クレイジークライミング |
CRAZY CLIMBING |
LSI PORTABLE GAME/バンダイ |
Written by T鈴木 |
共同開発
ご存知、超有名アーケードゲーム「クレイジークライマー」(ニチブツ)の移植です。
「なぜクライミング!?パチモンじゃねーの?」などと、微妙なタイトルの違いを指して失礼なことを言ってはいけません!こう見えてもバンダイ、ニチブツ共同開発ゲームなのです!
(まあ、この「微妙なタイトルの違い=パチモン」という図式は、電ゲーに限らず、レトロゲームに全般において至極当然の見解なのですが)
それはともかく、アーケードメーカーと玩具メーカーの夢の融合が、当時から成されていたとは驚きですね!
さて、その移植度は!?
窓が閉まる! |
オリジナルとの違い
まず大雑把にオリジナルとの違いをあげて見ましょう。
(1)キングコング、看板、鉄アレイなど、一部キャラがない。
(2)操作方法が違う。
(3)面クリア時のヘリコプターデモがない。
・・・・と、オリジナルに比べてかなり物足りない内容になっています。
(1)のキングコングなどの一部キャラが削られているのはしようがないですね。この辺が蛍光表示の限界でしょう。植木鉢やしらけ鳥が再現されているだけでも、なかなか凄いと思いますよ(ちなみに「しらけ鳥のテーマはありません)。
また、「閉まる窓」も再現されています。これは当時としてはかなり凄いのでは!?
(しかし、窓がなかなか開かず、一定時間そこでジっとしていなければならないという弊害もある)
(2)の操作方法が違うというのは、オリジナルをやりこんだ人にとってはかなりとまどうのではないでしょうか?具体的に言うと、片手を隣の窓にかけての横移動ができません。しかし、両手を揃えていれば(ふんばるポーズ)落下物に当たっても耐えることが出来ます。
(3)のヘリコプターがないというのは・・・・・残念でした(ふぅ)。
C、Dの状態なら落下物を耐えるだけでなく 横に移動することも出来る! |
2本レバーを再現! |
2本レバー筐体
しかしながら、他に見るべき点はたくさんあります。
まず、2本レバーの再現!これがないとクレイジークライマーとは言えませんよね!?
ファミコン版は両パッドの+字キーにスティックを着けるという苦しさ(!?)でしたが、それ自体がハードである電子ゲームには関係ありません!ハッキリ言って、操作しているだけでも楽しいですよ!
そして、左右スクロール!
画面では3列蛍光表示にしか見えませんが、左右に1列ずつ擬似スクロールするので、計5列横移動することが出来ます。これは当時としては凄い発想ではないでしょうか!?(同じバンダイのFLでは「ザックマン」もスクロールします)
表現の乏しいFLゲームにおいて、様々な試行錯誤を繰り返したであろう開発者の努力には、本当に敬意を表する思いです。バンダイ初期FLの素晴らしさを、改めて確認させられた次第ですね(ことバンダイに限っては、FLは初期作品のほうが名作が多いのだ)。
FLを代表するゲーム
というわけで、この「クレイジークライミング」は買いです!
G&Wに飽きてこれからFLでも集めようかと思っているあなた。まずこれを手に入れることを目標にしてみてはいかがでしょうか?(入手難易度も適度だし)
特別企画 |
日米クレクラ対決!! |
なお、海外でもENTEXというメーカーがクレイジークライマーの電子ゲームを発売しています。
「バンダイとどこが違うのか!?」
「果たして、その出来は!?」
というわけで、我らがバンダイの威信をかけて、日米クレイジークライマー対決を開催したいと思います。パチパチパチ!(ハア・・・・
ENTEX版。激激激レア!! |
移植度
ENTEX版、なんとヘリコプターを再現!凄い!
でもやっぱりキングコングはいなかったよ(「ウリャ!」の声が好きだったのに・・・」)。
植木鉢、しらけ鳥は当然再現!あと何気にアドバルーンもあります。
でも窓が閉まらないんだよな〜。(T_T)
これは大きな減点!・・・・かな?
ENTEX版の画面だ |
操作性
ENTEX版、横の窓に手をかけることが出来ます!
これで少しはオリジナルの操作感覚に近づいたのではないでしょうか?
でもバンダイの方が動きが軽くて軽快に昇るような気も・・・・。
関係ないけどENTEX版、ビル高すぎ!(笑
グラフィック
これはほとんど変わりませんね〜。
ちなみにENTEX版は横にスクロールしません。
画面はバンダイの方が若干賑やかかな・・・!?
判定
総合点ではバンダイ!でもENTEXも海外ゲーム特有の深い味わいが・・・。
レア度で言えば圧倒的にENTEX!これは殆ど手に入りません!
でもバンダイはたくさん売れた・・・・。
これは甲乙付け難いのですが、結果発表します!
判定は・・・・・引き分け!!!
往年の猪木の試合のように、いつの時代も因縁の対決は不透明決着のまま終わるのであった・・・・・。
ちゃんちゃん。