『アカムシの研究』 代田昭彦



※引用の際、一部旧字体を用いていない部分があります。

『アカムシの研究』 代田昭彦

恒星社厚生閣発行。一部マニアの間ではわりと有名な本である。
熱帯魚店でのアカムシの入手が難しくなって久しい。
アカムシといっても複数種あり、熱帯魚店で扱われるのは 「セスジユスリカ」の幼虫である。
アカムシの取り扱いがある店の中には、釣具屋で扱われている セスジユスリカよりも大型のアカムシを販売している店もある。
このアカムシは大型で殻が固い。
餌として不適当だとはいえないが、より小型のセスジユスリカの方が 餌向きではある。
セスジユスリカのアカムシを取り扱っている店舗は非常に少ない。
私の知っている限りでは、毎週定期的に入荷のある店は、東京都では、1軒しかない。
何故取り扱いが減ってしまったのか。
アカムシが採れなくなってしまったからでもあるだろうが、 より単純に、儲からなくなったから、というのが一番の理由なのだろうか。
私は偶然にも毎週アカムシの入荷のある店に通っているのだが、 アカムシを買う事は滅多に無い。
餌としてはアカムシは非常に有効なのは明白なのだが、その熱帯魚店に アカムシを卸している餌屋さんが廃業してしまったら定期的に入手するのは 非常に難しくなってしまう。
その店の昔からの常連さんの分を購入してしまったら申し訳ない、という理由も無くは無いが、 それ以上に、今のうちから冷凍アカムシしか利用しないでも 魚が育てられるようにしておきたいと考えて、アカムシは購入しないことにしている。

しかしながら、冷凍ではない生きたアカムシが仮に将来も定期的に入手可能なのであれば、 もちろん利用する方がよりよく飼育が可能である。
売っていないのなら、自分で養殖できないか、とちょっと思いついて、本書を入手した。
本書は魚の養殖の為に生きたアカムシを養殖する方法について研究された結果をまとめたものである。
出版社の名前をみればわかるだろうが、内容は非常に濃い。
アカムシの形態、採卵、飼育管理、生産の為の環境、種苗の保存方法などについて 詳細に調査がなされている。
そして、結論から言うと、たかだが20本か30本の小型水槽しかキープできないような 単なるマニアには、アカムシの養殖のハードルは相当高いことがわかる。
産卵に至るまでの受精率を高める条件が、家庭で手軽に実現しがたい条件なのだが、 詳細を知りたければ本書を入手してみていただきたい。
学術書である関係からか、本書はわりと入手が容易である。



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