ツッパリコンサート
TSUPPARI CONCERT
LCD GAME DIGITAL/バンダイ


Written by T鈴木





今日も元気にドカンを決めたらヨーラン背負ってリーゼント



今の時代にリーゼントも洋ランもドカンも、間違いなくギャグです。
と言うかもはや「ツッパリ」という言葉自体、疑いようもなく死語。
だがしかし、それがカッコいいと思われていた時代は確かに存在した!
80年代初期、不良少年(ツッパリ)のスタンダードファッションと言えば上記スタイル。
そしてそんなツッパリがコンサートを開いてしまうと言う、今から思えば異次元の出来事とも思えるゲームが堂々と発売されていたことからも、ツッパリがいかに世間に浸透してたかをうかがい知ることができますね。

そこ!笑ってはいけません!
どんな「バカゲー」カテゴリに当てはまる作品も、当時は何の違和感もなくメーカーの企画会議に通され、普通におもちゃ屋のショーケースに並べられていたのです。
そこんとこ仏恥義理(ぶっちぎり)で夜露死苦(よろしく)!





ソリも入れたし弁当も持ったし



これでも当時は最高にカッコよかった
モチーフは言うまでなく、当時大人気だったツッパリロックバンド「横浜銀蠅」
その後「紅麗威甦(グリース)」「アラジン」などのツッパリ系バンドも追随するなど、若者を中心に絶大な人気を得る。
「ツッパリHigh School Rock'n Roll」
「ぶっちぎりRock'n Roll 」

…みんな唄えるよね?

不良、ツッパリをモチーフにしているものの、当時は国立大生だったらしんだけど(笑





走り出したら止まらないぜ



ではゲームの紹介に入りましょう。
ステージ上のツッパリギタリストを左右に動かし、ファンから投げられるプレゼントを受け取ります。
プレゼントは受取損ねてもミスにはなりませんが、客席にいるファンに掴まり、引きずり落とされるとミスです(すげぇ)。
観客が手を伸ばす動作をしてきたらピンチ!
素早く左右に移動してかわしましょう(触れられてもすぐにはミスにならない)。

またプレゼントは投げられて5段階の軌道を描いて地上に着地しますが、キャッチすることができるのは4段階目時点で、少なくとも3段階目までにその場に移動していないとキャッチすることができませんので、注意してください。


プレゼントを落としてもミスにならない





つっぱることが男の たった一つの勲章だって
この胸に信じて生きてきた



キスのご褒美
ゲームデジタルお約束の、500点ごとボーナスも当然あります。
1000点を突破、それ以降500点取るごとに観客からキスの祝福を受け、500点加算されます。
(ツッパリのくせに意外と軟派だ…)

ちなみにプレゼントを受け取るごとに+20点。
最高得点は19900点となっているぞ。





俺はスーパスター ロックンローラー



というわけで、なかなか面白い設定ではあるものの、ゲーム的には消化不良な部分が否めません。
まず「プレゼントを落としてもミスにならない」
このルールはどうしてもゲームとして緊張感を削いでしまいます。
確かに難易度的には低くなっているものの、何かしらペナルティを課すか、連続でキャッチすることに対して恩恵があった方が(コンボをつなげることによって得点が増えていくなど)より燃えるゲーム性を実現できたと思います。

ミスの定義も曖昧で、観客に触れられても一定時間はミスにならないとか(その一定時間もいまいち曖昧だったり)、どうしてもゲームに対する集中力が散漫になってしまいますね。

このようなちょっと困ったゲームでも、バンダイはクローン(キャラ変え同内容のゲーム)を発売しており、即ち「うる星やつら」「パタリロ!」などがそれなのですが、なぜこのような不評ゲームでもわざわざクローンを出そうと思ったのか、当時の電ゲー事情はまったくもって謎であります(と言っても、当時はゲームを内容的に評価するような概念など希薄だったのかもしれないけど)。
「ツッパリコンサート」のパッケージ





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