◆闘姫伝承 エンジェルアイズ◆

 

 ● 製品データ
タイトル  闘姫伝承 エンジェルアイズ
発売日  1997年12月11日 メーカー  テクモ
定価  5,800円 ジャンル  2D対戦格闘
廉価版  なし
関連商品  アーケードからの移植、音楽CDあり
   
 ● 評価
外見衝撃度  パッケージの裏面全部を使って、体操服姿で微笑む体育座りの
 「ちび子」は、インパクト大です。
 ★★
超越世界観  8人の天使達が拳で語りたいために、地上での手足を見つけ、
 ケンカ吹っかけ合う話です。天使達、自分はダメージなしかよ!
 ★★★
声優度  対戦中の豊富なボイスに加え、ストーリーモードの会話シーンも
 フルボイスです。
 ★★★★
演出度  移植時に追加されたストーリーモードに、新規描き起こしキャラが
 10人以上も登場します。
 ★★★★
時間報奨  格闘ゲーム苦手の人にとっては、展開の速いこのゲームは難易度
 高いかも。だがスピードを克服すると、面白いように上手くなります。
 ★★★★
牽引力  アーケードモード、ストーリーモードともにクリア後のオマケつき。
 それぞれ、ギャラリーオープン、キャラ追加があります。
 ★★★★★
ゲーム性  相手に向かって高速で突っ込んでいくホーミングジャンプ(1ボタンで
 発動可能)がイカス。
 ★★★★★★
快楽性  このめまぐるしい展開はアドレナリン出まくりです。
 ★★★★★
芸術点  「貧乏ちび子」やばすぎ。
 ★★★★★
所有価値  キャラ全員女性ということで色物に見られがちですが、ゲームの
 興奮度とやりこみ性は比類ありません。見つけたら絶対買い。
 ★★★★★
総合評価  キャラがこれだけ立っており、かつオリジナルシステムでバランスが
 破綻してない格闘ゲームも珍しい。これはひとつの奇跡。

86点

   
 ● コメント
イントロ
遥か天空でのお話・・・。大天使の候補となった8人の天使達がいた。やんちゃでイタズラ好きの彼女達は、この中から大天使を決める方法を任された時、それを拳と拳の語り合いで決めることにする。
しかし彼女達は実体を持たない。そこで地上へ降り、自分と同調(シンクロ)できる者の身体を借りて戦うことにした。大天使になれるものはただ一人。

というわけで、天使の力を身につけた人間界の少女達が戦いを繰り広げます。登場するキャラは以下の8人。
・ライヤ:高校生で学園の問題児。雷属性の波動昇竜系。超必はビーム。
・レイカ:ライヤの同級生。中華料理屋の娘で生徒会会長。ラッシュが得意な炎系。
・ちび子:貧乏にめげない12歳フリーター。友達と一緒にいたいので中学校へ通っているが、学費が払えないので生徒ではない。体操服姿でバレーボールを操る。
・マリー&キング:わがままお嬢とぬいぐるみテディベア。ちび子をいじめるのが趣味。天使の力が取り付いたのはキングのほうなので、キングの力で戦う。
・ハイウェイスター:ライヤとレイカの担任。バイク乗り。どちらかというとテクニック系。
・ミステリアスパワー:巨乳カジノディーラー。ハイウェイスターの友人。内気で地味な性格だったが、天使とのシンクロで悩殺お姉さんに変身。怪しげな銃で戦う。
・キリコ:マリーの豪邸のメイドで、正体は抜け忍。自然と動物が好き。動きが素早い。
・リナ:某国の要人暗殺者(スナイパー)でサイボーグ。長身のパワーファイター。

このうち、レイカとキリコは天使とのシンクロ率が高いという理由で、リナはサイボーグという理由で、アニメ絵でなくポリゴン取込みのグラフィックになります。
レビュー
アーケードでリリースされた時から一部で話題沸騰だった女の子だけの格闘ゲーム、それがこの「闘姫伝承」です。どのメーカーも考えたであろう、使用キャラが全て女の子、という欲望に忠実な対戦格闘ゲームですが、実はシステムのほうもしっかり作られています。あと当時は2D格闘なのに一部3D絵を取り込んだキャラがいて、そのギャップにカルチャーショックを受けたことも記憶に新しいです。

さてそのしっかり作られたシステムとは、ホーミングジャンプ、これに尽きます。Kボタン同時押しで、操作できる状態であれば即座に相手の位置へかっ飛んでいきます。やられ復帰から即座に反撃とか、相手を飛び越すようにジャンプして後ろからめくるとかいろいろな使い方ができます。しかも全キャラで空中ジャンプが4段までできますから、空中戦がとてつもなく熱いです。もちろん相手のホーミングジャンプ攻撃を読んでいれば、飛び道具やリーチの長い技で撃墜することも可能。それならホーミング速度の速いキャラが有利かというとそうでもなく(制御が難しい)、ホーミング速度の遅いちび子のようなキャラがまとわりつき能力高かったりします。ここらへんの調整もお見事。

それからもうひとつ。アーケードからPSへ移植する際に追加された、ストーリーモードの内容について触れておきます。アーケードモードは天使サイドの物語であるならば、ストーリーモードは天使とシンクロした女性達の物語です。感動できるほど立派なものでもないですが、ストーリーモードをプレイすることで使用キャラの日常が垣間見えるのは一種のファンサービスと言えましょう。また、このストーリーモードをクリアすることで、元キャラの性能違い(サムスピの修羅・羅刹を想像してもらえれば)も使用可能になります。それは元キャラの性格の一部分が増長した姿だったり、弱体化した状態だったり、同じ流派の姉だったり、mkUだったり・・・つまり、使用可能キャラが倍になるわけで、これはもう移植のオマケにしては立派過ぎるプラスアルファです。

総評:
キャラに惹かれてプレイ始めたばかりのときは、キャラの動きをうまく制御できなくてイライラするかもしれません。敵も4段ジャンプを駆使してきますから、うまく攻撃射程内に捕まえることができないのです。しかしホーミングジャンプの使い方を覚えれば、それまでのまったりした展開とはおさらば、俄然面白くなります。
難易度を易しいにしても最初はつらいかもしれませんが、プレイ時間に応じて上達する様が自分でもわかってくると思います。
攻略ガイド
私もヘタレ初心者なのでだいぶ苦労しましたが、やはり大天使(ラスボス)との戦いが一番の壁でしょうか。多段突進技はきっちりガードして、レバー後ろ+大P連打で投げに移行したほうが安定かな。ガードキャンセル必殺技は無敵がないと多段でつぶされるのでやらない方がよい。あ、これ見て鼻で笑ってる人は無視してくださいこの文章。
また、ストーリーモードをノーコンティニューでクリアすると、ギャラリーが一枚追加されます。
出演声優
静木亜美、七瀬里緒、藤咲かおり、柏平佳代、小池かの子、沖静香、幡宮かのこ
関連ソフト
アストラスーパースターズ(SS/サンソフト)、あすか120%シリーズ(SS、PS/ファミリーソフト)

 

   

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