Ｗｒｉｔｔｅｎ　ｂｙ　Ｔ鈴木

いつの頃だったか、筆者のコレクター仲間の間で「“セメント工場”というゲームウォッチがある！」という噂が流れました。
インターネットなど普及しておらず、当時の児童雑誌とおもちゃ屋の売れ残り、そしてかすかな記憶と伝聞のみが情報の頼りだったあの頃、その噂はまたたく間に仲間内に知れわたり、いつしか我々の間で「幻のゲームウォッチ」として認識されるようになりました。

なぜその“セメント工場”が幻のゲームウォッチになりえたかと言うと、当時の書籍（コロコロコミックなど）には全くと言っていいほど紹介されておらず、ＴＶコマーシャルも放映されず、また出荷台数もこれまでのシリーズとは比べ物にならないくらい少数だった為、その存在を知る者すら殆どいないと言う、大変稀有な存在だったからです。

その幻の“セメント工場”は数年後、ゲームボーイソフト「ゲームボーイギャラリー」のギャラリーモードにて「マリオズセメントファクトリー」としてその存在を確認できたわけですが、筆者の中では、いまだ「幻のゲームウォッチ」であることに変わりはなく、これを手に入れることを目標にしたことをキッカケに、長いコレクターへの道を歩み始めたような気がします。
今回は、そんな思い入れ深い「マリオズセメントファクトリー」を紹介しましょう。

セメントを次々に下に落とせ〜！

ここはセメント工場。
主人公マリオは、上から次々と流れてくるセメントをミキサー車に流し込まなければなりません。
セメントを入れるホッパー（容器）は上下に２段ずつありますが、１個のホッパーにつきセメントを３回までしか入れることができません。いっぱいになる前にレバーを押してバルブを開け、次々と下に流していきましょう（････って直接ミキサー車に入れろよ）。

ホッパーにセメントを３回以上入れてしまうと、セメントが溢れ出し、ミキサー車の運転手（ルイージ！？）にドドッとかかってしまいます。
セメントを頭からかぶり、地面に「ベチャ！」と叩きつけられる様がなかなか哀れです（苦笑）。

上下の移動はすべてエレベーターによって行います。
このエレベーターは任意に動かすことが出来ず、左のエレベーターは下へ、右のエレベーターは上へと、勝手に動いています。
足を踏み外して落ちたり、ずっと上行きのエレベーターに乗って天井にに挟まれて死なないように注意してください（とんでもない職場だな笑）。
また、左下に待避地帯があるので、うまく上昇のエレベーターに乗れなかったときは、そこでタイミングを取りましょう。

この「セメントファクトリー」、ニューワイド版以前にテーブルトップ版も発売されています。
「液晶がカラー」なことと、「メロディが流れる」こと、「左下だけでなく、右上にも待避場所がある」こと以外は、ニューワイド版と大差ありません。
あなたはどちらが好みですか！？

どっちが好み！？

「マリオズセメントファクトリー」 のパッケージ

前述した通り、とても出荷台数の少ない機種ですので、手に入れるのは困難なようです。
発掘で手に入れるのは････かなり難しいでしょうね（汗）。
筆者もさすがにこれを売ってるところは見たことがありません。まだテーブルトップ版の方が手に入りやすいという、他の機種とは逆の現象です。

そんなわけで、筆者はその存在を知ってから数年後にインターネットオークションなるもので、この「セメントファクトリー」を入手できたわけですが、さすがにレア機種だけあって結構な値段になってしまいました（汗）。
それでも長年追いつづけた機種だけあって、手にしたときは感慨一入でしたねぇ〜。
「何て偉大なんだ、ネットオークション！」って思いましたよ、ええ（笑）。
これをきっかけに、筆者はオークションにどっぷりハマっていったわけですが（さすがに最近はそんなに利用してないけど）、あなたにもそんなターニングポイント的なゲームとかないですか？

ちなみに、どうやらこの「セメントファクトリー」は、海外の方が出回っているようです。
どーしても手に入らないという人は、海外のオークションを探してみてはいかがでしょうか？

記事制作協力：ぴょん吉さん

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