クラブグラブ
CRAB GRAB
GAME&WATCHスーパーカラー/任天堂


Written by T鈴木


スーパーカラー


任天堂ゲームウォッチ最終シリーズ「スーパーカラー」が全くの不振に終った経緯は「スピッドボールスパーキー」の項で触れましたが、それにしてもこれほどやる気のない機種も珍しいですね(汗)。
スーパーカラーと言いながら、カラーセロファンをスクリーンに貼り付けただけの、初期のインベーダーもビックリのチープさ。音にメロディがあるわけでもなく、新機能も特になし。
それでいてお値段そのまま!
これでは売れるわけありません。
既にカラー液晶、メロディサウンドを実現したパノラマスクリーンというものがありながら、なぜこんな物を発売してしまったのかは謎ですが、とにかくゲーム&ウォッチと偉大すぎるシリーズが生んだ落とし子と言う他ありません。

そんなスーパーカラーシリーズは、2機種を発売して終るべくして終ってしまったわけですが(汗)、その2機種の中でもさらにマイナーな「クラブグラブ」を今回は紹介しましょう。
「スピッドボール」は知ってても、こちらは知らなかった、・・・・と言う人も結構いるのでは!?
1984年2月21日発売。


とにかく押し上げろ!


デーモングラブ
を押し上げろ!

ミスターグラブ(主人公)を操って、4列に並んだデーモンクラブを画面上まで押し上げるゲームです。
上から物体が落ちてくる落ちゲー主流のゲームウォッチの中にあって、上に押し上げていくのはちょっと新しいですね!?
上まで押し上げたデーモンクラブは、画面下からまたニョキニョキっと出てきます。
これらの下部から出てきたデーモンクラブは、先端の方からまた上にズリズリと上がってきますので、挟み撃ちにならないように注意しましょう(デーモンクラブは下から触ってもミスになりません)。
4列全てのデーモンクラブを上まで押し上げたらクリアです。

また、ゲームには時間制限があって、タイマーが0になると、約30秒ごとにデーモンクラブの数が4匹ずつ増えていきます。
画面中デーモンクラブで埋め尽くされて、だんだん空間が狭くなっていく様はなかなかの恐怖です!
しかし、早くクリアすればその分タイムボーナスが加算されるので、なるべく迅速にクリアしましょう。
(ちなみに、ゲーム中入る得点はクリアボーナスのみで、デーモンクラブを上に押し上げても得点にはなりません。トホホ)

クリアするごとにデーモンクラブの数は増えていくのですが、後半面は画面半分以上デーモンクラブが埋め尽くしているので、もう大変です!
うまくバランスを考えて押し上げていかないと、あっという間に挟み撃ちになってしまいます。
実は戦略パズルゲームだった!?


よく考えないと、
あっと言う間に
「詰み」!


■帰電くんアドバイス
デーモンクラブは1列だけ偏って押し上げていくのではなく、なるべく4列均等に押し上げていこう。
300点に達すると、これまでのミスがすべてクリアされるぞ。


見つけたときが買いどき


「クラブグラブ」のパッケージ

というわけで、従来のゲーム&ウォッチシリーズとは明らかに一線を画す内容で、食わず嫌いで敬遠している方も多いかと思われますが、コツをつかんである程度ステージを進めるようになれば、なかなかハマれるゲームだと思いますよ。
あくまでオフェンス型ゲームですので、展開がスピーディという点では、筆者的にはスピッドボールより好きだったりします。
「コレクションの為にしょうがなく買った」と言わずに(笑)、一度じっくり腰を据えてプレイしてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、筆者は地元のおもちゃ屋でこの「クラブグラブ」を発掘したことがありますが、そのとき初めてこの機種の存在を確認できたわけで、海とも山とも分からないこのゲームを、さすがに定価で買う気にはなれませんでした(それ以前に「スピッドボール」で痛い目にあってるし笑)。
で結局、数年後にコレクションの為にオークションサイトで定価以上の値段で買ってしまったわけですが(汗)、それならあのとき定価で買っておけばよかったー!・・・・と後悔することがもう何十回とあります。

「電子ゲーム、買わずに後悔より買って後悔」という格言が、そのとき筆者の中で生まれたとか生まれなかったとか・・・。



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