ルパン
黄金強奪作戦
LUPIN
TOMY LSI GAMEトミー


Written by T鈴木


3世ではない


時は十九世紀。ここフランス・パリの郊外のカフェで、1人の紳士がカップを片手に何やら呟いていた。
「“ルーヴェンスの3枚目の絵”“クレオパトラの鼻”“イエヤス・トクガワの10万両のヘソクリ”・・・・。世界中のありとあらゆる財宝は手に入れた。そのいずれもがこの私を心躍らせてくれるものではなかった。どこかにないものか?この私を奮い立たせてくれるような、世紀の財宝は!?」
彼の名はアルセーヌ・ルパン。殺しを嫌い、自らも血を流すことを嫌う、神出鬼没のダンディな怪盗である。
世界中のお宝は俺のもの!・・・と言ったかどうかは知らないが、世界各地でお宝の奪取に成功し、いささか退屈を感じてきた今日この頃である。
そんな彼の元に、1つの謎めいた噂話が飛び込んできた。
「モンドールの森の奥の、誰とも知れずひっそりとたたずむ館に、ルイ14世の残した莫大な黄金が眠っているらしい」
しかもそこに行って帰ってきた者は一人もおらず、彷徨える冒険者達の魂がゴーストとなって館中をうごめいていると言う・・・。
「ふふ、世界にまだこの老人の血を熱くたぎらせてくれるお宝があろうとはな!!」
そう言うと老紳士はマントをひるがえし、飲みかけのカプチーノの入ったカップだけを残し、館の方向へ向っていた・・・・。


トミーのLSIゲーム、「ルパン黄金強奪作戦」です。
もちろんフランスの作家、ルブラン原作の「アルセーヌ・ルパン」シリーズがモチーフとなっていますので、決して「不〜二子ちゃ〜ん」の方ではありません。お間違えのないように(汗)。


3つのステージ


「ルパン」は3つのステージで成り立っています。
ルパンを上下左右に動かし、すべてのステージを突破して黄金を手に入れましょう。
また、館の中にはゴーストがうろついていますが(汗)、こいつらは銃を使って動きを止めることが出来ます(殺しを嫌うはずなのに、なぜか銃を携帯している、意外と小心者なルパン)。

しかしこの銃、何と左にしか発射することが出来ません(汗)!
つまり、上下や右にゴーストがいるときは使い物にならないのです(う〜ん)。
また、館には警報装置が付いていて、一定時間経つと「ブビッー!」と警報がなってしまい、ゴーストの動きが激しくなってきます。
ゴーストのくせに、なかなか職務忠実な奴らです(笑)。


キャラ紹介


ルパン
ご存知主人公で、怪盗。画像では右に銃を撃っているが、実は左にしか銃を撃てない特徴を持つ。
ゴースト
館の中をうろつく。幽霊のくせに、銃で撃たれると一定時間動かなくなる。
キング・ゴースト
ゴーストたちのボスだが、最後はルパンにボコられた挙句、逃走。
金庫
館の奥に眠る。中は金銀財宝ザクザク!


ステージ1


赤いドアが開いたときにカギをGETだ

ステージ1は館の中にキーの入った小部屋が3つあり、赤い扉によって遮られています。

赤い扉は一定間隔で開閉するので、開いた瞬間に部屋に入り、キーをGETしましょう。
すべてのキーをGETすると、出口のドアが開き、次のステージへ進むことが出来ます。
赤い扉は一見ランダムに開閉しているようですが、実は法則があります。右、中央、左の順で開くので、あらかじめそれを知っていれば、次にどこへ行くべきかがおのずと分かってくるのです。
画面中を動き回るゴーストは早々に銃で動きを止めておいて、一気にキーを奪取しましょう。
(画面上下はワープトンネルによって繋がっているので、これを利用するのも手です)


ステージ2


敵に右まで到達されたら負けだ!

ステージ1とはうって変わって、いきなりシューティングゲームになります。
ゴーストがインベーダーのごとくこちらに迫ってきますので、ルパンを上下に動かし、銃で撃退しましょう。
(このステージのみ、銃でゴーストを倒すことができます)
ゴーストが右端まで到達してしまうとミスです(インベーダーで言うところの侵略ですね)。
32匹すべてのゴーストを倒すと出口が開き、次のステージへ進むことが出来ます。

ちなみに、ルパンの持つ銃は連射はできません。
ですが、段を移動すれば連続で発射することが出来ます。
つまり、銃を一発撃った後、すぐ上(下)に移動して銃を撃てば、2発3発と連続して撃てるのです。
細かいことですが、特に上下にしか動けないステージ2では有効ですので覚えておきましょう。


ステージ3


ルーレットで777が揃うと・・!?

いよいよ最終ステージです。

基本的にステージ1と同じなのですが、キーが画面中に散らばっており、赤い回転ドアがあります。
この赤い回転ドア、自らの意思で開閉することはできず、一定時間で勝手に回転します。
調子よくキーを取っていたら、いきなり行き止まりに!・・・・ということのないように注意しましょう。

すべてのキーを取ったら、金庫室の扉が開き、キングゴーストとの最後の対決・・・・が待っているわけではなく、自動的にルパンがキングゴーストを撲殺し、金庫が開いて黄金が出現した後、なぜかルーレットが回ります(汗)。
このルーレット、「7」が出た数によってボーナス点が変わってくるのですが、目押しでルーレットを止めることは出来ず、完全ランダムです(う〜ん)。

「黄金強奪作戦」なんて大層な名前ながら、最後はギャンブルに興じるルパンなのであった。ちゃちゃん。


ルーレット得点表■

7の数 得点
100点
77 200点
777 300点


単調!


「ルパン」のパッケージ

この「ルパン黄金強奪作戦」。結局同社「パックマン」ほどメジャー機種になりえませんでした。
確かにキャラの動きは早くて軽快だし、グラフィックも綺麗です。
ステージも3種類あるし、最後のルーレットなど、なかなか考えられている部分もあります。
ですが、「パックマン」にあったようなパワーエサによる一発逆転の要素、モンスターを連続で食べると得点が倍になっていくなど、ゲームとして燃える部分が極めて希薄なような気がします。
よく言えば基本通りに作ったアクションゲーム。悪く言えばゲームとしてあまりに普通すぎて、際立った特長がないと言えるのです。

例えば、ステージ2でゴーストが蛇行して迫ってくるとか、時間が経つにつれてゴーストが段々増えてくるとか、出来なかったのでしょうか?
ルーレットも目押しできないし、最後のキングゴーストとの対決もかなり腰砕けですしねぇ(汗)。
それ以前に、やはり怪盗らしく、ルパンが警官の追撃をかわしつつ次々とトラップをクリアしていく!・・・・なんてゲーム展開を期待するのは酷でしょうか?


必見!ボックスアート


この「ルパン」。パッケージに描かれたイラストはなかなかカッコよかったりします。
こういうのを見てレトロ感覚に酔いしれるのも、電子ゲームの楽しみ方のひとつではないでしょうか。


このカッチョよさ!



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