悪霊の館
AKURYO NO YAKATA
LCD SOLARPOWER DOUBLE PANEl/バンダイ


Written by T鈴木





メジャー機種


バンダイソーラーパワーのダブルパネルシリーズとしては、すでに「エアポートパニック」を取り上げてますが、マイナーな「エアポート〜」に比べ、この「悪霊の館」の方が「知ってる!」「持ってる!」という方が多いのではないでしょうか。
実際、おもちゃ屋の店頭で見かけるのは、明らかにこちらの方が多いし、現在でもオークションサイトなどで頻繁に見かけたりします。
(ちなみに同シリーズで次に多く見かけるのが「秘境アマゾン」。「ミスターフランケン」はあまり見ないかな…)。
今回は、そんなバンダイLCDきっての有名機種、「悪霊の館」を取り上げましょう。






ダブルパネル



2パターンのゲームが楽しめる

「エアポートパニック」の項でも説明済みですが、2面の液晶を重ね合わせ、2パターンのゲームが楽しめます。
2つのスクリーンが独立している任天堂の「マルチスクリーン」とは一線を画す仕様ですが、背景のグラフィックイラストを直接スクリーンに書き込むことができず、液晶で表示しなければならないという欠点もあります。
これにより画面が黒一色になってしまうため、ゲームデジタルシリーズに比べると、ちょっと華やかさに欠ける感もありますね。





第1パターン、コウモリを刺せ!



それではゲームの紹介です。

第1パターンでは、少年を操作し、迫りくるコウモリをナイフで撃退しましょう。
背後から少年に向かってくる墓石に当たったり、橋がかかる前に池に落ちたりするとミス。
なお、墓石は必ず少年のいる場所めがけて飛んで来るので、ある程度誘導することができます。

ちなみにコウモリは、当たって死ぬことはない人畜無害の生物です。
(ただ動物を虐待してるように見えますが…果たして!?)

コウモリを1匹倒すと10点。
200点獲得すると館への橋がかかり、次のパターンへ移行します。
墓石を避けつつ、コウモリを刺そう





第2パターン、怪物軍団との死闘



床に気をつけつつ、怪物を倒せ
第2パターンは館内での死闘です。
まずは上階で崩れる床に気をつけつつ、3匹の怪物(ドラキュラ、狼男、ミイラ男)をナイフで撃退してください。
怪物たちは窓から現れ、最初は幽霊のような姿でこちらに飛来してきます。
その段階でどの怪物に変身するか判断できるので、攻撃対象へ素早く少年を移動させ、怪物を倒しましょう。
(怪物が姿を現わしてからでも充分間に合う)

200点取ると(怪物を1匹倒すと20点)死神が消え、下段に移動できるようになります。





下階に移動すると、消えていた死神が再び現れます。
死神の攻撃と、上から崩れてくる床に気をつけつつ(中央の床しか崩れない)、フランケンを10回ナイフで攻撃してください。
フランケンの腕を振り下ろすグラフィックを見てから避けても充分間に合うので、連続して刺しまくっても問題ないぞ。

フランケンを倒し、200点獲得すると、少年はまた上階に現れます(えええぇ!)。
どうやら次の部屋に行ったという設定のようですが、ここでも同じように上階、下階で怪物たちとの戦いを繰り広げます。

そして再度フランケンを倒すと……
フランケンを10回刺せ!






悪霊に制裁を喰らわせろ!
画面に悪霊の入った棺が現れ、少年が自動的にとどめをさします。
(その際200点獲得)。

事実上、これがエンディング。
おつかれまさでした。
(そしてまたパターン1から始まるのであった)





「モンパニ」になりえなかった悲劇の機種



というわけで、エポック社「モンスターパニック」を意識したようなホラー冒険アクションなのですが、「モンパニ」と比べると、ゲーム的に練り込みが足りないような気がします。

例えばパターン1の館外での戦い。
コウモリに当たらない(死なない)というのはどう考えても緊張感がないような気がするし、墓石の軌道も単調で、すぐ読めてしまいます。
パターン2でも、同じことを2度繰り返さなければならないというのは、やはり面倒。
床が崩れて移動範囲が狭まってしまうと言うのも、ゲームテンポを崩していると思います。
登場キャラは多しい、ゲーム的にもなかなかのボリュームですので、非常に惜しい感じがしますね。

「モンスターパニック」になりえる素材を持ちながら、「モンスターパニック」に成りえなかった…
「悪霊の館」は、そんな悲劇の機種と言えるかもしれません。
(実際、コレクター仲間と発掘に出かけた時、これを定価で買おうと思ったら「やめとけ!」と言われた笑)
「悪霊の館」のパッケージ





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