魔界城 |
MAKAI JO |
LSI GAME アドベンチャーワールド1/バンダイ |
Written by GEN |
プロローグ |
1986年。魔界より魔界城が出現。
激戦の末、勇者の奮闘により魔界城は消滅した。
………………。
あれから19年…。
私の目の前に魔界は再び姿を表した。魔界城の再臨である。
激戦再開。 しかし…。
老いた勇者に魔物達の侵攻を阻止するのは不可能であった。
もはや私に出来る事は新たなる勇気ある者達に、この魔界の謎を解く鍵を残すことだけだ。
「魔界城」とは |
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1980年初期。玩具屋の一角を占領していたLCDやFLタイプの電子ゲーム機。 しかし後のファミコンの大ヒットにより起きたファミコンブームにより時代はTVゲームに移行し、電子ゲームワールドはあっという間に壊滅してしまいました。 発売される新型ゲームもほとんどなくなってしまい多くの人が電子ゲームの事を忘れかけてしまっていた。 そんなある時に「アドベンチャーワールド」という2種の電子ゲームがバンダイよりひっそりと発売されました。 そのひとつが「魔界城」でした。 パッケージの絵を見るとどこかで見たような登場キャラクター達が並んでいるのですが、当時人気だったTVゲーム「魔界村」の影響をモロに受けているのを感じます。 人気TVゲームの勝手に移植版ですね。 それもあるのかゲーム難易度も魔界村的にかなり高いものになっています。 |
最新技術を投入されたハイテク電子ゲーム |
電子ゲーム機はほとんどが専用固定画面しか持たない1台1ゲームの為、表現力の限界という致命的な弱点を持っています。
単純画面でアイデア勝負のゲーム内容も面白いものですが、やはり画面の表現力が豊かな方がよりゲーム内容が深くなるのは当然です。
この魔界城では見た目は1画面ながら、実は別々の液晶カラーを持つ「2重液晶画面」を採用しており、多種類のキャラクターを無理なく登場させています。
さらにゲームプログラムの高度化によって電子ゲーム機ではとても珍しい、このシリーズの売りの「ゲーム中の謎」を表現しています。
これは当時ファミコン等でも人気のあった「裏技」というものを電子ゲームに取り入れた画期的なものでした。
魔界へようこそ |
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魔界城は3つの迷宮ステージと中ボスの間、大ボスの間の全5ステージで構成されています。 謎を解き敵を倒しながら姫をさらった大魔王を倒すのが目的です。 ゲーム開始早々お姫様が魔王にさらわれるというお約束のデモが画面上部で展開されるといよいよ主人公の「ナイト君」の登場です。 このナイト君を駆使して登場する各ステージを慎重かつ冷静な操作と判断力を駆使して進んでいきます。 時間制限もあり、制限時間内にクリアしなければ1ミスになってしまいます。 ナイト君の武器は前後に攻撃可能な棍棒。縦4キャラ×横6キャラの大画面が横スクロールで進行して行く、ブロック迷宮状のゲーム画面のブロックを棍棒で叩き落として道を作り、ジャンプで乗り越えて進んでいきます。 ただしナイト君のジャンプ力は僅かに1ブロック分しかないので、適当にブロックを落としたりしているとブロックが詰まり前進不可能になってしまい、時間切れの1ミスを待つだけになってしまいます。 迷宮の名が付くだけあって簡単なパズル状にもなっているのです。 また画面のあちらこちらに金塊が落ちているので拾っていくと得点になります。 この得点がゲーム中の謎に関わっており、どうでも良さそうに見える拾い得点がしっかり意味有るものになっています。 |
登場キャラクター紹介 |
●ナイト君 プリンセスを助け出す勇敢な主人公。 |
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●大魔王 魔界城のボス。最終第4ワールドにいます。 |
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●プリンセス 魔界城に連れ去られ、ナイト君の助けを待っています。 |
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●ガイコツ男 第1ワールドの地面から出てきます。ハンマーでやっつけられます。 |
