きっかけは、本スレでカードゲーム作ると言う書き込みがあったので、それに反応して
カードゲーム作ったことありますよとレスしたこと。この時は自分がスタッフになるとは
思ってもみなかった。そしたら、いつの間にかスタッフリストに入ってて・・・まぁいいか、
ひとつやってみるか!という感じ。ここは結構悩んだが、いろいろ考えて最終的には
自分にとってプラスになると判断した。
まずはどういうゲームを作るか。
その頃、ゲーム遊びまくっていて気づいたことが一つあった。それは、ゲームから
得られる快楽には、「面白さ」と「楽しさ」の2つがあるだろうと。
「面白さ」というのは、簡単に言ってしまえば興奮と感動。ラスト15分の怒涛の展開や
衝撃的なエンディングが相当。「楽しさ」はストレスがない状態の継続。ソリティアとか
マインスイーパーはもう飽きちゃった人がほとんどだろうけど、誰でも当初は猿の
ように遊んだはず。
だから例えば、ラストのムービーが綺麗だけどそのために20時間もかったるいレベル
上げする必要がある大作RPGがあったとして、それは「面白い」けど「楽しくない」
ゲームということになる。
「面白さ」と「楽しさ」の両面から、ゲームによる快楽を考える必要あるよね、と。
それから考えた。この2つを両立できないだろうか、と。だけど面白くて楽しいゲームを
作るなんて目標は、おいしい料理を作るというようなもの。目標として意味がない。
そこで、楽しい=ストレスなし=シンプル、面白い=エキサイティングと勝手に定義。
「シンプルでエキサイティング」、これが第1のコンセプトで、最初から最後まで、これを
貫き通すことにした。
そして、カードゲーム。
シンプルでエキサイティングなカードゲームの題材をいろいろ考えたとき、一つの
ゲームシステムが浮かび上がった。今だから白状するが、このカードバトル5のゲーム
システムの元ネタは、私が昔に思いついたもの。当時、ファミコンミニ第3弾!とか
やっていたから、その頃のゲームは受けるかなと。シンプルだし。
ただし昔のゲームに比べて、ルールを少しリファインしている。具体的には、
・素早さ計算の簡略化。以前はカード枚数の階乗(1枚ならx1、2枚ならx3、
3枚ならx6・・・)と計算してた、だけどシンプルじゃないので、x枚数分に簡略化。
・ガード時のダメージ計算。昔は全て半分(端数切捨て、しかし最低でも1ダメージ)に
していた。それはそれでゲームバランスとして悪くなかったけど、ルールに注釈付く
のがシンプルじゃないので1ダメージに統一。シンプル。
・もうひとつ、ガードすると次にカードを2枚引くようにした。当時はガードでも1枚。
これはシンプルでもエキサイティングでもなく、ゲームのスピードアップのため。
たくさんカード欲しいなら、ガードしまくればすぐ貯まる。イライラしない。
結果として、ガードという選択肢が強力になったことは確か。しかしガードだけでは
勝てないことも自明なわけで、とりあえず今回はこれで行ってみようと思った。
そこでこのシステムを本スレに公開し、絵師さん一緒にやりましょうよーと。
このとき、企画厨を絶対入れたくなかったので、それを徹底的に防ぐことにした。
「モノ(素材)を出した奴が一番発言力がある、そして発言力を持つために皆が
モノを提示する」。この考えをスレに浸透させるようにした。これが第2のコンセプト。
最後のコンセプトは、自分自身へのコンセプト。
今回の制作活動をする上で、自分にとってのメリットはなにか? それはもちろん
「ゆーめーになるのだー」という側面もあるかもしれないが、それだけだったら
ここでゲーム製作なんかやることもない。絵師さんとのパイプもコンセプトとして悪く
ないが、それが目的ならもっと効率いい方法がいくらでもある。
そこで自分自身へのコンセプトはズバリ、「外部でプロジェクト成功経験を積むこと」。
仕事の上でシステムの開発プロジェクトは何度か経験しているが、仕事における
プロジェクトというものは、メンバーにしろ上司にしろ顧客にしろ、誰もが成功させたいと
思っている訳で、ある意味成功するのが当たり前。普通の能力を持ったメンバーが
ちょっとだけ頑張れば、普通のプロジェクトは成功するようにできている(と思う)。
だけど2chでのゲーム製作はそうも行かない。いなくなるスタッフや煽る名無しや
別のスレッドでウォッチするところが出てくるのも当たり前の世界。締め切りも報酬も
ない世界で、成功するほうがどうかしている。そんな中でゲームが完成するのか、
自分を確かめたかった。それが第3のコンセプト。
以上の内容はスタッフの誰にも語ったことはないけれど、こうやって行動にコンセプトを
持たせることで、落ち込んだときやうまく行かなかったときに、自分自身を励ますことが
できると思う。ここでやめちゃったら、最初のコンセプトを達成できなくなるけど、
それでいいのか?ってね。
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