ゲーム電卓3
ボクシングゲーム
BOXING GAME
ゲーム電卓カシオ


Written by T鈴木


電卓とゲームの融合


カシオゲーム電卓シリーズ第3弾、「ボクシングゲーム」です。
これまでのシリーズ作(第1弾「デジタルインベーダー」、第2弾「エイトアタック」)が単なる数字遊びだったのに対し、今作は初のキャラクター表示を実現。アニメーション処理も加えて、もはや電卓と言うより電子ゲームに近い存在となっています。
「でも所詮は電卓のオマケじゃない?」
そう思って敬遠している読者諸氏もおられるかと思いますが(実は筆者もそうでした)、これは単なるオマケと言い切れる代物ではありません。
深い戦略性と鋭い反射神経を要する、超実戦的スポーツゲームなのです!


打つべし打つべし


敵ボクサーと1対1の対決だ

ゲームは1試合8ラウンドの勝ち抜き制です。
初めは同階級の相手ですが、勝ち抜くごとに相手の階級が上がっていき、手強くなっていきます。
勝利の条件は、KO、または判定のみ。当然、早い回KOした方が高得点です。
敵の数は全部で100人!緻密な作戦と反射神経で、全勝負勝ち抜きましょう!

操作は基本的に「パンチ」「UP/DOWN」「スウェイ」の3つで行います。
「UP/DOWN」キーでボクサーのガードを上下に動かし、「パンチ」キーでパンチ。また、相手の攻撃は「スウェイ」キーで後ろにかわすことが出来ます。

使えるパンチはストレート(上段攻撃)とボディブロー(下段攻撃)。相手のガードをかいくぐって、的確にヒットさせましょう。
有効なパンチがヒットすると、ボクサーはダウンします。そのとき与えたダメージによって1から10までカウントされ、1カウントごとにスタミナが1ずつ消費します。
スタミナが「0」になってしまうとノックアウト。また、カウントを10まで数えられてしまうと、どれだけスタミナが残っていようとノックアウトになってしまいます。
ダウンしても、カウントの途中でラウンドが終了すればセーフです。

そのラウンドで決着がつかなければ判定となります。
ラウンド終了時、相手と自分のポイント数が表示されます。

ゲーム表示について



・・・・敵のスタミナです。これが0になると(または0のときにパンチを食らうと)KOになります。また、階級によってスタミナの基本値は変化していきます(下図参照)。

・・・・敵のパンチ力です。この数値が大きいほど強力なパンチが打てるようになり、1から最大9まであります。また、スタミナの数値によって上限が変わってきます(下図参照)。ただし、相手のパンチをスウェイでかわすと、スタミナの数値がどうであれ無条件に最大の9になり、敵のパンチをくらうと1に、ブロックされると2に減少します。

・・・・自分のパンチ力です。変化の条件は敵と同じです。

・・・・自分のスタミナです。敵と同じく0になるとKO負けです。


スタミナは下の表の通り、階級によって基本値が変わってきます。
最初は同ランク同士の対戦ですが、勝ち進むごとに相手とのランク差が大きくなります。
(フライ級のみ自分の体力が32〜50に変化。相手は50のままです)

ランクNO. ランク スタミナ ランクNO. ランク スタミナ
フライ 32〜50 ライト 75
バンダム 55 Jウェルター 80
Jフェザー 60 ウェルター 85
フェザー 65 ミドル 90
Jライト 70 ヘビー 95


パンチ力の上限です。
例えば自分のスタミナが「50」だとすると、パンチ力も最大6までしか上がりません。
前述した通り、相手のパンチをスウェイでかわせば無条件で9に、パンチを受ければ1、ブロックされれば2に変化します。

スタミナ パンチ力の上限
00〜09
10〜19
20〜29
30〜39
40〜49
50〜59
60〜69
70〜79
80〜95


ラウンドクリア後の表示



・・・・勝ち抜き人数。また、1桁目が相手のランクNO.、2桁目が相手とのランク差となっている。つまり勝ち抜き人数が36人だとすると、相手のランクはJウェルター級。自分はフェザー級となる(99人抜きとなると相手ヘビー級、自分フライ級になる。ドシェ〜!)。

・・・・現時点での得点。


★得点について

ヒットしたパンチによる得点は、そのパンチ力により1〜5点と変化します。1回ダウンさせるとカウント数に関係なく10点。また、ノックアウト勝ちするとラウンド数によって以下の表の得点が加えられます。


ラウンド
得点 1000 900 800 700 600 500 400 300


ファイト・クラブ


それでは、実戦に役に立つテクニックをいろいろ紹介しましょう。


フェイント・パンチ

ガードを上下に変え、相手の出方を見てパンチを打つフェイント・パンチです。
ハッキリ言って、相手の反応がトロいゲーム序盤にしか使えなかったりする(って言うか終盤では逆にフェイントしかけられたり笑)。

スウェイ・パンチ

相手のパンチをスウェイでかわし、戻り際にパンチ!
これもゲーム終盤では相手の超反応によりガードされてしまうため、序盤にしか使えない(トホホ)。

カウンター

伝家の宝刀、カウンター!
相手のパンチの出だし、または伸び切った瞬間を狙ってタイミングよくパンチを繰り出す。
その威力は全パンチ中最大を誇る!
ちなみに、ストレーよりボディの方がモーションが大きい為、カウンターが取りやすい(その分、ストレートの方が威力大きい)。

スウェイ・カウンター

相手がスウェイから戻ってきたときを狙ってタイミングよくパンチを繰り出す。
自分のパンチ力の数値が高いときは必ず狙おう!
ちなみに相手がダウンから起き上がってきたときに出したパンチがタイミングよく当たると、カウンターとして成立する(通称「起き上がりこぼしパンチ」)。


★君は見たか!?ラッキーパンチ!

