トロピカルフィッシュ
TROPICAL FISH
ゲーム&ウォッチ ニューワイド/任天堂


Written by T鈴木


海外ゲームウォッチ

ハッキリ言って、マニアの間では大不評な後期海外ゲームウォッチ
「ゼルダ」「ゴールドクリフ」「スクイッシュ」「ボムスウェイーパー」・・・・。
およそ、かつて大ブームを起こした初期シリーズとは明らかに異なる雰囲気。ゲームにストーリー性を持たせ、それによりルールも複雑化。キャラの書き込みも細かくなって、LSIゲームと言うよりは、もはや中途半端なミニファミコンといった感じになってしまいました。
これでは受けるわけありません。

で、この「トロピカルフィッシュ」ですが、1985年と、海外シリーズとしては比較的初期に発売されました(国内最後の機種の「ブラックジャック」が同年に発売)。
それによってか、キャラの書き込みこそ細かくなっているものの、どことなく初期シリーズのシンプルな雰囲気を残しています。
これが海外シリーズでありながら、「トロピカルフィッシュ」がマニアに超人気を誇る理由なのでしょう。・・・・たぶん。


ファイア&シェフ!?

右の水槽から魚が飛び出してきました!
あなたは金魚鉢で飛跳ねる魚をキャッチしつつ、無事に左の水槽まで魚を運ばなければなりません。
このゲーム展開、どこかで見たことはありませんか?
そう、「ファイア」そのものですね!

ただし、「ファイア」と決定的に違うのが、ゲームBでは魚が左だけでなく、右にも飛跳ねるということ!
複数の魚が画面上を左右に飛跳ねる・・・・このムーブが初期シリーズにあった熱きパニック感を彷彿させるのです!(言い過ぎか!?)。


ゲームAでは左にしか飛跳ねない魚が・・・ ゲームBでは左右に飛跳ねる!


キャッチに失敗して魚を下に落としてしまうと、猫が走ってきて魚を奪って逃げてしまいます。
(その後、哀れ魚は骨へ・・・・)
この辺のパターンは「シェフ」を踏襲してますね。
これまでのシリーズのパターンを随所に取り込んだ、落ちもの系ゲームの総集編と言うべき内容になっているのです!


プレイヤー

ところでこのゲームのプレイヤー。主人公とは思えないような情ない顔をしています。
不安そうな顔をしながら魚を受け止める表情は最高です(笑)。

これが主人公だ

僕はみつまJAPANに似ていると思ったのですが、「いなかっぺ大将」に似ているという声も・・・・。
あなたはどう思いますか?


トロピカルフィッシュのパッケージ

レアG&W!

というわけで、なかなかの出来となっている「トロピカルフィッシュ」ですが、いかんせんとても数が少ないです。
数年前に逆輸入ゲームウォッチが秋葉原などで売られたときも、「スーパーマリオ」や「ゼルダ」が山積みになっているのに対し、これだけは少量しか入荷しませんでした(しかも2980円ぐらいで売られていたらしい。買った人、超ラッキーですよ!)。
「レインシャワー」といい、本当に面白いゲームが日本未発売で、しかも輸入版もあまり数がないのは本当に残念ですね。
(だこらこそ幻想が膨らんで魅力が倍増する・・・・って意見もありますが)
ちなみにネットオークションでは、箱説明書付きで5万〜10万ぐらいで取引されているようです。
いくら面白いゲームだからって、安易に手が出せる品ではないので、買うときはよく考えましょう(汗)。
記事制作協力:ぴょん吉さん



★帰電くん・ワンポイントアドバイス

「そんなもん、落ちてくる魚から受けとめりゃいーんだよ!」



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