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件名: 持続可能な社会保障制度
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社会保障制度の持続可能性について
政府は年金支給開始年齢を段階的に引き上げ最終的には70歳とすることを検討しているようです。また今日の東京新聞の書評で加藤久和著「世代間格差」(ちくま新書)の書評がありました。
損得に固執する事の限界
政府が単純に年金の支給年齢を引き上げたり、世代間格差を問題にして年金を納付しない若者が増えるのは世人が損得勘定に固執しているからではないでしょうか。前回も論じたように損得は全体ではゼロになりますので損得勘定ばかりでは人間社会は発展しません。有限な資源の奪い合いで勝組、負組から成る不公平な社会になってしまいます。
問題の認識と解決は創造的活動
企業間の連携ではよくWin-Winの関係が強調されますがこれは社会全体にもあてはまると思います。文明の発祥は職業の分化にはじまりました。原始時代の自然採集経済は殆ど完全な自給自足経済でしたがそれでも石器の分布から分かるのは交換経済も重要な位置を占めていたことです。農業の始まりと共に職業の分化はいっそう進みました。耕作する事と耕作のための器具を作る事はすなわち農業と工業の分化です。その分化が生じたのはWin-Winの関係の創造に他なりません。職業の分化と平行して生じたのは最終的には国家に行き着いた人間の支配関係です。ここでは基本は損得関係であり自己主張がぶつかり最終的には力で物事が決まります。職業の分化はWin-Win関係で支配関係の分化はZero Sum関係です。数千年の歴史を経て近代に至り民主制度が復活しましたがまだまだ世の中、特に政治は損得勘定、自己主張がぶつかりあうZero sumの状態にあると思います。
私案
[1]年金の支給開始年齢は60歳を保持
従来の会社の仕事のやり方では経営者に昇進する少数者を除く大多数の高齢者は会社の中ではまともな仕事はできません。60歳ですぱっと定年退職して後は若者にゆずるのが良いと思います。
[2]年金支給額は持続可能な額にする
これは自明の事ではないでしょうか。おそらくかなりの給付減となるでしょうが生活可能な水準は確保できるはずです。
[3]新たな生活様式の創造が必要
(1) 年金生活者も働く。
- まだ保育所不足が叫ばれていますがこれはいくら行政に訴えても解決しません。
以前宅幼老所のTV番組を見ました。共働きの家庭の低学年の幼児が学校から宅幼老所に
帰り親が迎えに来るまで老人と共に過ごしていました。老幼共に楽しそうでした。
- 保育所もWork sharingで現役世代と年金世代が交代で働くのは人手不足の解消に役立ちま
す。
(2)年金退職者が新たな産業を創造する
- STF (Scientist and Technologist Forum)のことは何回か紹介しました。会員の能力と経歴を
見れば新たな事業を起こすのは可能だと思います。
- そんなに多くは無いにしても最低限の生活保障のある年金生活者の有する自由と長年培
った能力を活かせば現役人にはできない新事業の創造も可能ではないでしょうか。
(3) 国は基礎自治体(市町村)を主とする直接民主制
間接民主制の限界は至るところに出ています。財政赤字の無い国は珍しいくらいです。間接
民主制はまだ前述のZero Sumであるからでしょう。直接民主制についてはこれまで何回も
しゃべって家内にあきあきされていますので詳細は割愛します。
(4) 国際直接民間交流
- 国にまかせておいては国際問題は解決困難です。なぜなら上述のごとく国家とはZero
sum構造の政体だからです。日本は固有の領土、ロシアは第二次世界大戦で解決ずみと
いう主張を繰り返すだけでは北方領土問題は解決しません。北朝鮮の拉致問題、パレス
チナ和平問題、アフガニスタンの戦闘も同様。
北朝鮮とはこの前サッカーの試合がありました。スポーツを通じて国を開くのはどうでしょう
か。中国の封じ込めが解ける当初は卓球が大いに開国に役立ちました。Pin-pongと
Pandaが外交に役立ちました。
- 民間交流はWin-Win関係の構築が可能。早い話が国際貿易の成長に現れています。文
化的交流は貿易以上にWin-Win、双方共に得となると思います。現に学問の世界ではそ
うなっています。何よりこの文を書いている文字が千年前の先祖の国際文化交流の賜物
です。鎖国がいかに社会の進歩を遅らせるかは歴史的に明らかです。
国際交流は何より楽しいです来年のオリンピックとパラリンピックが待ちきれないくらいで
す。
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市吉 修
Osamu
Ichiyoshi
二十一世紀を楽しく生きよう会 Human Network for Better 21 Century http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/
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