スペースレーザーウォー
SPACE LASER WAR
GRAPHIC 3D LSI GAME/トミー


Written by T鈴木





3D元年



「もう何度目だよ!?」
と言いたくなるような映像界の3Dブームですが、これを書いている現在(2010年)でも3D元年と言われているように、3D映画の流行、また家庭用3Dテレビなどの登場で、「今度こそ本物かも!?」という気運が高まってきています(ような気がする)。
で、ゲーム界においてもそれは例外ではなく、今にちの「ニンテンドー3DS」発表の遥か以前に、「任天堂バーチャルボーイ」を始め、「ファミコン3Dシステム」、「セガ3Dグラス」、アーケードでも「サブロック3D」(セガ)、「3Dサンダーセプター2」(ナムコ)、「コンチネンタルサーカス」(タイトー)など、地味に3Dゲームが登場しては、いずれも短命で消えて行きました。


任天堂「バーチャルボーイ」 ナムコ「3DサンダーセプターII」 セガ「セガ3Dグラス」



まぁこの辺の事情を把握していれば、大筋で3Dゲームの歴史を語れたりしますが、実は当時、電子ゲームでも3Dゲームが登場していたことを君は知っていたか!?
もちろんファンの間では周知中の周知ですが、トミー「3D立体グライフィックゲーム」と謳われるシリーズがそれ。
何やら凄そうな名称ですが、同シリーズだけで何と7作品も出してしまったトミー社の先見の明を称賛するとともに、今回はその中の最もポピュラー作で代表作ある「スペースレーザーウォー」を紹介しましょう。





双眼鏡本体



右回転、左回転ボタンで移動だ
上の画像を見てもらえれば一目瞭然ですが、何と双眼鏡型筐体!
これを覗き込んでプレイするわけですが、左右で微妙にズレた画像を両目で見ることにより、平行法(ステレオグラム)によって立体的に見えるわけですね。
「飛び出す」…と言うよりは「奥行きがある」ように見えるのですが、これはこれで画期的なことだったのでしょう。

ゲームは3D視点のシューティングゲーム。
左右回転キーでファイターを操作し、ファイヤーキーで迫りくる敵戦闘機を撃ち落とそう(感覚的に「ジャイラス(コナミ)」に近いかな)。
自機の形からして「X−ウ○ング」ソックリなのですが、舞台設定も、あの映画のデス○ター戦をモチーフにしたものとなっているぞ(この時代のゲームには、そういうのが実に多い)。





登場兵器の方々




ファイター
プレイヤーが操作する自機。
左右に回転移動し、ファイヤーキーを押すとミサイルを発射する。
スペースシップ
敵の宇宙船。
左右、中央に蛇行しながら迫ってくるので、なかなか狙い撃ちにくい。
弾は撃ってこないが、衝突するとミス。

オイルタンカー
自機(ファイター)は放っておくと燃料切れで爆発してしまう。
こいつを破壊すると燃料が補給されるぞ。
隕石
画面下部でオイルタンカーと共に飛来する。
ミサイルで撃ち落とせない最強の敵。





ゲームルール



ゲームはステージ制。1ステージに40機のスペースシップ(敵戦闘機)が登場します。
このスペースシップが40機画面に登場し終えた時点でステージクリア
その戦績により、クリア時にボーナスが加算されると言う仕組みです。
具体的に言うと…スペースシップを20機以上撃墜すると、20機撃墜以降、1機撃墜につき10点ボーナス。
それ以下だとペナルティとして10点減点となる(逃げ回っていてはいつまでたってもスコアは増えないのだ)。

また、自機(ファイター)は放っておくとガス欠で爆発してしまいます。
スコア下に「FUEL」の文字が点滅し出したらピンチ!
画面下部に出現するオイルタンカーを破壊し、燃料を補給しましょう。
ちなみに自機は最初オイルタンカー8機分の燃料を搭載しており、オイルタンカーが画面を通過するごとに1機分の燃料が減っていきます。
「FUEL」の文字が点滅したら残り2機分、高速点滅し出したら1機分しかありません。
隕石に気をつけつつ、素早くタンカーを破壊しよう。
ちなみに、いくらタンカーを破壊しても8機分以上の燃料はストックできないぞ。

燃料がなくなってもミスだ!





あらしも対戦



必殺「指先炎のコマ」!
ちなみに、かの「ゲームセンターあらし」も、この「スペースレーザーウォー」で対決しています(コミックス17巻「大自然の戦士ブッチャマン」より)。
覗きこみ筐体なので必殺技も使えず、また対戦相手の卑怯な作略にはまり大ピンチに陥りますが、必殺「指先炎のコマ」で勝利してしまいます(最終回付近の話なので、覚えてる人も少ないかな?笑)。

ちなみにあらしは作品内で10万点取っていますが、このゲームの最高得点は13990点ですので念の為。





3Dゲームの憂鬱



ちなみに同シリーズとしては他に
「コスモ・ル・マン」
「宇宙壮絶戦車戦」
「ジョース」
「ジャングルファイター」
「ドッグファイト」
「シャーマンアタック」

が発売されています。

やはりと言うか何と言うか、当時においてもそれがブームになったとは言い難いのですが、任天堂「バーチャルボーイ」の失敗理由でも必ず挙がるように、「プレイヤー以外はゲーム画面を観覧することができない」という点が大きなマイナスポイントのような気がしますね。
特に、皆で持ち寄ってワイワイ遊ぶことが多かった電子ゲームだけに、1人でモソモソと双眼鏡を覗くようなプレイスタイルは、何とも奇異に映ったかもしれません

あと3Dってのは慣れる!(笑
「おぉ!」と思うのは最初だけで、慣れてしまったらあとは「いや別に2Dでもいいんじゃ…」というシケた感想しか残らんわけです。
これは現在の作品にも言えるんですが…3Dの為のコンテンツではなく、コンテンツの為の3Dでなければ存在意味がないわけですね。
その点この「スペースレーザーウォー」は、まぁまぁ3Dである必然があると思うのですが…どうでしょ?(笑
「スペースレーザーウォー」のパッケージ





オマケ:「スペースレーザーウォー」の全キャラパターン





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