故郷情報センター

                                                                                                    市吉 修 2007/3/3

1.      目的

過疎高齢化の進む農山漁村の再生と発展に寄与する情報センターの仕様を定める。

> 一人暮らしの老人でも安心して暮らせる村にする。

> 外来者に安価で便利な長期滞在システムを提供する。

> 人が全国どこでも学び、生涯現役で働ける二十一世紀型産業を創造する。

 

2.      構成と機能

 

[1] 村民共用の情報センター  

(1) 公民館などの公共の場所に複数台のPC, Printer等の情報機器を設置し村人が共用できるインターネット拠点を構成する。構成を下図に示す。

インターネット

Internet

 
 

 

 

 

PC

 

Printer

 

PC

 
 

 


(2) PCは複数の利用者が独立に使えるマルチユーザ(Multi user)システムであること。

 (3) 利用者は異なるアドレスで独立のメールができること。

 

[2] 資源共用システムサーバ

 (1) インターネット上にサーバを設け以下の機能を提供すること。

 (2) 縦軸に資源、横軸に日時を表す二次元の表を設け、インターネットを通じて一般の利用者が読み出すことができること。

 (3) 資源としては各種農業機械、家屋、店舗、農地、山林その他を入力できること。

 (4) 上記資源の持ち主、連絡先、場所、写真等の関連情報を表示できること

(Hyperlink)

  (5) 上記表の各欄には当該資源の当該日時における状況、例えば空き、予約済み、修理中などの情報を表示する事。

 (6) 上記表に資源の貸し手が項目を追加、削除、状態情報の入力を行う機能を提供する事。

 (7) 上記表に資源の借り手が予約申し込みを行う機能を提供する事。

 (8) 資源の貸し手と借り手を予め登録する会員登録機能と上記資源予約表の項目追加と予約に関しては上記会員に限定する機能を有する事。

                 

3.      情報センターの活用法

Ø       村人が共用することにより非常に安価にインターネットを使用できる。

Ø       Multi-userシステムにより一台のPCを複数の利用者が独立に使用できる。

Ø       例えば文書の保管や、電子メールを利用者ごとに独立に実行できる。

Ø       村の行事記録、予定、議会の議事録その他の公共情報を共用できる。

Ø       インターネット上にホームページを開いて世界に情報発信が可能である。

Ø       共同購入のための商品予約などにより店が無くなった村に共同運営の店を設けることができる。

Ø       資源共用システムの利用を通じて村を活性化できる。

 

4. 資源共用システムの活用法

[1] 農業機械の共用システム

> 機械の貸し手、借り手及び作業者が農業共同事業体を作る。

> 事業体は前記資源共用システムを運営する。

>  借り手は資源の設置場所と作業場所と広さなどを考慮して最寄の機械を予約する。

>  予約当日の早朝貸し手もしくは事業体の職員が貸し手の機械を借り手の田畑に持って来る。

>  機械の運転は借り手、事業体の職員もしくは貸し手が行う。

    >  標準的な費用は田植え、稲刈が一反につき[2]万円とする。その内機械の貸し手の取り分は[1]万円、作業者の取り分は[1]万円とする。

 

[2] 空家等の保守および活用システム

  >  資源共用事業体は前記資源共用システムを運営する。

  >  遠隔地に居住する空家の持ち主に対して定期的な点検、草取り、状況報告等の業務を提供する。

  >  持ち主が希望すれば宿泊施設としての賃貸業務を提供する。

  >  標準的な費用として週一回の保守点検にたいして費用は月5,000円、宿泊書としての費用は月30,000円とする。宿泊施設して貸し出す場合は事業体に15,000円、持ち主に15,000円の収入があることになる。

  >  宿泊所として貸し出す場合は借り手は寝具、自炊道具、洗濯機、TV等の電気部品及び電気、水道料金は自弁とする。

 

[3]  駅前シャッター通りの空き店舗、休耕地などの共同利用システム

>  共用事業体は資源の貸し手と借り手から成る共用システムを運営する。

>  複数の借り手が共同で資源を賃借する事業を提供する。

>  例えば駅前の一軒の店を持ち主から借りて複数の借り手に貸し出す。

>  店番を行うサービスを提供することもできる。

>  休耕地を借りて分割し複数の借り手に貸し出す。

>  共用事業体は貸し手、借り手が共同で設立しても良いし、あるいは地元の企業家が独立に設立、運用しても良い。

 

5 提案システムの効果

上述のシステムによって田舎と都会を有機的に結び、人が田舎に安価に滞在し、現地の資源を有効に活用することが可能となる。過疎高齢化の進展する田舎で不足しているのは人である。他方都会には非正規雇用で不安定な仕事と低収入及び先の展望が開けない若年労働者が大量に存在する。現在自給率20%の木材、40%の食料、殆ど0%のエネルギーを自給すればそれだけで数十兆円の新産業の創造につながり、世界経済と環境保護に対する大きな寄与を行うことができる。

上のシステムは連携と共用のための人間網であり故郷の再生と発展に広く応用することができる。例えば全国どこからも発信できる直接衛星放送網の共同利用、全国の地域密着営業SOHOと技術及び生産SOHOが協働して事業を行うSOHO連合にも同じ原理が応用可能である。

こうして前述の目的、即ち、 一人暮らしの老人でも安心して暮らすことができ、外来者が安価に長期滞在することができ、人が全国どこでも学び、生涯現役で働ける二十一世紀型産業の現場としての故郷の再生と発展に寄与する情報通信網を提供することができる。

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