤリたいだけとしか思えませんよ。もちろんプレイヤーの気持ちが昂ぶるわけでもなく、実用性はゼロに等しい。


せめてやるのであれば、恋愛要素は抜きでやった方が評価は高いかと思います。友情という面で見れば、ラストの場面なんかは結構いいと思います。まあそうですね、あの内容でいけばひかりルートは夏の終わりを感じるのには相応しいものなんじゃないかな。そんな感じがします。
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