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送信日時: 平成 2114日日曜日 20:36

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件名: 二十一世紀企業研究会

 

配信無用の方はお手数ですが返信願います。本MLは会員の紹介により加入する会員の自主研究会です。返信または全員へ返信により意見交換をお願いします。

二十一世紀企業研究会とは「人が全国どこでも学び、生涯現役で働ける企業」を提案し研究する会です。研究しながら二十一世紀企業を始めましょう。

 

今日の主要な問題

 

(1) 貧困と格差

つい20年前には日本は一億総中流と言われる平等性の高い世界一豊かな国でした。日本への出稼ぎ外国人が多数流入し週末には公園に外国人、特にイラン人が集まり騒ぐので近隣住民から苦情が出ていたくらいです。ところが今や日本は世界でも米国に次ぐ貧困率の高い格差社会になってしまいました。不安定な非正規雇用で年収200万円以下では生存がやっとで将来の展望が全く開けません。

 

(2) 社会不安と国際紛争

昨年は各地の路上で生じた無差別殺人が日本全国に衝撃を与えました。それ程は目立ちませんが毎年3万人以上の人が自殺している現状は極めて深刻な社会不安を表しています。

目を世界に転ずればイスラエルとパレスチナ、イラク、アフガニスタン、スリランカ、ジョージア、ダルフール、スーダン、コンゴなど各地で地域紛争が絶えず、多数の難民を生じ、住民の生命と財産、生活が破壊されています。

 

二十一世紀社会のあり得る姿

上の問題を解決できる世界とはどんなものでしょうか。

 

[1] 民主主義政治の確立

上の問題の根源には国家があると思います。数千年前の文明の始まりと共に発生した国家が人間社会の基盤である事は日本の戦国時代や現在のソマリアのような無政府状態の混乱と悲惨が明瞭に示しています。同時に我が国の江戸時代や現在の北朝鮮のように一見平安でも内部の矛盾や人権の強権的抑圧による大不幸状態もあります。また自由と民主主義を標榜する米国ですら、金の力による報道機関の独占と政府による虚偽の情報とそれを無批判に垂れ流すマスコミによって誤った世論が形成されアフガニスタンばかりでなくイラクにも戦争が拡大されました。日本は法的には民主国ですが、実際には国民が参加できない公聴会(Town meeting, 北海道は札幌、九州は福岡、福岡で開催される公聴会には宮崎、鹿児島、沖縄からは実際上参加不可能。) や大企業の経営者ばかり集めた経済諮問会議、大学教授ばかり集めた教育懇談会など特定の集団の意見が国民の声として時の政府に諮問され、政策として実行されています。今日社会問題となっている非正規雇用も世界的大競争の名の下に人件費を抑制したい経営者の意見に「働き方が変化して来ている」という御用学者の意見を加えた答申が実行された結果です。経済諮問会議の中に労働者の代表が入っておったならば全く異なる答申が出され今日の非正規雇用の悲惨な状況は無かったのではないかと思います。

世界の紛争は権力構造という国家の本質がモロに現れています。国家の支配権を握れば反対意見を抑圧して自分に都合の良い国を作る事ができるという権力主義の闘争です。国民は飢え死にしていてもなお政権が続いている北朝鮮、ウガンダ、ミャンマー等を見ると国家権力の構造の強さに驚きます。昨年のミャンマーの台風被害の対処を見れば権力者にとって大事なのは国民ではなく国家である事がよく分かります。

以上のように国家は社会の基盤であると同時に国民の不幸の元凶でもありえます。従って取るべき道は国家を国民が確り把握する事、即ち民主主義の確立だと思います。その方法として世界に向けた発信が容易なインターネットとそれに相当する完全直接衛星放送及び両者を結合した直接衛星LANの早期事業化を提案します。

 

[2] 民主主義経済の発展

民主主義経済とは聞き慣れない言葉ですが、その対立概念は資本主義経済です。主義とは主体とか最重要なものという意味です。今日の貧困を生んでいる非正規雇用は人件費の抑圧を目指す資本主義経営の本質に基づいています。資本主義経営においては人間は単なる労働力であり、売り上げの予想が立たなく成れば削減しなくては経営が成り立ちません。そこで容赦なく首切りが行われます。これに対して民主主義経済とは人間の立場から見た経済です。人は生まれてから成人するまでは親を始めとする社会によって養育、教育され成人してからは労働によって自らの生活と子供及び年金世代の生活を支えます。各人は労働の義務と権利があり社会は各人に教育と働く場を提供する義務があります。

