Vieja argentea
Allgayer,1991
基本的に私が一番可愛がっている魚かもしれません。
別名 SILVER VIEJA
ヴィエージャ アルゲンティアと発音しています。
究極のビビリ&拒食
2002年3月19日、京都のとあるお店にこいつはやってきた。
グアテマラという産地まではっきりしている。 かねてからワイルドのアルゲンティアが欲しいと思っていた私にとって絶好のチャンス到来である。
自営なので、嫁吉には『ちょっと買い物に行ってくるから』(片道一時間かかるのである、大嘘である) と店をまかせ、仕事をほったらかし電車に飛び乗りチェックをしに行った私は、 水槽の中でかなりビビッテいるこいつを見て、『大丈夫かいな?』と思いつつも 連れて帰ってきたのである。 約三時間後、帰ってきたときの嫁吉の鬼のような顔は思い出したくもない。
慎重なる水合わせの末、水槽に放したこいつは画像のとおり水槽の隅で逆立ちし固まっていた。
尾びれは水上に出ているのである。
そしてこいつはなんとこのままの状態で一週間動かず、餌も食わないのであった。
サイズは10cm程であっただろうか。
シェルター作戦成功!
さらに一週間が過ぎ、正直私はもうこのまま死んでしまうのはないか?と心配した。
いろんな仲間に相談していたが、『水が大丈夫なら心配ないよ!』と言ってくれる人もいた、 『そのうち落ち着くよ』とか『ワイルドの証拠だよ』とか言ってくれる人もいた。しかし 当の本人は心配で心配でそんな悠長なことを言っていられないのである。
その中に『シェルターを入れてみたらどうですか?』という意見があった。 おう!光明を見たような感じがした。隠れたいなら隠れさせてやろうホトトギス!である。 とにかく逆立ちを止めてくれるならなんでもいいのである。
よってさっそくシェルターになるようなものを買いに走り、水槽に入れてみた。
そしてまわりを新聞紙で囲った。 それは見事に成功した。
何時の間に移動したのか?こいつの家はそこに決まったのである。
餌も少量ではあるが、冷凍赤虫をぱくつくようになったのである。
教訓、魚がびびっているときはあまり神経質になって頻繁に覗き込んだりせず、
水質がOKなら朝晩に少量の冷凍赤虫を入れ、ほったらかしておくぐらいが調度いい。
雌雄判別不可能
6月になった。こいつはすくすくと大きくなり、シェルターが狭くなったのでパイプを買ってきて やった。とにかく未だにシェルターに横になってまで隠れているのである。 ほんとに隠れるのが好きなやつである。
全長は15cmほどになっている頃だと思う。、
どうも顔つきが優しく、メスではないかなあと思いながらも輸卵管も確認できず いまだに性別は不明である。
まだまだ体高も出てこず成長真っ只中という感じでスレンダーなボディである。
大変よく懐き、餌の時間には隠れ家から出て来て、手からでも餌を食べるようになる。
それが楽しくてついつい餌を与えすぎたかもしれない。
やがて肥満となり、アルゲン・パファーと呼ばれる日が来ようとは、このときは知る由もない。
お引越しである。
7月になり、90の半分をセパレーターで仕切って飼育していたがグン!と大きくなった気がするので 120水槽の半分に引越しさせた。60W水槽の広さである。
この時点ではまだ眩しいほどの輝きは発していないが
頭の冠もはっきりとして貫禄も出てきた様である。
しかし、アルゲンティアという魚はいつも鰭を立派に広げていて見ていて気持ちがいいもんである。
メスは体にあまり多くの黒いしみを持たないと洋書には書かれていたが、 そうするとこいつはやはりメスかもしれない。
それと私が調べた範囲での生息地を書いておこう。
南メキシコとグアテマラ、河の名前として挙げられているのは、
Tulija.Corzo.Chancala.Subin.Salinas.San Pedro.San Roman.Usumacinta.la pasion.である。
フラッシュを使ってみた。
8月である。なかなか上手くいかないデジカメ撮影である。
動いている魚を撮るというのは本当に難しい。しかし、このアルゲンティアなどはまだ撮りやすい 方である。セパ越しに飼育しているレガニィなどはまったくじっとしていないのである。
さて順調に育っているアルゲン君なのであるが、もうしばらくすると恐ろしい事件に遭遇する。
シェルターのパイプは、入れておくといつまで経っても隠れているので卒業させた。
太ってきたのである!
