差出人: OsI [osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp]

送信日時: 2012318日曜日 1:14

宛先:

件名: 災転じて福となさむ

 

森さん

 

貴重な情報をありがとうございました。

 

ご指摘の通り毎年自殺者が3万人を越える事態が10年以上続く状態は異常ですね。目には見えにくいので気がつきませんが、戦争や大地震にも匹敵する大災害です。単純に確率計算すると年間自殺率0.03%ですが80年間には2.4%,即ち人が自殺で人生を終わる確率は40人に一人になります。決してひと事ではありません。

 

財政赤字

膨大な財政赤字は誰の責任でもなく政府の補助金を求めてきた国民全体の責任です。戦争とは違ってその使途は総じて建設的なものであったと思います。今や日本全国の道路は舗装され高速道路網が張りめぐされています。電話に止まらずインターネット、移動通信網、ディジタル放送網が全国をほぼ覆っています。それでもカバーできない所は衛星通信網で情報サービスを提供する事ができます。昔より比率は縮小したとは言え、鉄道や船もまだ重要な交通網の一翼を担っています。誠に便利な世界に私たちは生きています。これらの成果はかなりの部分が財政赤字の代償として実現したものではないでしょうか。

 

円の暴落はあるか

財政赤字はもう限界に来ているのは間違いありません。借金生活はどこかで終わらせる必要があります。国が国債の償還の限界に至れば国債の価格が暴落して国債による財源調達は困難になります。その時は最早従来のやり方を続ける事は不可能になり明治維新に相当するような根本的な社会の改革が必要になるでしょう。国債の暴落により金利が上昇して資金の調達が困難に成るでしょう。そのため生産活動が停滞して物不足になればインフレが進行するでしょう。インフレになれば借金は相対的に縮小しますが同時にお金で所有している国民の財産も縮小してしまいます。海外通貨に対して円の価値が下がれば輸出がし易くなりますので一昔まえの日本や今の中国、韓国と同じく輸出大国に戻る可能性があります。インフレは需要が供給を上回る事なので国内生産が拡大すれば鎮静化します。問題は高金利環境で如何にして生産を拡大するかですが、単純に考えれば無借金経営が有効になるでしょう。そのため企業の形態も大企業から中小または個人企業の連携体へ、株式会社から企業組合へ等の変化が起きるかもしれません。以上の考察から分かるのは産業において本質的なのは価値の生産力であり、その源泉は学問、技術、企業家精神です。要は人間の創造力ですね。日本人が創造的である限り、日本の未来には何ら心配は無いと考えます。

 

人間が創造性を失う時

何が起こるかは帝国主義の時代を振り返ると分かります。帝国主義は要するに他国のものを盗む事であり、ゼロサムの世界であり、言葉ではなく暴力が物を言う世界です。それは起源から見ると国家の本質であり、民主主義によりかなり解消されては来ましたが長い歴史の残滓はそう簡単には無くなりません。サル山のサルでもボスの交代がありますがそれは人間の目を通して見るからそうなのであって実態は違うと思います。ボス猿は群れが襲われると自分が体を張って戦うのに人間のボスは自分は安全な所にいて前線の兵隊を危険なところに追いやっています。先の敗戦になっても大半の指導者は見事に責任を回避してうまく世渡りをして出世した人が結構多いですね。コチコチの軍国主義者が一夜にして民主主義者に変身する様は見事なものでした。全国の学校がその典型的な例で昨日まで鬼畜米英を唱えていた先生が戦争が終わると手の平を返すように米英は民主国の模範だと教えるようになりました。戦後最初の授業で生徒は教科書の軍国主義的な部分の墨塗りが最初の作業でした。この豹変ぶりは感受性の高い生徒に深遠な影響を与えました。私たちより10ばかり年上の世代にはそのため人間不信に陥った人も多くいました。もしかしたら過去10年間自殺が多いのはそのためかもしれません。

 

創造力とは問題に取り組む力

出世主義者の多くは有能ですが問題の立て方に問題があると思います。即ち問題の立て方が利己的な目的に向いているのではないでしょうか。我も含めた世のために問題を立てれば人は創造的になり世のため、人のために大きな仕事ができると思います。

 

日本の課題

[1]脱原発を実証しよう

国内の森林、農業資源を活用すれば日本は食糧も燃料も必ず自給できます。それだけで貿易赤字は解消して大幅な黒字になります。なぜなら日本ほど自然に恵まれた国は世界のどこにも無いからです。

 

[2]核兵器の不要さを実証しよう。

何のために軍事力がいるかと言えば国家が主で国民が従という国家の本質が変わっていないからです。この国家の桎梏を打ち破る有効な手段は外国との直接民際交流です。観光旅行をもっと活用して民際直接交流を進めましょう。国際交流が如何に有意義かは今年ロンドンで行われるオリンピックが良い例です。私たちが讃えるのはメダルを獲得した個人であってその人の国ではありません。本質的なのは人間であって国は便宜的なものです。

 

[3]渡る世間に鬼は無し

すなわち他人を支配し、搾取しようとする人間の存在を許さない社会を構築しましょう。そのためには目的を同じくする民がそのための組織を作る事が必要です。それはインターネットに代表されるMass Immedia通信網と航空網に代表される広域、高速交通網が高度に発達した現在は容易になっています。したがって問われているのは今の世に生きる私たち二十一世紀人の気概ではないでしょうか。

 

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      市吉 修                                Osamu Ichiyoshi                        

二十一世紀を楽しく生きよう会  Human Network for Better 21 Century  

 http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/

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-----Original Message-----

From: Etsuro Mori [mailto:etsuromori@jcom.home.ne.jp]

Sent: Monday, March 12, 2012 1:41 AM

Subject: RE: 東京大空襲と東日本大震災

 

市吉さん

 

東日本大震災で亡くなった方、不明者を含め約2万人ですが、日本の自殺者は毎年3

人を超えています。この方々は日本社会で生きてゆく自信を失われた方々が大部分で

しょう。この方々にベトナム、バングラ、ミャンマーに移住してもらい日本の生保護

費を送金すれば健康でまずまずの生活ができるはずです。日本お生活費はたかすきま

す。そこで農業や果樹生産をやれば日本の食料安保にもつながる話です。

 

東京大空襲を経験した方々も段々少なくなってきています。

当時4歳だった野口悠紀雄さん(早稲田大学院教授)も運よく生き延びた一人です。

http://d.hatena.ne.jp/kawanomiti/20041111

 

今一番の懸念は財政赤字です。英国政府やEU諸国は財政赤字の削減に腐心しています

が日本と米国は年々大幅な赤字を累積しています。最終的には日銀法の改訂により国

債の直接買い取りということになるのかもしれませんが、これに海外のヘッジファン

ドが介入してくると円は暴落すると言われています。1997年のタイ、マレーシア、歓

国、ロシアはヘッジファンドにより通貨安となりました。つまりインフレです。

終戦後の時期と違い、日本には生産設備に余裕があり戦争直後のインフレはないで

しょう。でもインフレを懸念する人が多数円を外貨に換えるでしょう。

きっかけは各付け会社の発表でそうです。ただ日本経済は大きい(外貨準備も200

円)のでヘッジファンドとして簡単にはいかないといわれています。

 

森 悦郎