セガ/メガドライブ/1986
Written By OTTE



ああ大紹介


「ああ播磨灘」といえば、すぐに「播磨体操第一」を思い出すでしょうが、実際どんなゲームは結構知られていないのではないかと思います。
この場をお借りして紹介したいと思います。
せっかくだから、俺は赤い播磨灘のゲームを選ぶぜ。(^^;)


ああ大購入


このゲームはアニメにもなって、放送されるごとにセガ以外のスポンサーが逃げていったという伝説にもなった「ああ播磨灘」のゲーム化作品で、ズバリ、メガドライブ(以下MDと略します)界の相撲ゲームの頂点を制覇しました!
(単にMDで他の相撲ゲームが出てないだけやん)

購入のきっかけはある日、ゲームショップに行ったときにソフトを眺めていたら“念”を感じたゲームが!
「そこのお前! 買え!!」と云わんばかりの、どう見ても恐い力士が指を差してこちらに念を送っているようにしか見えないパッケージ絵が気になり…。
結局、脅されて買っちゃっいました。(^^;)
でも、これがきっかけでこの記事を書くとは思いませんでしたが。(笑)


とりあえず箱を開けてみる。

箱を開けても、取説にも力士が指さしている絵が…。
そして、取説のページを開いてみても同じような指さしている絵…。
同じような構図ですが、絵はわざわざ違うものなんですが…。
もしかして、手抜き?
それとも一種の催眠商法?
やたらと力士がこちらに指を差している絵しかないのはあんまりじゃ…。
(この地点でこいつが播磨灘とわかる)

さらに、取説の中の絵のとなりに…、
「相撲に品位もクソもあるかい!! 強い者が勝つ。それだけや!!」
…と書いてある。
はじめ、これが書いてある意味すら判らなかったが、のちに遊んでいると自然にわかってくることになるとは…。
(この件はあとで…)



ああ大体験


早速、仕事に行く前に適当に1人用のストーリーモードを遊んでみました。
デモで播磨灘が仮面をかぶりスポットライトを浴びて堂々と入場してきますが、時間がないのでスタートボタンを押してデモを飛ばす。

第1戦はいかにも弱そうな立山。
私は画面そっちのけで取説を開き…。
「何々? 播磨灘の必殺技は…。もう格ゲーやん、これ…」
…と言っている間に、行司の「はっけよい、のこった!」
それでも私は、そんなものお構いなしに説明書を見ている…。

「何々? 火閻張り手は4タメ6+Bか…。要はエドモンド●田のスーパー頭突きだな…」



※ここで補足
コマンド入力時の説明です。
コントローラーの十字キーの配列はテンキー配列で表示させて頂きます。

 ↑    789
←・→ ⇔ 456
 ↓    123


例えば、「236+B」は「下・右下・右+B」という意味です。
さらに“+”は前者と後者を同時に押すという意味です。
(上記の場合は右とBを同時に押すということです)
なお、A・B・CはMDのAキー・Bキー・Cキーでキャラクターが右向きでの入力になります。



とりあえず、コントローラー見て画面そっちのけで入力してみると、画面の方から「あ~っ…」という呻き声が…。
「えっ!?」
あわてて画面を見ると、いつの間にか播磨灘が「ボケーッ!」とか言って勝っていた。
一撃でした。
「なんじゃこれ!?」
呆然としながらも次へ進みました。
次の対戦者はバカでっかい富嶽。
「じゃあ、もう一個の必殺技をやるか」と“大噴火投げ”をやってみようと富嶽に対して828+BBと何度も入力してみたら、そこには、画面には馬鹿でっかい富嶽にバックブリーカーを極めて投げ捨てる播磨灘の姿が映っていた…。
ヤバイっすよ、これ!
とても爽快っす!!
でも、すでに相撲ではないけど。(苦笑)


しかし、勝てたのは初めのうちだけ。
のちに出てきた力士、玄海の“岩石砕き”(要するに623+Bと要は昇●拳コマンドで出せるジャンピングヘッドバット)連打でとうとう負けました。

すると、コンティニュー画面になりましたが…。
スゴイものを目撃しました!
なんと、操作していた播磨灘が「ぼけっ! わしが負けたんは、おんどれの技術が未熟だからや!! もう一度、やり直さんかい!!」とイチャモンつけてくるではないですか!
気分悪かったけど、もう仕事行かないと行けないので、“終わり”を選んだら…。
なんと、播磨灘の「ボケーッ!」のボイスと共に「ぼけっ! 電源切らんかい!!」の文字が…。

「……。」(唖然として声が出ない…)

ココでこのセンスが判らない人にはきっと分解されて冷凍庫で凍らされる運命だろうなぁ…と思った。
(実際、友人が某ク●ゲーをこんなふうにしました。^^;)
馬鹿らしいと思ったけど、大金払って買っちゃったから解こうと攻略に入ることにしました。


ああ大攻略


まず、このゲームの難易度について。
難易度は3段階あり、“小結”(イージー…途中で終わり、エンディングが見られない)・“大関”(ノーマル)・“横綱”(ハード)となっていて、70連勝するとクリアです。
しかしCPU、最初はかなり弱く設定されていますが、途中から極端に難易度が上がり、のちにCPUがハメ臭い技の数々を駆使してきて、真面目に戦って70勝までできるのだろうかと思うほど、勝つのが厳しくなります。

