ロマンドリップ | |
GAMEPCゲームの感想君が望む永遠 DVD Specification
周囲に流されて生活している白陵大付属柊学園3年生。 親友の平慎二、早瀬水月たちから進路の話を聞くたびに漠然とした焦りを感じていた。 7月の夏祭りの日、待ち合わせに遅刻した水月は、親友の涼宮遙を連れてやってくる。 その彼女は数日前本屋で出会った、内気な女の子だった。 それ以来、何かと3人の輪に遙を加えようとする水月。 しかし、遙の自分を避けようとする仕草に、孝之の苛立ちは募っていく。 そんなある日、3人の行きつけである、学園裏の丘に呼び出された孝之は、そこで待っていた遙から、好きだと告白される。 内気な彼女の勇気を振り絞ったひとこと。 彼女を傷つけることを恐れた孝之は、その言葉を受け入れてしまうのだが………。 (マニュアルより) ■多重恋愛という重いネタが主題 第1章は主人公とヒロインとの幸せな日々が描かれ、そして第2章からいよいよこの作品の本題。 まず始めに言うことは、とにかくボリュームのあるシナリオとそして非常に「重い」展開でした。 というのはストーリー中で嫌というくらいに絡んでくる多重恋愛というテーマ。 単に相手を想う気持ちだけでは通用しない世界が、そこには存在します。 実際、シナリオ中でもどうすればいいかの選択が何回も迫られる訳ですが、そこで厄介だったのが主人公孝之の曖昧でハッキリしない態度。 何かにつけてあーだこーだ、俺は駄目だ、できないの繰り返し。それこそプレイヤーをイラつかせてくれました。 ■好きという気持ちのぶつかりあい それは主人公自身の想いと、主人公を好きな人物の想いというものが。 いろんな気持ちが交錯し合う中、主人公が見出さなければならないものは一時的な想いではなく、絆を確実に結ぶことができるたった一人の人物。 単に好きだと言う気持ちだけでは解決できない多重恋愛と言う重み。主人公の葛藤、悪循環な展開。その内容が、人と付き合うことの大変さを痛烈に感じました。 ■的確な判断はなかなかできない 普通に何でもなければ遙を選べば言いのだろうけれど、そこに水月という存在があり、茜という存在がある。しかもそれが赤の他人どうしではなく長年親しくしていた人たち。 これほどまでに主人公を悩ませる材料が揃えばそれこそ最良の選択を選ぶのは難しいし関係だって壊したくない。 実際に突きつけられている現状を把握したとしても、自分をごまかし相手を騙しながら過ごしていくのは辛いもの。それに付け加え自分の意志を明確に決定できないことで現状が更に悪化することもありで、シナリオの大半はもの凄いシビアなものにありました。 ただ、主人公が必ずしもヘタレという性格だと決め付けるのは尚早だと思います。例えば君のぞの世界で起こった出来事が実際に自分の身に降りかかった場合、主人公よりも円滑に且つ円満に解決できるか?そしてそれが人間関係の問題であるとき。その答えはNOだと思います。 とにかくまず悩むのはいいとしても、身近な人間に常に答を迫られる状況においては的確な判断を得ることが出来ずやはり主人公と同様に苦いものは全て後回しにするんじゃないかな、少なくとも自分はそうなると思います。 ■水月ルートはマジ泣いた なんだかんだで苦痛に思うことがしばしばありましたが、(キャラにも寄るけれど)シナリオは良かったです。ぶっちゃけ、泣けるシナリオは本当に泣けます。個人的に一番泣けたのは水月ルートでした。 大抵の人は水月ルートと遙ルートが良かったというのを見かけます。しかし自分の場合、遙ルートは気合を入れすぎた為かあまり感動できませんでした。泣けた!というのを見るたびにつくづく惜しいことしたな、何て思います。 でその水月ルート。遙エンドがこのゲームの目標であるならば、水月エンドは君が望む永遠としてのエンドだと思います。簡単に言ってしまえば、主要な登場人物に関わっていた問題が一番スッキリとした形で完結するのが水月ルートだからでした。 で、ラスト〜エピローグでは自分を完全に破壊してくれました。マウスホイールを回して文章を読み進めていたのですが、この辺りでは感動のあまり手が震えて文章を送ることが困難になりましたよ^^; (ちょっとネタバレになるかもしれんが) 水月ルートでの決定打は、遙の持つ“強さ”でしょうね。折れはそれで堕ちました。 しかしまあ、エンディングの中にはかなり悲惨な状況で終了するものも有り、一概に全てが良いシナリオだったとは言えません。しかも、メニュー画面でバッドエンドまでカウントしてくるのは卑怯だと思いました。まあ、BAD→トゥルーの順でプレイすればいい話なのですが、それに関わらず、これは頂けないぞというもの見受けられました。 ■不満なところ、満足したところ えと、もう一つ不満な点として。 全体的にシナリオが冗長すぎると言う点が自分にとっては不満でした。長いシナリオに加え、主人公が駄目であったと言うのが原因です。 少なくとも現時点の3分の2から4分の3程度で十分だったかと思います。シナリオの大体がプレイヤーにとって暗く苦痛な雰囲気であるからこれではどうあがこうと凹むのは致し方でしょうか。 でもまあ、その他システムや音楽、CGの面では不満は有りません。 BGMは場面に的確なものが多く物語りの雰囲気をいっそう引き立ててくれます。で、OP曲の「Rumbling Hearts」はものすげーいい。自分はこの曲何十回とリピートしました。めっちゃハマる曲です。 CGの枚数も差分を除いただけでも160枚近くありかなりのボリュームです。物語の如何に関わらず、HCGが半数近く占めているのには驚きましたが。(ぉ ■マナマナルートは別の意味で衝撃的 マナマナこと、穂村愛美。このキャラのルートだけは、明らかに、というか完全に君のぞのテイストとは異なりました。 何せ「君が望む」も「永遠」も全く関係の無い完全に独自の世界にイっちゃってる内容で、プレイし終わったときあまりの衝撃にこれこそ鬱になりました(苦笑 まあ、特殊なことが好きな人はいいかもしれないけどね、正直、マナマナルートは覚悟しといたほうがいいよ?とだけ言っておきますよ。(ぉ ■最後に 幸せな日々ばかりじゃない。時には心が病んでしまう辛い体験も、全てを捨てて逃げ出したい時もある。 そして人を大切に想う心の強さがある。 君のぞは特殊な例かもしれないけれど、単純に捕らえることが出来ない「好きだ」と言う気持ちと恋愛の形。 なんだかんだ言いましたが、この作品はドラマとして大きな作品だと、そう感じました。 ちなみに自分のお気に入りキャラは茜です。(ぉ |
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