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●ゴースト 第2ワールドで宙をさまよいながら、ブロックをすり抜けてきます。ハンマーで倒せません。 |
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●デビル第3ワールドでナイト君に近づき行く手の邪魔をしますが、ハンマーでやっつけられます。 | |
●サタン 第4ワールドの入り口にいて、ブロックをどんどん落としてきます。 |
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●隠れキャラ ブロックの中に隠れています。これをハンマーで叩くと500点とキーワードが手に入ります。 |
ステージ1 |
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魔界城の入り口にあたるステージ1。魔者の篭る城ならば最強の門番といわれる者が待機しているような印象がありますが、ここで待ち構えているのは「ゾンビ」だけ。ですが魔界といえばやはり最初はゾンビでしょう(魔界村でのお約束だし)。 ナイト君が触れてしまうとミスになります。しかしこのゾンビ、画面最下段に出現するだけで攻撃も何もしてきません。棍棒で叩いたりブロックを落とし潰して倒すことも出来ます。 ただしゾンビは出現の前兆がなにもなく突然出現するので、油断して一気に進んで行こうとすると突然出現したゾンビに衝突してしまうので侮ることは出来ません。 |
ステージ2 |
ステージ2の迷宮内部に出現する敵は「ゴースト」。 ゴーストの名のとおりに突然姿を現して、画面上から2段目を前進してきます。 これまた攻撃も何もしてきませんが、出現する場所が不規則でナイト君がかなり衝突しやすくなっています。ブロックで潰すことは出来ますが棍棒では倒せない上、ブロックをすり抜けて前進して来るために、突然目の前に出現されるとどうにもならない場合も多いこのゲームの最難関です。 ジャンプで飛び越えるのも可能なのですがかなり難しいので、ゴーストの様子を見ながら一歩一歩慎重に進んでいくしかありません。 ナイト君全滅必至の地獄ステージです。 |
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ステージ3 |
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地獄のステージ2をなんとかクリアしてのステージ3。敵が不在という訳ではありませんがなんとなく簡単に感じるステージです。 |
キーワードとは何だ!? |
キーワード。それはステージ4以降に進入する為には絶対必須のアイテムです。 ステージ1〜3までの戦いの間に各迷宮に隠されている「FIRE」の4文字のキーワードを発見しゲットしておかなければ永遠にステージ4には進めないのです。 キーワードは迷宮内のブロックの何処かに隠されていて自力で発見しなければ見つける事が出来ません。 キーワードをゲットするには普通にブロックを叩くだけでいいので、棍棒で其処ら中を叩きまくって探しましょう。 うまく当りのブロックを叩くとブロックから「隠れキャラ」が出て来るので、その隠れキャラを棍棒で叩くと画面上部にFIREの文字が順番に1文字づつ表示されて行き4回発見するとキーワードゲットとなります。 実はキーワードは毎回同じ場所に隠されているので一度見つけてしまえば場所は解ってしまうのですが、得点などの状況によって同じブロックを叩いても出て来ない事や、出てきてもキーワードをゲット出来ない事などもあります。 この謎を解く事も魔界城攻略には必須条件のひとつなのです。 |
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ステージ4 |
キーワードを4つ集めていればステージ4に突入です。 開始と同時に画面上部より「サタン」がいきなりブロックを落下させてきますので、気を緩めていると呆気なくナイト君が潰されてしまいミスになってしまいます。 このステージでミスするとこれまたステージ1に強制転送となり最初からやり直しになってしまうのでステージ開始時には要注意です。 全画面の横列に各1個のブロックをサタンは落下させてきますが、ブロックは落ちきると又上に戻って行くのでその隙にうまく前進して右端のブロックに乗ってしまえば大丈夫です。 上に戻ったブロックをサタンは何度も落下させてきますが、右端のブロックだけはサタンとは関係なく勝手に上下していてエレベーターのようになっています。このブロックに乗ったナイト君が画面最上部に到達した時に十字キーの右を押すとステージ4クリアとなりいよいよにっくき大魔王との決戦です。 |