コンティニューは3回までですが、八日目と千秋楽に勝つと理事長のお言葉(これがパスワード…修羅の門を意識している?)が現れ、これを入力することでコンティニュー回数が復活します。
実際、コンティニューをフルに使っても、ハメっぽい技を応酬してくるCPUに太刀打ちするのはかなり厳しいです。
でも思い出してください、あの言葉を…。
「相撲に品位もクソもあるかい!! 強い者が勝つ。それだけや!!」
この言葉の意味が自分自身、やっとわかりました。
「要はハメにはハメ! 勝ちは勝ち!」

…ということを開発者は伝えたいのではないでしょうか?
これって、まるで「チキン養成ゲーム」では…。(苦笑)


次に基本操作の説明です。

Aはつっぱりや小技。
Bは張り手と大技。
Cは相手を組むときに使用。

次は方向キー、4と6で前進・後退ですね。
あと、6・6押しっぱなしで走ります。
そして、8(7・9)でジャンプです…って、ジャンプかよ!
しかも、相撲レスラーが平気でバーチャファイター並に身長3つ分の高さまで大ジャンプ。(笑)

さらにコマンド入力の説明です。
2+Bで蹴たくりというか、まんま足払いですね。
623+Bで先程説明した岩石砕き。
走りながらBで頭突き。
コントローラー1回転+Bで時空念動波という名前の超ねこだまし。

なぜ「超」かというと、一回でも出せば、どこにいても100%相手をピヨらせてしまうという極悪な技だったりします。
でも、自分で出そうとするとコマンドが受け付けてくれないため思うように出せないのですが、かわりにCPUはバシバシ使ってきます。(苦笑)
(だからハメくさいわけですね)


Cボタンを使って組んだときの場合の説明です。
236+Bでがぶり寄り。
214+Bで投げ。
214+Bで出し投げ。
684+Bでどう見てもサイドスーブレックスしか見えない居反り投げ…。

さらに、自分も相手もジャンプしているときに4か6を押しながらBをタイミング良く押すと、なんと鷹爪真空投げという空中投げもできてしまいます。
さすが横綱!(笑)

もし、土俵際に投げて追い出そうとすると、ゲームが変わります。
いきなりAボタンの連打勝負のみという「高●名人仕様」で決着をつきます。
ハッキリ言ってこれに自信があれば、今までのテクニックは皆無…ゲホゲホ。


で、攻略なんですが、実はこの5パターンで勝ててしまうことを発見しました。(笑)
クリアできなかったひと、是非試してみてください。


1)頭突きハメ
66+B→66+B→…
突っ張りがメインの突進系の敵には有効。
ただ、はたきこみ(214+B)を喰らわないように注意が必要。

2)飛翔もろ手突きハメ
ジャンプし、ジャンプ下降中にA→ジャンプし、ジャンプ下降中にA→…
岩石砕き(623+B)を多発する敵にはとても有効。
ただし、時空念動波(超ねこだまし…一回転+B)には注意。
空中で喰らったら、Aボタン連打すると、着地とほぼ同時に回避できます。


3)時空念動波→火閻張り手コンボ
一回転+B→4ため6+B→一回転+B→4ため6+B→…
全キャラ有効で確実にダメージを与えるが、時空念動波がなかなか出ない。



4)鷹爪真空投げハメ
空中で4or6+B→空中で4or6+B→…
空中に飛びまくる敵にタイミングを合わせて空中投げを決める。
敵はまた飛びまくるので同じように狙うだけ。
相撲の試合とはおもえない異様な風景をお試しあれ。(^^;)


5)土俵際で居反り投げ
背面に土俵があるときに組んで、すかさず684+B
リングアウト狙いの一撃必殺技でほぼ全キャラ有効。
投げ技で、居反り投げだけはなぜか返し技がないため、組んだら居反り投げだけを狙いましょう。
北道山等、このゲームでいちばん厄介な敵にはガードしながら組んで(4+C連打)から居反り投げというパターンが確実です。



ああ大物語


上記の攻略法を駆使するとたまに試合と試合の間にストーリーが入ります。
そこでよく出るのが、原作には出ないゲームオリジナルキャラの鬼神竜。
鬼神竜ははじめ、傷害事件を起こし謹慎中の身(…という設定も強烈なんですが…苦笑)でしたが、播磨灘を倒す刺客ということで愛宕山(あたごやま)理事長に呼び出される…という物語が始まります。
しかし、そんなのおかまいなしで鬼神竜を倒すとさらにストーリーが進み、鬼神竜は播磨灘を倒すために異常なまでの執念を燃やすようになります。
そして、鬼神竜も狂っていくのです…。


鬼神竜が横綱昇進時に播磨灘のいる雷光部屋に移籍するのです!
しかも70勝がかかっている最後の試合、相手は鬼神竜ですが、そのときもデモがあり播磨灘と同じくプロレスのようにスポットライトを照らし、仮面をしながら派手に入場してきます。
しかも仮面をはずすと歌舞伎のくまどりをしているという…。
そして、「鬼神乱心」(123+A+Bで出る頭突き連打というかモロ龍虎●舞です)という超必殺技を身につけて播磨灘に勝負をかけてきます!

