スーパーギャラクシアン |
SUPER GALAXIAN ASTRO WARS |
EPOCH デジコムシリーズ/エポック社 |
Written by 史 |
ASTRO WARS |
私はこのスーパーギャラクシアンのレビューを楽しみにとっておこうと、ずーと思っていました。
なぜなら、あまりに有名で大好きな電子ゲームだからです。しかし誰もあえて紹介はしなかった。
素晴らしすぎるので、どう表現すれば伝わるか…不安だったからです。
しかし今CGや動画でご覧頂くことができる時代が来た。
やっとこの時がきました。今ならできる。あの感動を今ここに!
このゲームは当時子供たち誰もが四角の筐体の円の中に光り輝くキャラクターを見つめ、そしてみんな口をそろえてなんて言ったか分かりますか?
「本当にギャラクシアンだ!僕のうちにギャラクシアンがきた!」
FLの大傑作と賞賛を浴び、本体の造形美、操作性、グラフィック、サウンド、完成度…
もう最高なのです。素晴らしいの一言に尽きます!
スペースシューティング |
ブロック崩しが攻めてきたら面白いんじゃないか?
ということでブロックをバラして攻撃させたのがインベーダー。
で、単調な攻め方ではなくもっと複雑で自分の意思を持たせてより高度な駆け引きが可能になったのがギャラクシアンだといわれている。
それをエポック社が電子ゲームに移植したのがこのスーパーギャラクシアンである。
宇宙を再現するアップライト型スペースゲームとあるが…
まず見てください!この洗練した本体のデザイン!
カラーセロファンで工夫された色鮮やかなグラフィック!
引き裂かれんばかりに唸るサウンド!
パターン1:ジグザグエイリアンとクイックエイリアン |
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宇宙空間にビッグバードとパープルエイリアンが突如現れた! 上からビッグバード、パープルエイリアンA(上段)、パープルエイリアンB(下段)の3編隊。 ランダムに左右にそれぞれ移動して、こちらの攻撃を挑発しているようにもみえる… …違う。 あれは実はビッグバードがスピンエイリアンを生み出してる姿だったのだ!! それぞれ独特の動きを見せながら、クイックターンやジグザグそしてスピン攻撃してくる。驚きだ… 乱射は危険だぞ。 無駄なくエイリアンの動きを予想してビームを発射するんだ。 何故ならこの時、自機はエイリアンより早く移動することはできない。 弾切れの最中に体当たりして命を落としたケースも確認されているから気をつけろ! このときビームはビッグバードには届かず攻撃は与えられない。 無念だがここはひとまず降下してくるどもを一匹ずつ潰していこう。 |
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これがクイックエイリアン(直滑降型)とジグザグエイリアン(蛇行型)の動きだ。
よく見極めよう。
パターン2:スピンエイリアン |
エイリアンを一定数倒すと、パターン2へ移行。 次に控えるは空間をトリッキーに回転し、画面中を縦横無尽に動き回るするスピンエイリアン! 上と思ったら下へ。 右と思ったら左へ。 その幻惑的な動きに惑わされず、敵が自機の正面に来たときに冷静無比に狙い撃とう! 目標をセンターに入れてスイッチ! |
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パターン3:ビッグバードの逆襲 |
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エイリアンを殺され窮地に追いやられたビッグバードの怒りは計り知れない。 チームを組んで下降してくるかと思いきや、作戦を変更したようだぞ! 左右にワープしながら激しく攻撃してくる。 恐ろしい弾幕の嵐だ。 3体のビッグバードの攻撃を避けきれるか? 狙っても狙ってもワープして交わしてくる。 頼む!ビームよ当たってくれ!! |
ボーナスゲーム:ドッキング! |
