バルーンファイト
BALLON FIGHT
ゲーム&ウォッチ ニューワイド/任天堂


Written by T鈴木

ファミコンの名作

ファミコンで一番好きなゲームって何ですか?
「ゼビウス」?「ドラクエ」?「アイドル八犬伝」?(笑)・・・・・。
人によって答えは様々だと思われますが、筆者の経験上、意外にも返って来る答えの多いのが、任天堂の初期アクションゲームの名作「バルーンファイト」です。
「2人対戦が熱過ぎ!」「独自の操作感が燃ゆる!」
理由は様々ですが、実際、筆者の周りにもこのゲームの熱烈なファンが多数存在します(いや、ホント!)。

そして1986年、いまだG&Wの市場が活発だった海外において、このG&W「バルーンファイト」は発売されました。
(数年後、秋葉原などでも輸入発売)
これまでも「スーパーマリオ」「ゼルダ」などがG&Wに移植され、ファンの失笑を買っていますが、果たしてこの「バルーンファイト」、名作中の名作であるファミコン版にどこまで迫っているのでしょうか!?


「バルーントリップ」そのものだ

バルーントリップ

主人公「バルーンマン」(そのまんまやん・・・・)を操作して、次々と流れてくる風船をキャッチしましょう。
バルーンマンはジェット噴射のようなもので飛び上がり(ええっ!?)、ボタン連打でホバリング、その間空中で自在に方向転換することが出来ます。
海に落ちたり、スパーク(障害物)に当たるとミスです。
・・・・って、この展開、どこかで見たことありませんか!?
そう、ファミコン版のゲームC「バルーントリップ」そのものですね。
オリジナルにあった「風船を連続して取ていくと得点が2倍〜になっていく」という要素もあり、なかなかの再現度ではないでしょうか?

とは言え、所詮はG&W。オリジナルのような「1ミリ単位の微妙な操作」というのはありません。これがこのゲームを緊迫感のない、悪く言えば単調なものにしている観は否めません。
ファミコン版のように一発死にでゲームオーバーになるので緊張感があるのはいいのですが、100点取るごとに自機が増えていくし・・・・・ようするに簡単なんですね〜。トホホ・・・。
(どうしても・・・・と言う人は、EJECTボタンを押しながらスタートすると、難易度が高くなっているのでお試しあれ)


ボス戦もあるぞ!
VSボス

では、どの辺が「バルーンファイト」なのかと言うと、一応今風のゲームらしくボスが存在します。
このボス(名前を「OIRAM REPUS」というらしい)、ステージ8をクリアすると、海の中から「ザザザッ」と登場し、自機に向かってスパークを次々と投げてきます。
(ちなみに風船を25個取ると1ステージクリアとなり、徐々に難易度が高くなっていく)
スパークを一定時間かわしつづければクリアですが、このときボスをボコりなが画面遠くに消えていくアニメーションがとてもいい味出しています(笑)。がんばってクリアして、ぜひご覧になってください。


※画像はイメージCGです。実際の画面とはかなり異なります。


俺とバルーン

バルーンファイトのパッケージ

といったわけで、またしても海外G&Wらしく大変中途半端な出来でゲンナリなのですが、これで「バルーンファイト」を「クソゲーだ!」と決めてしまうのは早計です。
オリジナルのファミコン版のことを考えなければ、なかなか良く出来ているんじゃないかなぁ〜って思います。
少なくとも「ゼルダ」や「スーパーマリオ」や「スクイッシュ」のように、ゲーム中に中だるみするようなことはないと思いますよ(って「スクイッシュ」は常にたるんでいるが(笑))。
まあそれでも、1万〜2万出して買うもんじゃないとは思いますが・・・・。

余談ですが、筆者はファミコン時代から殊のほかこの「バルーンファイト」というゲームが苦手で、みんながコレを嗜んでいるときでも、「やっぱスパルタンXだよ!」と、ひとりツカミ男と格闘していたのを思い出します。
だって自機が自分の思い通りに動いてくれないゲームって嫌じゃないですか?(笑)

そういった意味で、僕がコレをプレイすると、「常に2プレイヤーの邪魔をして嫌がられる」「バルーントリップをやれば10秒で死ぬ」といった具合に、ヘボゲーマーさ加減を如実に露呈してしまい、何ひとついい思い出がないのですが(笑)、よく考えたら「アイスクライマー」でも「クルクルランド」でも2プレイヤーの邪魔はしていたので、ゲームの腕以前に単なる協調性のない人間なのかもしれませんね。ぎゃふん。



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