ファイア
FIRE
ゲーム&ウォッチ/任天堂


Written by T鈴木


2つのファイア


クローンもの(同じLSIを使って、キャラだけ変えて違うゲームのように売り出す)は除いて、電子ゲームがリメイクされる機会なんて殆どないのである。
この任天堂「ファイア」。多くの人が大きいサイズのものと、小さいサイズのものを見たことがあるのではないでしょうか?
元々は小サイズ(RC-04)が先に発売されたのですが、翌年にスクリーンがひと回り大きいワイドスクリーンシリー(FR-27)がリメイク発売されました。
しかも単なるLSIの使い回しではなく、新たなキャラパターン、得点システムの変更など、完全新作と言ってもいいような内容で、よほど任天堂も内容に自信があったものと覗えます。
RC-04は'80年7月31日発売。FR-27は'81年12月4日発売となっています。


被災者を受け止めろ!


被災者を救急車に運べ

ゲームは「パラシュート」と同じくキャッチングものです。
あなたは救急隊員となって、火災ビルから次々と飛び降りる被災者を受け止めましょう。

ただ「パラシュート」と決定的に違うのが、キャッチしたあと被災者が再び宙に跳ね上がってしまうとこです。
再び落下してきた被災者を再度受け止め、救急車まで運ばねばなりません(最後は救急車に激突しているように見えるのですが気のせいでしょう)。

最初のうちは1人ずつ飛び降りてきますが、高得点に達してくると、1人を救急車に運ぶ前に、次々に被災者が飛び降りてきます。
こうなってくると「次に誰を受け止めるか?」という判断が非常に重要になってくるのですが、このパニック感がかなり熱いのです!


大小の違い


「ファイア」のパッケージ

ところで、前述したようにこの「ファイア」には大小2つのバージョンがあるのですが、その違いは!?
実はけっこう違うところがあって、具体的には

「大ファイアが人間を1回受け止めて1点入るのに対し、小ファイアは救急車まで運ばなければ1点入らない」
「大ファイアはゲームBでのみ、3階からも人が落ちてくる」
「小ファイアのみ、救助時に救急車のサイレンが点滅する」
「小ファイアはアラーム機能がない」
「大ファイアのみ、200点、500点時にミスオールクリアとなる」

・・・・などです。
特に決定的に違うのが得点システムの違いで、救急車まで運んで初めて1点入る小ファイアは、高得点を取るのがなかなか大変です(笑
どちらが好きかは好みや思い入れによると思いますが、筆者としては大ファイアの方がゲーム的に面白いと思いますね。
(3階からも人が落ちてくるゲームBのパニック感はなかなかです)
とにかく、ゲームウォッチを代表するような作品であることは間違いないので、ファンなら必ず手に入れておきたい一品でしょう。



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