ゲーム中、たまに自分のパンチ力表示が「L」になるときがあります。
そのときパンチがヒットすると、無条件で相手をKOするラッキーパンチとなります。
しかしこのラッキーパンチ、出る確率は大変低く、また条件なども分かっていません。
どうやら電池を入れたばかりの新品の状態だと出やすいとの噂がありますが・・・・真相はどうなんでしょ?(苦笑)
誰か出し方知りませんか〜?


★ドリームマッチ

スタートする前に任意で数字を入れた後スタートボタンを押すと、その数の勝ち抜き人数のステージよりゲームを始める事が出来ます。
つまり「99」と数字を入力したあとスタートすると、いきなり99人抜きの状態よりゲームを開始することができるのです。
しかし、そのゲームに勝っても次のステージには進めません。あくまでワンマッチのみなのです(ガックシ)。

目指せ100人抜き!


ここでは、100人抜きを達成するための上級テクニックを紹介しましょう。
って言うか使うパンチはカウンターのみ!
カウンター以外の技は全く使う必要がないので覚えておきましょう。

ハッキリ言って、1ラウンド中に2〜4回カウンターが決れば相手は必ずKOされます(このとき、自分のパンチ力が7〜9ぐらいあることが好ましい)。
ただし、最後はストレートカウンターでないと駄目です。ボディカウンターでは相手が起き上がってくるからです。
ですので、最初の2〜3発はボディカウンターでもOKなのですが、最後はストレートカウンターでとどめをさしましょう。
流れとしては「スウェイでアイテの相手のパンチをかわして自分のパンチ力を9にする」→「カウンター(2〜4発)」で全ラウンドOKなわけです。

カウンター使いが最も苦手とする相手が、なかなか打ってこない奴とか、やたらフェイントを使う奴ですね。
これは実際のボクシングの世界でも言えることですが、リズムよくガンガン売ってくる奴の方がカウンターのタイミングが取りやすいのです。
それでも相手の習性や動きをよく見切って(例えば、相手のスウェイのあとはパンチを出してくる確率が高い。相手がパンチを繰り出した後、一旦ガードを変えてまたすぐ戻すと、同じところにパンチを売ってくる確率が高い・・・・など)、積極的に狙っていきましょう。
タイミングが遅いとガードされ、逆に早いと相手のカンウターを受けてしまうというリスクも伴いますが、たった2発のパンチで試合が終ってしまうのはなかなか爽快です。
「カウンターはタイミングと、ハートだ!」(宮田一郎:談)

なかなかカウターが決らず、試合がドロ沼化したら、思いきって負けない戦法に変えましょう。
失敗してもリスクの少ないボディカウンター中心に切り替え、相手の体力を削っていくのです。


バージョンの色々


この「ボクシングゲーム」には様々なバージョンが存在します。
ここでその全てを紹介しましょう。


BG−15 BG−8 BG−15T BG−20


BG−15・・・・もっともノーマルなバージョン。殆どの人が見たことがあるのがコレでは?

BG−8・・・・・カードサイズのミニバージョン。

BG−15T・・・玩具ルート限定バージョン。BG−15と若干デザインも異なる。形式の「T」は「TOY」の意。

BG−20・・・・何とボクサーの全身を写しているバージョン。電卓より電子ゲームの部分が主張している。


戦う前はトイレに行こう


「ボクシングゲーム」のパッケージ

どのゲームの記事を書くときも言えることですが、ある程度そのゲームをやり込まないと、なかなか文章が進みません。
単なる「紹介」だけなら説明書をそのまま書き写せば済むことですが、そこに「批評」や「攻略」という要素が含まれてくると、そうもいきませんしねぇ(汗)。
というわけで、その週取上げるゲームがやたら難しかったり、至極つまらないゲームだったりすると、その週、大変不安な気持ちになるわけです(笑)
そんなわけでこの「ボクシングゲーム」。前述の理由で大変不安だったわけですが(つまらないわけじゃないよ)、「それではいい記事が書けない!」と、上手い人にアドバイスしてもらったり、自分で何度も何度も挑戦したりして、ようやく記事を書き始める1日前に100人抜きを達成しました。

「長かった・・・・」

いや、本当に長いんですよ(笑)。
何度かドロ試合になってしまった為、100人抜きまでに2時間近くかかってしまいました(汗)。
もちろん途中でトイレにもいけないし、目はチカチカするし、ゲームのボクサーより自分のスタミナが先に切れそうでしたね。マジで。
というわけで、このゲームをやり始める前には必ずトイレに行っときましょう。

記事制作協力:Genさん
参考文献:「答え一発!カシオ計算機」



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