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送信日時: 平成 20811日月曜日 1:03

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件名: 二十一世紀企業研究会

 

配信無用の方はお手数ですが返信願います。本MLは会員の紹介により加入する会員の自主研究会です。返信または全員へ返信により意見交換をお願いします。

二十一世紀企業研究会とは「人が全国どこでも学び、生涯現役で働ける企業」を提案し研究する会です。研究しながら二十一世紀企業を始めましょう。

 

オリンピックの入場行進を見ると

日本の26倍の国土と13億人の人口を擁する開催国の中国から人口3万人そこそこのリヒテンシュタインや太平洋の島々から成るミクロネシア連邦まで、軍事費が世界の半分を占める軍事超大国の米国から軍備は持つが永世中立のスイス、軍備を禁ずる憲法(1949)を持つ平和国家のコスタリカまで世界には実に様々な国がある事が分かります。

 

国家と戦争

毎年8月には前の戦争の惨禍が悪夢の様に蘇ります。歴史書を紐解くと歴史の始まりから国家と戦争は切り離せないものであった事が分かります。私は学校で初めて歴史を習った時に世界の何処でも歴史の始まりから国家には国王、僧侶、貴族、戦士、平民、奴隷などの階級の別があるのが不思議でたまりませんでした。今はこう考えています。そもそも文字の発明は国家の発生と密接な関係があると思います。大声で叫べば声が届く範囲の村ならば生活に文字は要りませんが、交易の範囲が村を越えて広がると算数や文字が必要になり、村を遥かに越える国の発生に到ると上からの命令、下からの報告、徴税、徴兵のために記録や経理を専門とする書記が職業として確立しました。中国では古くから歴史担当の史官なる官職もありました。有名な歴史書「史記」の著者の司馬遷はその代表例です。

国家が記録する歴史は支配者の支配を正当化するのは当然の理で、古代国家の多くは国王は神の子孫であるから国民を支配する権利があるのだという論理が立てられました。中国においては天子は天命を受けて天下を統治するのだという天の思想が非常に古い時代に確立しました。日本の国家形成もユーラシア大陸の歴史と深く関連して起こったのは確かだと思います。邪馬台国の卑弥呼は巫女であり政治と宗教は不可分でした。今でも政治を「まつりごと」と言いますが、日本における国家の成立過程は大和朝廷による「まつろわぬ」原住民の征服でした。それは古事記においては日本武尊の物語として、確実な歴史段階では坂上田村麻呂による奥羽の蝦夷の征服として生き生きと記述されています。近代に至ってもなお西欧の絶対主義時代においては王権神授説が国王の権力の根拠とされました。それを打ち砕いたのはアメリカ合衆国の独立であり、ここで始めて国王も貴族もいない近代国家が誕生しました。そのモデルは階級分裂以前の狩猟農耕段階にあった北米原住民社会と東部の五部族連合であり、理論的にはそこから国家成立以前の「自然状態の社会」なるヒントを得たJ.J.ルソーによって確立された社会契約論やT.ペインの啓蒙書Common senseの社会思想でした。数千年の時を経て歴史は図らずも原始社会との巡り会いによって民主制を回復したわけです。

原始民主制の存在は前述の北米原住民社会や古代ギリシア、ローマ、我が国の古事記に証拠があります。古事記に記された高天原伝説では最も尊いとされる天照大神ですら弟のスサノオの乱暴を止める事のできない弱い存在であり、天岩戸に隠れて世界が闇になるという大事件の結果、高天原の八百万の神の協議によってスサノオは下界に追放になりました。ここに記されているのはまさに原始民主制の姿です。

 

歴史の真実を見つめよう

昨日横浜で開かれた中国帰還者連盟の証言集会に参加しました。これは中国で戦争中に残虐行為を行った元日本兵の証言を聞く会です。なぜ自己の過去の過ちを語り、聞き、記録するかと言えば、それは歴史の真実を明らかにするためです。

来る9/13(土) 12:30より東京大学弥生講堂(本郷)において『撫順、加害と再生の地から現代と未来を考えるシンポジウム』が開催されますので関心のある方は参加願います。

私は金田茉莉著「大東亜戦争と戦争孤児」という本を読んでから著者と連絡を取り、東京大空襲によって戦争孤児となった人達が国に対して起こしている賠償訴訟運動に微々たるものですが応援をしています。戦後の日本の独立と共に旧軍人は恩給要求運動を強力に推進しました。その結果恩給法が改訂されて旧軍人や準軍人には階級と年限に応じた恩給が支給されるようになりました。また戦死した旧軍人や準軍人は靖国神社に祭られ、遺族には年金が支払われていますが、最もか弱い戦争孤児には国家としての救済は殆ど何も行われませんでした。終戦の混乱の内に満州に放棄された国策満蒙開拓団の開拓民や遺児についても同様に日本国は日中国交回復までの30年間救済の為の努力は殆ど何もしなかったのではないでしょうか。ここには力の強い者が自己の利益の為に国を利用し、力の弱いものは無視されるという国家の本質がよく現れています。靖国神社へのA級戦犯の合祀は中国、韓国その他のアジア諸国との不断の外交紛争の種ですが、実はそれは東条英機自身が首相として出した「戦地で戦死したもの以外は靖国神社に祭ってはならない」という布告にも真っ向から違反しています。

前述の戦争加害者も被害者も今や「後期」高齢者になり、生の証言が聞ける時間は限られています。来る9/13(土)の午後に台東区民会館(浅草)において「孤児が伝える東京大空襲」大会が開催されます。ご興味があれば参加願います。

 

国家を国民の手に取り戻そう

情報通信網と交通物流網が高度に発達した現在日本どころか世界全体が一つの村に収縮してしまいました。インターネットと直接衛星放送を結合した直接衛星LANを用いれば全国何処からでも発した一人の発言を全国到るところで万人が聞く事ができます。即ち全国国民会議を容易に行うことができます。これによって国民が政治にもっと積極的に関与し、やがては直接民主制に移行していくのは自然な歴史の流れだと思います。間接民主制の下ではまだ国家は強者が弱者を支配するための機構であり内においては国の支配権をめぐり、外に対しては国益をめぐり争いが絶えず国家と戦争は依然として切り離せません。直接民主制の下で初めて国民は主権者としての権利と責任を完全に担うことができます。古代日本における倭の大乱においては現在の市町村程度の地域が、戦国時代においては県程度の地域が「国」としてお互いに争い無数の戦闘が行われた事は現在では想像も困難です。同様に各国において直接民主制が確立すれば国際間の直接民際交流が進んで現在に至るまで無数に繰り返されている国家権力を巡る地域紛争や国家間の戦争は想像も困難になる時代が来ると思います。直接民主制の基盤は全国国民会議が可能な直接衛星LANであり、今なお世界各地で繰り返される悲惨な紛争の早期終焉のためにも直接衛星LANの早期実現が必要であると考えています。

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*  市吉 修   

*  二十一世紀を楽しく生きよう会

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