もう、現実離れもいいところの無茶苦茶な内容ですが、ここまで付き合って遊んでいると鬼神竜はまるで悲劇のヒーローに見えてくるのですよ…。
でも、そんな悲劇のヒーローをプレイヤーは播磨灘となって蹴落として楽しむのがこのゲームの醍醐味だったりします。
「ああ播磨灘」はハメの技術を覚えたりするので、「悪役養成ゲーム」と言ってもいいでしょう、ハイ。(キッパリ)



ああ大結末


くまどりをした鬼神竜を倒すと、やっとエンディングが始まります。
でも、さすが播磨灘。
最後まで期待を裏切りません。

記者にインタビューされますが、播磨灘は「記録が、なんじゃい!! そんなもの・・・・ こうじゃ!!!!」と言って舌を出す。
スタッフロールの最後でも舌を出した画面で終わるという…。

でも、難易度設定が大関ではここまでですが、横綱にしてクリアすると、スタッフロールではアッカンベー画面で終わるのではなく、実は続きがあるのです。


その続きとは、エンディングで「終」の文字が出たあと、突然、画面が真っ黒になり、いきなり「播磨体操 第一」の文字が浮かび上がる…。
そして、愛宕山理事長をバックに播磨灘を含んだ3人の力士が華麗に踊り出します。
人間ヘリコプターになったり、ムーンウォークしたり、そして、播磨灘に投げられた力士が世界一周したりするという体操が始まり…。

そうなんです。
「播磨体操第一」、実は「真のエンディング」扱いだったのです。
横綱まで耐えきってクリアした方のためのご褒美というものでしょうか。
ここで、やっと「笑い」という祝福の時間と充実感が迎えられるわけですが、ファミコン通信の禁断の秘技等で簡単に拝められることが発覚してしまい、「今まで自分が遊んだことは何だったのか」とさすがに複雑な気分になりました。(苦笑)


ああ大円団


テレビアニメでもサブタイトルに「見ると絶対強くなるアニメ」と語っているとおり、このゲームをクリアすると強くなりますよ、精神的に。
万人にはとてもオススメできませんが、「相撲に品位もクソもあるかい!! 強い者が勝つ。それだけや!!」の考え方に同調される方は遊んでみるといいかもしれません。
でも遊んだ後、人間性を疑われるかもしれませんが。(^^;)
これは「メガドライバーなら仕方がないね」と自分に言い聞かせて諦めましょう。(ぉぃ)

それからとても驚いたのは、ゲームシステムで、のちに発売されたポリゴン格闘ゲームの「バーチャファイター」のシステムに激似なことが!
あの超人的な空中ジャンプもあるし、下段攻撃(足払い)には中段攻撃(頭突き)できちんと潰せますし、さらにリングアウトがあるし。(ぉぃ)

もしかして、あのお方がドラ●ン●ールの天●一武●会ではなく、こっちからアイデアを…んがぐぐ。
さすがにそんなわけないと思うけど…。
思いますけどね…。
多分…。(^^;)
(何故か否定しない…笑)



あとどうでもいいことですが、オマケにミニゲームの「横綱かるた」があります。
でも実際は「新春大相撲かるた大会」と表示されるのにかかわらず、15人の力士の顔が並べられて「播磨灘はどれでしょう?」という意表を突くクイズ方式なかるたですが(…ってそれ、かるたじゃないじゃん)。

それから、オプションのサウンドテストを確認すると、使用している曲や効果音の名前がかなり笑えますので、機会があればご覧下さい。
「パーティークイズMEGAQ」と同一人物が手がけているだけあり…。
まぁ、ズバリこのお方ですが。(^^;)
http://sega.jp/community/creators/vol_3/1.html



『ああ大付録』
難易度大関の理事長のお言葉(パスワード)全集

九月場所九日目から 「くっ!!にしきさとは、どこだ!」
九州場所初日から 「うぬっ!りゅううんはどこだ!」
九州場所九日目から 「うぬっ!すさのおを、よべ!」
初場所初日から 「うぬっ!げんかいを、よべ!」
初場所九日目から 「うぬっ!りゅううんだ!」
春場所初日から 「うぬっ!みのわうみだ!」
春場所九日目から 「うぬっ!ふがく、おまえだ!」
夏場所初日から 「うぬっ!はくほう、おまえだ!」
夏場所九日目から 「うぬっ!たちかぜ!!」


ちなみに最初の「うぬっ!」とかの「!」の前の文字の部分を全て「ん」に変えると難易度が横綱になります…というか手抜きってやつでは…ゲホゲホ。
例)「うぬっ!たちかぜ!!」→「んんん!たちかぜ!!」

あと、播磨体操第一は「たいそうしようよ」。
新春大相撲かるた大会は「かるたやりたい」。
ビジュアルデモ集は「えがみたいよ」で見られます