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ステージ5 |
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最終ステージ5は「大魔王」の間。ここまで来たならなんとしても大魔王を倒し姫を救い出さねばなりません。
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地獄の2周目 |
さっきまでのは全て幻であった。今からが本番である。
ほっと一息する間もなくまたお姫様はさらわれすぐに2週目に突入してしまいますが、地獄の2週目というのは魔界村でのお約束なので、電ゲー版とはいえ省略せずに再現されていて関心します。2週目以降は常にビットが飛んで来るようになり難易度がかなり上昇しています。
しかし、もはや老兵である筆者は何度挑戦しても2週目のステージ2をクリアする事が出来ずここで魔界城への挑戦を断念してしまいました。
その為2週目でゲームがどう終わるのか(魔界村なら2週目でクリア)はまだ解っていません。正直筆者にはここが限界だったので未知の謎は新たなる勇気ある者達に託したいと思います。
魔界城の謎 |
魔界城は販売時期が短かった為現在入手は困難なのですが、中古で入手しても説明書はなくて本体だけの場合も多いと思います。
実は魔界城には裏技などを紹介したミニブックが付いていて多少の攻略ヒントが書かれているのです。
普通に遊んでいたらゲームクリアはかなり困難だと思いますので、ゲームクリアの助けとなる重要なポイントをここで少し紹介しておきます。
@ナイト君増加技
攻撃ボタンのどちらかと十字キーの下、右、左のどれかを押しながら電源を入れ、そのまま十字キーの上を押すとナイト君が16人でスタート出来る。これがないとクリア不可能。
A屋根裏がありワープできる
ステージ1の中間くらいに屋根裏にいける場所があり、屋根裏ステージ(ワンダーボーイのボーナスステージ風)を最後まで通過すると近道が出来る。何度もステージ1に戻されるゲームなのでやり直す時には有り難い技です。他には金塊が沢山落ちていて高得点を狙える地下室というのもあります。
B最終ステージでコンティニュー
最終ステージでやられてしまった時、ミス音の鳴っている間に十字キーの下と攻撃ボタンを同時に押すと、その場コンティニューが出来る。ステージ1に強制転送やり直しは嫌なので是非この技を成功させよう。
商品に付属しているマル秘テクニック集。
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おわりに |
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かつて電子ゲームで埋め尽くされていたショップの棚がTVゲームソフトに入れ替わってしまった時、筆者はとても寂しい思いをしていた電ゲーファンの一人でありました。 そんな有る日、TVゲームソフトの棚の横のホックに魔界城は吊り下げられていました。筆者はこの魔界城を見て即購入し久しぶりの新化した電ゲーワールドにどっぷりと浸ったのを覚えています。 当時のTVゲームにも負けない電ゲーの可能性を感じさせてくれた思い出のゲームです。 数年前、魔界城を中古で購入することがあり再挑戦してみたのですが見事に返り討ちにされてしまいました。ゲームの難しさよりも今となってはシンプルなゲーム内容に驚いたものですが、シンプルの中に詰められた電ゲーワールドの素晴らしさをこの時に改めて認識させて貰ったものです。 この素晴らしいアドベンチャーワールドのもう1種「銀河帝国の謎」も又の機会があれば紹介したいものだと思います。
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オマケ:魔界城マメ知識 「魔界城」には2つのバージョンがあり、それぞれ偏光版の色が異なる。 初期バージョンは茶色っぽい色で、後期バージョンが緑っぽい色。 初期バージョンがあまりにも見辛かったため、改修されたものと思われる。 |
この記事は198X VOL.13内「電子ゲームR」の記事として、2006年5月4日にUPされたものです。