時は経ち、11月のアルゲン君である。
かなり太ってきている。体高も出てまん丸である。
体色は白さに磨きがかかってきたようで、ポッチャリ色白美人が好きな私としては なかなか満足の行く成長振りである。
このときの水槽は120*45*45のガラス水槽を使っていた。
15年ほど使っている代物である。先住者のショートノーズ・クラウンテトラが シリコンを齧りまくっていたし、このアルゲンも退屈しのぎに齧っているようなのでかなり怖い状態であった。
水漏れが心配な日が続く。ここは何といっても三階である。
大事件である!!
12月初旬、アルゲンをまじまじ見つめていると、大変なことになっているのに気がついた。
そう!画像で確認できるであろうか?目の周りに穴がポツポツと開いているのである。
『なんじゃーこりゃああ!!』と叫んでも治るわけはなく、私はこの現象について調べることにした。
いろいろと調べた結果【HITH】Hole In The Head ではないかとわかった。 日本語で言うならば【頭部穴あき】というものである。
左右対称ではないので、感覚孔の肥大という現象ではないようだ。もちろん鼻の穴でもない!
どうやらこれは、ヘキサミタ原虫という腸に寄生するものが悪さをして、 ビタミンDやカルシウムが欠乏するというのが原因というのが一般の説のようである。
しかし、なぜ急に?私はそれまで生餌というものを使っておらず寄生虫の仕業とすれば 感染経路がわからない。
人工飼料についてもバランスを考え、常に数種類のものをローテーションして与えてきた。
肥満になりこそすれ、栄養不足になぞなるとは考えられなかったのであるが……
週に二回の水換えをさぼったことなどないし、水質悪化というのも考え難い。
濾過槽も割りと清潔にしているのである。
セパレーターで分けて飼育しているレガニィにも移った。
移るということは単なる栄養不足というものでもなく、何か菌なり、原虫なり が存在すると考えて良さそうである。
穴あきとの闘いは始まった!
これはレガニィの画像である。
とにかく、ヘキサミタをやっつけるフラジールという薬を入手し、治療を開始することにした。
腸内に寄生している原虫を薬浴のみでやっつけられるとは思わない。
まずは経口投与である。薬を餌に混ぜるが食べてくれない。フラジールを溶かした水溶液に餌を浸した だけで、この両個体は餌を口にしないのである。パラザンという薬も試してみたが同様である。
駆虫ハンバーグどころか、普通のディスカスハンバーグも食べない。
そうこうしているうちに餌の選り好みが大変激しくなり、ほとんどの人工飼料を食べなくなってしまった。 本当に困ったものである。
さて、フラジールを水槽にも投入して塩もぶちこんで、薬浴での効果を期待したが治らない。
かくなる上は、魚を掬い上げ暴れるのを押さえつけ『こそいだ』
そしてこそいだ箇所には消毒もかねてイソジンを塗った。
こそいだ穴は傷の再生と共に塞がるようである。しかし別のところに穴が再発してくる。
こそがずに穴にイソジンを塗った。(これだけでは穴は塞がらなかった)
こんなことを永遠に繰り返したくはない。
年末に水漏れ!