株式会社は典型的な資本主義生産の組織ですが、公営事業、共同組合やNPOは民主主義生産の組織です。現在のところ世の中は圧倒的に資本主義経済ですが非正規雇用の失業としてその限界が社会問題となっている今、今後は民主主義経済の発展が重要になると思います。私は最も簡易的な民主的生産組織としてはSOHO連携を法人格のある民主的生産組織として分散型企業組合を提案しています。その詳細については二十一世紀企業研究会のHPをご覧下さい。

 

[3] 学問立世、汎人間網、到所人生、安心立命

これは拙著「ガクモンのススメ}の冒頭に掲げた漢詩の結論の部です。今の世の中の問題の根は学校教育にあると感じています。世の中は文明の始まりと共に生じた異なる職業の人が相互に補完するという水平分業と国家の発生段階に生じた階級分裂という垂直分業から成り立って居ると見る事ができます。垂直構造はピラミッド型で上に行く程狭く、競争が激しくなります。幼稚園の段階から「お受験」に始まり、大学入学試験、オリンピック競技、企業間の国際的大競争、企業内の出世競争と人は競争意識ばかり植え付けられますが、これが諸悪の根源だと思います。その反作用で競争を排除しようと学校の試験を止めたり、高校駅伝で一区に外国人留学生の出場を禁止したり、相撲部屋当たりの外国人の入門を一人に制限するのは行き過ぎだと思います。私達は会社勤務時代には世界市場を舞台に世界の一流企業と競争しましたが、技術者同志では敵対心よりも同志としての親愛感を抱きました。世界の最高のものに触れてそれに負けないよう努力する事は生き残りの為には必要不可欠です。狭い市場を争うのではなくて、共に広い新たな市場を開拓する仲間のような感じを抱いていました。運動会やオリンピックが楽しいのもそこにあります。最近ではオリンピックは出るからには勝たなきゃ意味が無い式の考えが幅を利かせていますが、それは選手が自身を鼓舞するには正しいにしても本質的にオリンピックは出る事に意義があると思います。競争の本質は他人を蹴落とす事ではなく切磋琢磨、即ち各人が他人と競いながら自分自身を鍛える所にあります。以上を確り教える事が学校教育に最も大事な事だと思います。受験教育のために世界史や職業家庭科を教えず、運動会や学芸会もしないなどというのは学校教育の本来の目的に外れる事だと思います。

学校教育にも増して重要なのは学校を出てからの生涯に亘る学問です。18歳人口の減少に伴って大学は社会人に門戸を広げています。放送大学は在宅学習と各地の拠点における授業によって生涯学問の場を提供しています。私はインターネットを通じて社会人が相互研鑽を行う自主問学会を提唱しています。働きながら学ぶ事、そのための自主問学会とは誰でも参加可能な人間網に他なりません。

如何なる問題にも解があるというのが学問の基本的思想であると思います。千年以上も多くの数学者が求めた代数方程式の一般解の公式は5次方程式以上には存在しないという事をガロアとアーベルが証明しましたが、実はそれこそ極めて重要な解でありそこから群論や抽象代数学など全く新たな数学の広大な分野が開けて来ました。封建的な社会が完全に行き詰ってからフランス革命、明治維新などを経て全く新たな世界が開けました。その時の指針となったのはJ.J.ルソーの社会契約論でした。帝国主義の結末は二度の世界大戦という悲惨な結果を生じましたが、そこから戦後の新たな世界が生じました。その時指導原理となったのはケインズの経済学だったと思います。即ち、植民地など無くても経済成長はできるという事でそれを最も端的に実証したのは日本の高度成長だったと思います。ただしその生半可な理解から景気浮揚を目指す財政出動を繰り返した結果800兆円という巨額の財政赤字を累積しています。今日の閉塞状況からもまた新たな世界が生じると思いますが、その原動力は学問だと思います。あらゆる問題には解がある。問題は問題の立て方です。即ち、問う事を本質とする問学とその積み重ねの学問こそ社会の進歩の原動力です。

 

[4] 情報通信網と人間網

21世紀を特長付けるのは20世紀の終わりに本格化したインターネット、携帯移動通信、ディジタル放送の普及と活用が進み、地理的距離を越えた新たな人間網が無数に生じて教育、学問、産業、政治を変革してより民主的な社会が実現される事だと思います。詳細は二十一世紀を楽しく生きよう会のHPをご覧下さい。

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*  市吉 修   

*  二十一世紀を楽しく生きよう会

* URL; http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/

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