なぜ??自機が、分離する。 司令塔部分はなぜか母艦から切り離して上昇していき、再びまたリスクの高いドッキングを試みる。 驚くなよ。実は電磁波の影響だ。 ビッグバードは死に際に司令官のコンピューターを狂わせ、パープルエイリアンの機体の一部に乗っ取ろうとしていたのである。 俺にはわかる。 ご覧よ、何故ならパープルエイリアンと司令官の形が瓜二つであることが分かるだろう!! 司令塔を守れ!逆噴射やバランス調整で母艦に接近しながらドッキングしエネルギーを補給するのだ! ドッキングは成功したか? 失敗しても焦るな。チャンスはまだある。 最後の最後まで楽しませてもらったよ! でものんびりしていられねー! そうこうしているうちにビッグバードがエイリアンどもを次々に生んでいく…時間が無いんだ! 俺はもう行くぜ、銀河から奴らを根絶やしにするのさ!アディヲス! このようなストーリーの元、ゲームはパターンを繰り返し最高得点の10000点を超えればGOODエンディング! 途中で力尽きたなら、なんとも物悲しいファンファーレのもと、暗黒の宇宙にはかなく消える… |
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てかこれムーンクレスタ!? |
日物の「ムーンクレスタ」も意識したのでしょう。
ドッキングするところが「スーパー」なところ。
ビッグバードも降ってこれれば最高だったか、それでも恐ろしく降って来るビームの嵐は納得できるアイディア。
因みにCOLECO版ギャラクシアンでもビッグバードは降ってこなかった…。
(実はバンダイのキーチェーンゲームではビッグバード部隊の下降がしっかりと再現されているのだ!もしこれが当時発売されていれば…!)
ドッキングは、子供の頃は私は楽に成功できたけど、今やってみると意外に難しい。
逆噴射でタイミングを合わせることができるが、短時間で成功すれば高得点を得られる(タイマーがセットしてある)。
ゲームレベルが選べるが…
レベル1:降下エイリアン1匹(簡単すぎる。)
レベル2:高速降下エイリアン1匹(格段に難しい!狙い定めが厳しい!)
レベル3:降下エイリアン2匹(割とクリアできる。案外こっちのほうがノーマルか)
レベル4:高速降下エイリアン2匹(激難。電子ゲームのスペック限界に挑戦)
「ギャラクシアン」(ナムコ) | 「ムーンクレスタ」(日本物産) |
スーパーギャラクシアンを私はおもちゃ屋で3個新品で見つけた。
ものすごく嬉しかった!
こんなに出来が良くて、しかも安価でそれなりにみんなに行き渡っている。
需要と供給のバランスがバッチリなのが本当に嬉しいところ!!
この国のこの時代に生まれてよかった…
ありがとうナムコ、エポック社よ。本当に心から感謝しています。
スーパーギャラクシアン得点早見表 |
パープルエイリアン(上段) | 20点 |
パープルエイリアン(下段) | 10点 |
ジグザグエイリアン | 40点 |
クイックエイリアン | 50点 |
スピンエイリアン | 70点 |
ビッグバード | 100点 |
電子ゲームが好きでしょうがない |
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最近電子ゲームを「自分の稼いだ金」で買いましたか? おもちゃ屋さんでもネットオークションでも良いです。 買えたんなら大人でしょう、自分の子供や家族へのプレゼントではないですね? アンティーク趣味かコレクションでしょう。 遊ばないで、飾って眺めてるのも良いものです。和むでしょう? でも私はその逆で、子供のころに自分の小遣いで買えず。誕生日に特別に「親に買ってもらった」のです。 しかも小学生のときに、一年に一個だけ。電子ゲームは高くて買えなかったんです。 買ってもらうや否や、箱は壊す、説明書は捨てる、バッテリーカバーを無くす… 無我夢中で遊びまくり、毎日毎日友達とハイスコアの競い合い。 とにかく嬉しくて楽しくて、貴重品だなんて感覚ない、夢がいっぱい詰まったオモチャ!! 