さて、ついに水槽から水がポタリポタリと漏れ出した。 年も押し迫った年末である。商売が忙しいので応急処置としてバスタオルで受けていた。 幸い大事には至らず、そのまま新年を迎えることができた。
正月明けにアクリル水槽を買った。ついでに上部ろ過もレイシーにグレードアップした。 大奮発である。
これを機に濾材も全て煮沸消毒、底砂利も全て取り替え水槽をリセットした。 穴あきの方はこそいだところも治り、沈静化しているようであった。
現在の飼育環境は120*45*45アクリル水槽を半分に仕切り、上部ろ過レイシーRF-120、外部ろ過エーハイム2226
Rio内部フィルター、水作M一個という内容である。水温は26〜27度、pHは6.5〜7.5あたりである。
穴あきの方は二ヶ月ほどは再発することはなく、治まったようにみえたが、
最近になってまた再発しており、ミミズ給餌が良いという話を聞き三週間ほど連続で与えてみたが
効果の程は疑問であった。これからもいろいろチャレンジしてみて、ぜひこの病気を撲滅させたいものである。
色々と研究されておられるマニアの方もおられるようで、
キーワードは『水温』『日光浴』『ビタミンC.D&ミネラルの補給』『フラジールの経口投与』『ストレスの軽減』とこのへんであろうか。
そうそう、こそぐために魚を掬い上げるときは、魚が寝ぼけているときにしましょう。
2003年6月。
頭部穴あき再発。
例によって掬い上げ穴のところを三角定規の尖った部分でグリグリと傷つけ、
イソジンを塗り、グリーンFゴールドを擦り込む。
この時にサイズを測ろうと実際にメジャーをあてたところ全長28cmであった。
自分としてはもう少し小さいかなと思っていた。
そうするともう少しでかいレガニィは30cmを超えているのであろう。
しかしこのアルゲンティアは掬い上げられても暴れるということをまったくしない。
暴れるだけ損と諦めているのか、荒療治に慣れてしまっているのか?
頭部穴あきの治療はしやすい。
我が家の頭部穴あきはこの早期治療のおかげで著しく観賞価値を落としていることもない。『穴が開いたら即治療』フラジールを口にしない個体にはこれしか方法はないのであろうか。
また何が原因で再発したのか?考えてもわからないのである。
エアコンで室内全体の気温を管理しているので水温が上昇したことということもないし、管理をさぼったわけでもない。
まったく悩ましくいまいましい病気である。
2003年9月
みなさん、こんにちは。
ここの水槽に連れてこられて一年半、最近体は成長していない
アルゲンティア・ゼットンと言います。
ご主人様は可愛がってくれているようなんですが、
今の暮らしはちょっと狭く、快適とは言えないですし、
たまに網で掬われて頭をグリグリされたり、なんだか良くわからないモノを
付けられてるするので参ってます。
隣にいる青い奴は透明の板を突付きまくるし、僕の部屋に砂利を吐きまくるし、落ち着きの無い奴で嫌いです。
餌はよくもらえるのですが、たまに食えないものを入れられたりして、
食べないとぼやかれるし、
こないだなんか水がグーンとあったかくなって、気持ち悪くなっちゃって
おいこらっ!って言ってるのに、ご主人様は知らん顔して寝てやがるし、
そのうち反乱でも起こしてやろうかって思ってます。
こんなこと思ってるんだろうな。
2003年12月
あまり大きくなっていない。
ここら辺がこの子の限界であろうか。
これ以上肥満になるのが怖くて、餌を少しセーブしたのも影響したのか、
30cmに届かなかった。
しかも最近は身体の輝きがなんとなくぼやけて、頭の冠の黒い色も薄くなり
ぼんやりしていることも多く、ちょっと心配である。
で、歯が赤いんですがこれって普通?
