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送信日時: 平成 20年12月21日日曜日 2:16
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件名: 二十一世紀企業研究会
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今回の世界的大不況の原因
米国の20年近いバブルがはじけた事が原因だと思います。米国は双子の赤字と言われる貿易赤字と財政赤字の他に家計も赤字です。聞く所によると家計の赤字は返済に80年かかると言われています。国際経済の中で米国が収入を越えた生活を借金しながら続け、日本、中国、韓国などは米国への輸出に依存して経済成長を続け、外貨預金や米国債の購入、為替相場への介入等によって米国にお金を貸して米国の消費を持続させていたのではないかと思います。それは米国に対する過度の信頼があったからでしょう。米国の株価や住宅が右肩上がりの上昇を続ける間はそれで一見経済は成長しているように見えますがバブルは早晩はじけるのが当然です。日本は20年前にバブルがはじけたので今回は影響が少ないと言われていましたが予想よりも深刻な不況に入りつつあるのは米国市場に対する輸出依存が如何に大きかったかを示していると思います。逆に言えば国内市場の発達が余りにもなおざりにされたと言えると思います。
不況の克服
単純化して考えると米国は大消費国で日本や中国は大生産国を目指していたのではないかと思います。日本の家計の金融資産は一千兆円を越えていますが、逆に政府の財政赤字は800兆円となっています。国民は働くばかりで消費を抑え、政府は税収以上の事業を行って膨大な財政赤字を累積させて来ました。しかし政府の財政赤字もつまる所は国民が求めたものです。日本人は政府が打ち出の小槌を持っているものと勘違いしているのではないでしょうか。政府のお金とはつまる所国民の払う税金です。税金は経済活動の結果として生じるものであり、決して原因とはなりえません。経済活動の原動力は他ならぬ消費です。今日の高度な生産力は売れるものなら何でも忽ち量産化して一大産業が短期間に生まれます。不況で先行きが不安だからといって過度に消費を抑制すれば生産が落ちて不況はますます深刻になってしまいます。即ちデフレスパイラル、分かり易く言えば不況の悪循環です。従って不況の克服のためには必要な消費をためらうなという事が大事だと思います。行政政策としては所謂財政出動により需要を創出して生産を促す事です。
財政出動だけでは永続性無し
我が国の800兆円という目の眩むような財政赤字は政府による需要創造の限界を示しています。それは経済の土素人にも分かる事です。財政出動によって政府が放出するお金が全部消費されても政府に戻ってくるお金はその小さな部分です。この循環路における増幅率は1よりも遥かに小さくその効果は急速に0に向けて収束してしまいます。ケインズの乗数効果が現れて経済が成長するためにはその過程で投入の何倍もの結果を生じる価値の創造過程が必要不可欠です。すなわち生産面から言えば、今必要とされるものを開発して市場に出すという事です。過去には蒸気機関、汽車、汽船、鉄道、内燃機関、自動車、飛行機、電信、電話、無線通信、化学工業等の工学的なものの他に旅行者小切手、火災保険、生命保険、健康保険、年金などの金融的なものなど無数の実例があります。不況は過去のバブル、すなわち行き詰った経済体制が崩壊して正常な姿に戻る過程と捉える事ができると思います。従ってその克服の為には新たな産業の創造が必要不可欠です。
産業創造の源
それは時代の最高の知識、技術、資本だと思います。この三者を結合する方法として18世紀の産業革命以来株式会社が主流となっています。今日の情報化時代には株式会社以外の方法、NPO, 事業共同組合、企業共同組合の他にも任意団体によるSOHO連携など多種多様な方法が可能だと思います。
不況の生き方
上述の事から不況の克服には知識と技術の活用が本質的です。というのは世の中に資金は有り余っているからです。我々が一旦稼いだお金は銀行を通じて世の中を回っています。箪笥預金は流通こそしませんが箪笥の中に現存しています。即ち自然界におけるエントロピーの増大の法則にも似てお金は増えこそすれ減る事はありません。ある意味ではお金は常に使われる時を待っており、有意義な使い方が現れれば喜んで活用されるものです。有意義な使い方とは今日の問題を解決する新たな製品や仕組みによってより幸せな人間社会を構築する事でしょう。従って人が不況時にやるべき事は学問とその新たな応用、問題の発見と解決法の探求、事業家精神の発揮では無いでしょうか。
新たな産業の構想
目指すべき新たな産業社会の構想を確立する事が重要であると考えます。詳細は次回以降に提案します。皆様のお考えもお聞かせ下さい。
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* 市吉 修
* 二十一世紀を楽しく生きよう会
* URL; http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/
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