「完品」「美品」なんて言葉も無かった時代。価値が出るなんて全然思っていませんでした。 当時DSやPSPなんてものは無かったのです。 電子ゲームは「レトロゲーム」じゃなかったんです「最新ゲームマシーン」だったんです。 ではなぜ集めたのか? きっかけは「電子ゲーム大作戦」という本をずっと大人になっても大切にして持ってて、実家に帰ったときに何気なく本棚から手にしたこと。 バンダイ「クレイジークライミング」。6800円。私が買ってもらって飛び跳ねて喜んだゲーム! 「あぁ〜あの時スゲー楽しかったなぁ!もう一度やってみたいな〜」 そうこうしているうちに今度はさらに「?」が出てきました。 自分の持っていた電子ゲーム以外には何があるのだろう? 知りたかったんです。見たかったんです。触りたかったんです。 電子ゲームの情報が殆どといっていいほど無かったあの頃。 「電子ゲームのカタログ本を小学5年生のときに買ったはずだ」 やはり本棚を探してみると確かにあった。 「あぁ〜これこれ、あんときこれ友達持ってたなぁ。これ地元の駄菓子屋に置いてあったなぁ?」 ひやかしに地元の駄菓子屋に行ってみた。まだあった。 倉庫の2階にそびえる見たことも聞いたことも無い電子ゲームの山があった。 あのすざましいキラキラとした光景はいまだに脳裏に焼きついている… 「これ全部ください」躊躇することなく私はこう言いました。 「ゲームが死ぬほど大好きだから。」この言葉に尽きる。これからもずっと。 (新幹線の中でヴァーチャルボーイをやれますか?私はやった。) 1979〜1985年のおよそたったの6年間しか生産されなかった電子ゲーム。 ファミコンが登場しゲームボーイが出た。当然欲しかったが親は買ってくれなかった。そして電子ゲームが終わった。 誤解しないで欲しいことは、次世代ゲームも素晴らしい。テクノロジー的には電子ゲームとは雲泥の差だ。 でも子供の頃私には「電子ゲーム」しかなかったのです。今のゲームよりももっともっと輝いていたんです。 自分が自分でいれた、ぎゅっと詰まった心のよりどころ。 今日子供たちににDSやPSPがあるように、私たちにもあった大空がまぶしく、何もかもが大きく遠く見える時代があったんです。 みんなが持ちよって夢中に遊んだ電子ゲームたち。 そしてそれがいとおしくなり、それをどこまでもどこまでも追いかけていった私がいた。 まるで飛び散った自分の欠片を拾い集めるように。パズルを組み立てていくように。 能書は要らない。「電子ゲーム」で良いんです。「電子ゲーム」が良いんです。 |
沈黙の1秒間 |
一厘の花を褒めてあげる人がいます。「本当に綺麗に咲いてくれたね〜。とても素敵だよ。」
花は嬉しくなって、頑張ってちゃんと長生きしてくれるでしょう?それと同じです。
私たちの電子ゲームを愛する心も、ちゃんと伝わっています。
箱は何十年とゲーム機本体を劣化から守るべくボロボロに裂けそうになり、取扱説明書も変色しているが、ゲームの魅力を克明に記し残している…
そして私たちは緊張します。
「まだの動くか?」
そう、電池を入れてスイッチをオンにした瞬間。
…沈黙の1秒間…
「あぁっ〜!もはやこれまでか…?寿命か?」と
期待と不安が交錯する中、とてつもなくでかいファンファーレが鳴るや否や、閃光のように浮かび上がる蛍光表示管!
「心配すんな!まだまだ俺たちは現役だよ!大切に扱ってくれてありがとう!」
嗚呼この感激を如何なる文章にて書き綴らんや!
まさに爽快なる気分とはかの如し!
そんな電子ゲーム達を私は、かつて分解したり、壊したりした。子供が好奇心から当然することです。
そして歳月は流れ、電子ゲームを集めることを通じて、物を大事にするということを私は知りました。
壊れかけた電子ゲームは全部自力で修理した。動かなくなったものも捨てることはしない。というかできない。
悲しいくらいに、そんな可憐な電子ゲーム達を好きになってしまう。
絶対に私は死ぬまでこの電子ゲームに対する想いは変わらないだろう。誰がなんと言おうとも。
(あ〜楽しかった〜)
CG制作・協力:T鈴木