どうも下唇が腫れているような気がします(汗。
で、話は変り、Viejaの語源を前から調べているのですけど、よくわかりません。
どうもスペイン語のようで、『古い』とか『老人』とか、夫婦の間での夫だとか女房だとかいう意味のようですが
魚の属名に当てはめるとどういうことなんでしょうね。
中米のあちこちにViejaという名前が使われている土地もあり、そのへんも関係するのかも
しれないですね。
2004年3月
今日は3月18日、思えば二年前の3月19日に電車に乗り、京都までこいつを買いに行ったのであった。
祝、二周年である(笑。
最近はみんなが遊びに来ても、『輝きを失った』だとか『小さくなった』だとか
と不届きな発言を浴びるアルゲン君であるが、元気に29cmに成長している。
今回はドレスアップとして、赤めの照明で撮影してあげました。
頭部穴あきは相変わらず、たまに出てきます。
本屋に立ち寄った時にスペイン語の辞書があったので、
『Vieja』を調べてみると、『ベラ』って載ってました。
2004年10月
60ワイド水槽に移動して単独飼育。
移動時に計測、30.5cm。
あまり大きくなっているような気がしていなかったがようやく30cmをオーバーした。
現在頭部穴あきはいまだ発症と治療を繰り返している。
レガニィの方は90水槽に単独にしてからは発症はしていない。
こうなるとなんらかの菌、もしくは寄生虫を持っていて、
(狭いという)ストレスや水質の悪化により発症するのかと考えてもいいのかもしれない。
どちらにせよアルゲンティアという魚は頭部穴あきの発症しやすい種であることは
仲間たちの情報からも間違いないところだと思われる。
ちょっと体高も出てきてるかな。
2005年3月
うぎゃあ、アルゲンが……
というのは冗談です、ごめんなさい。
例によって穴あきが目立ってきたので治療のためにこんな格好をさせられてます。
ちょっと魚が反り返っているのでメジャーが30cm手前ですが、口から尾っぽの先までは
30,5cmあります。
えっ?そんなことはどうでも良いですか、すいません(笑。
写真撮ってる暇があるなら、ちゃっちゃっと終わらせて水槽に戻してくれと
アルゲンも怒ってるでしょうね。
昨年10月からほとんど大きくなってませんね。
ちょうど飼育して三年になります。
アルゲンティアは大きくなってからも、なんとなく可愛いヤツというイメージでした。
これからもまだまだ長生きして欲しいもんです。
しかしこうやって見てみると、背ビレや尻ビレは長く伸びるのに、腹ビレは小さくて短いですね。
2005年7月
眉間の小さな穴が確認できるでしょうか。
相変わらずの頭部穴あきは完治せず、治ったり出たりの繰り返しです。
ある人から「フリーズドライのミミズ餌」が発売されましたと連絡をいただいた。
私はあまりフリーズドライの餌というものには、良い印象を持っていなかった。
今までの製品がどうも食いが悪いというイメージがあったからだ。
しかし試してみると、今回のこれはなかなか良い。
アルゲンはおろか、水面に出てくる事を怖がらない魚たちは、とても美味そうに
食べている。
大阪の某マニアの間では買占め騒動まで起こっているらしい(爆。
なぜミミズの話かというと、ミミズを与えると頭部穴あきが治るという説があるからだ。
うーん、少なくとも我が家は治りません(笑。
ミミズを与えていると頭部穴あきになりにくいというのなら話は分かるが、
ミミズを与えて頭部穴あきが治るとは、あまり思えないのだが。。。
たまたまミミズを与えたときに、環境(水質や水温など)が変わったことにより
治ったのではないのであろうか。
うちでは特に何もしなくても勝手に治る場合も多々ありますので。
さて、アルゲン君ですが頭部穴あき以外は、大きくも小さくもならず…
いや、丸くなってるか…
とにもかくにも元気に過ごしております。
2006年2月
もうすぐ丸4年になります。
大きさはほとんど変わっていないです。
最近…といっても一年ぐらい前からになりますが
ワイルドで入荷しているアルゲンティアはスタイルの良い個体が多いように
感じます。
極悪無頼漢サイトの「俺の魚見てくれ」のコーナーにある、
アルさん、かにかにさんの個体にもほれぼれしてしまいます。
もう一度、若魚から飼育できるチャンスに恵まれたら
下腹をぷっくりさせないような個体に仕上げてみたいです。
2006年11月
そろそろお年寄りになりつつあるのでしょうか(笑。
目の輝きや発色は相変わらず綺麗ではありますが。
体型的には不満が残るアルゲン君ですが、長い付き合いになりました。
水換えの時に手を入れ噛まれること数度、遠い昔のようです。
Good Shot!
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