satanoperca 〜悪魔のパーチ〜
かねてから興味のあった南米シクリッドの一種であるサタノペルカ属の混泳に挑戦してみることにしました。
口を砂の中に突っ込んで餌を獲る習性の持ち主で英語では「Sharphead Earth Eater」とも呼ばれる種類の仲間です。
ジュルパリなんかが一般的に有名ですね。
生物上の分類は、頬に鱗があり、背鰭や尻鰭の基部には鱗が無いとされております。
これは一般的なゲオファーガスの仲間とは逆のパターンということになります。
その他の特徴としては、歯が少ないとか、尾鰭付け根にスポットがある等ですね。
常時砂を咥えてはモゴモゴとしているため、口が傷ついたりしないような底砂を選ぶ必要があるので、
我が家では細かくて比重のありそうな「田砂」として販売されているものを用いました。
90cm規格水槽に20kg、量としてはやや多いかなという感じです。
混泳ということでやはりシクリッドの縄張り意識による争いが気になるところです。
名前ほどの気の荒さはなく、歯も少ないので生き死にの争いにはならぬようですし、
ゲオよりは大人しいと聞いているので、上手くいってくれれば良いのですが。
私的には大き目の背鰭や尻鰭の軟条が長く伸びるところにこの種類の魅力を感じますので
この辺の魅力を引き出せないと面白くないと考えています。
少しでも争いの緩和となればと思い、流木を多目に突っ込むことにしました。
2007年7月
Satanoperca acuticeps ( サタノペルカ アクチケプス)
ベレン便 ワイルド個体
この種の特徴としては背鰭がかなり前の方から幅広くなっており、
ボディに三個入ったスポットと尾鰭のスポットを合わせて
Four-spot-Geophagusとも呼ばれています。
acuticepsとはシャープなヘッドであるという意味らしいです。
底に散らばった人工フードを砂利と一緒に口に含み、エラから砂利だけを吐き出して器用に食べます。
同居しているペコルティアのプレコ軍にはちょっかいを出す気配もなし。
このまま単独飼育でも良いかなーと思うぐらいの美しさです。
この種類の仲間には他に以下の6種が記載されています。
jurupari ジュルパリィ
daemon ダエモン
leucosticta レウコスティクタ
lilith リリス
pappaterra パッパテラ
mapiritensis マピリテンシス
地域変種なども入れるとかなりバリエーションが楽しめそうです。
あまり人気種とも言えないし、入荷も少ないと思われますので
どこまで揃えられるかわかりませんが、全種が平和に混泳するのを見れるようにがんばりたいです。
追伸。 シクラソマ系の未発表新魚は餌食いも良く順調なのですが、写真を撮らせてくれません(T_T)
2007年7月
Satanoperca lilith ( サタノペルカ リリス)
ネグロ河 トゥッカーノ ワイルド個体
この種はボディにワンスポット、尾鰭付け根にワンスポットで合わせてツースポットなのだが、
なぜかこれだけOne-spot-Geophagusと呼ばれる。
体型が他の種よりは少し細身であるかと感じられる。
「lilith」とは女性の悪霊という意味だとか、夜の魔女だとか?
そういえば、蛍光灯をつけている時は上記アクチケプス君に突付かれても抵抗せず
ナンバー2に甘んじているリリス君であるが、
水槽の蛍光灯を消すと、強さが変わるのかナンバー1を虐めたおす。これマジな話し。
昼間はナンバーワンに虐められると、思い出したかのようにナンバースリーを虐めに行きます。
虐められる痛みを知ってるなら虐めるなよと思いますが、
なんともはや情けない光景がいつも繰り広げられています。
さすがに近似種同士であるだけにやはり平和にとはいかぬようです。
でもあまり魚体に傷が残るような争いではありません。
口であっち行けと突付く程度に収まっています。
それがまぁ相当にしつこいのですが(汗。
この個体の大きさは、まだ紹介していないアクチケプス2号君(一番でかいのに一番弱い)、
上記アクチケプス1号君に次いで三番目の大きさです。
2007年8月
Satanoperca daemon (サタノペルカ ダエモン)
オリノコ河 ワイルド個体
他のメンバーに比べると小さすぎるぐらい小さいです。
みんなにも相手にされず黙々とマイペースで腹いっぱい餌も食べています。
この種はボディーにツースポットと尾鰭のスポットで
THREE-SPOT-GEOPHAGUSと呼ばれます。
ダエモン→デーモン→悪魔です。
顔つきはなんとなくリリスに似ているような感じです。
大きいダエモンは素晴らしくカッコいいので早く大きくなって欲しいです。
さてこのサタノペルカの混泳水槽にはペコルティア系のプレコが三匹いるのですが、
糞が凄いのなんのって、、綺麗な砂の上が糞だらけなのがとっても気に入りません。
2007年9月
Satanoperca acuticeps ( サタノペルカ アクチケプス)
サンタレン K2便 ワイルド個体
上で紹介したアクチケプスとは入荷ルートの違う個体です。
タイプが違うのかもと期待しましたが、そんなに差異はないように見えます。
一番大きいくせに一番気が弱く、いつも虐められています。
サタノペルカの習性である砂利を含んでモグモグも
ゆっくりとはさせてもらえない可哀想なヤツです。
なので発色も上の個体のように綺麗には出ていませんし、
背鰭や腹鰭の軟条もそんなにはまだ伸びていません。
尾鰭なんかは結構痛めつけられています。
しかし餌の時間には、みんなに負けじとパクパクと食っているので
いつか強くなってリベンジの日はやってくるのかもしれませんね。
2007年11月
Satanoperca sp. Columbia
ショップで見つけたときは、ガリガリに痩せていて目が大きく見え、
とても手を出すような個体ではなかったのですが、
コレクション性のある一匹ということで持ち帰りました。
ゲオ系やサタノペルカ系は痩せやすいけれど、大きくするのは難しいような
印象がありますのでどうかなという感じでしたが、
二ヶ月ほど飼育し少しふっくらとしてきて健康的になったように思います。
個体の印象としては、メタリックな感じがしますが
他の種と比べると色彩的には地味です。
頭部から口先にかけて入ってる模様が特徴的です。
2008年3月
その後のサタノペルカ水槽ですが、
ダエモンやSP.コロンビアの成長が良いです。
この二匹はテンポラリス用に入れている浮上性の餌も
平気で横取りしにきます。
体が小さいほど怖いもの知らずで貪欲なのでしょうか。
ダエモンは尾鰭が少しおかしいです。
切れば治るのかもしれないけれど
順調に成長しているのでこのままにしておこうと思っています。
現在はテンポラリスがボスとして大人しく君臨していることにより
水槽内ではほとんど争いも見られません
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