差出人: OsI [osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp]

送信日時: 20131014日月曜日 0:35

宛先: 'OsI'; 'Etsuro Mori'; '


件名: 本日のNHK Special;激動中国を見て


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NHK Special激動中国

本日のNHK Specialは現在の中国人が心の拠り所を求めて激動している姿でした。救いを宗教に求める人も多く、既にキリスト教徒が一億人もいるそうです。数日前の東京新聞で読みましたが米国に亡命したある人が進めているキリスト教の一派は赤い竜を倒して理想の中国を作る事をめざしているそうです。赤い竜とは中国共産党の事です。中国政府はその運動を邪宗と規定して弾圧しているそうです。数年前に中国政府激しく弾圧した法輪講を思い出します。これに対して政府が支援しているのが儒教です。儒学の教え多くの人々に中国の伝統的価値観を呼び覚まし、利己主義的行動の結果空しい心に悩む多くの人に仁、即ち他人への愛、家族への孝、そして社会の支配者への忠の価値を教えて人々に救いの手を差し伸べています。儒学でも徹底すればやがて共産党一党独裁の矛盾に突き当たるのではないのかという気しますが。


日本人は中国人よりも迷っているのではなかろうか

上述のTV番組で出ていましたがある指導的人物が儒学運動を始めたきっかけは自動車に轢かれて倒れている幼女の傍を多勢の通行人が避けるようにして歩き去る姿が映されたTV報道を見た事だったそうです。結局その女の子は死亡したそうです。その画像を見た時、もう中国はおしまいだと思ったのですが、それがきっかけになって道徳回復運動が中国に勃興している姿に救われた思いがしました。

片や日本では毎年三万近い人が自殺し、首都圏の電車がしょっちゅう「人身事故」で運行を妨害されるのに何ら有効な対策が講じられているようには見えません。幼児虐待やstoker殺人事件も後を断ちません。児童相談所や警察に相談はしたけれど対応がまずくて手遅れになったという場合が多いですね。明らかにこれは深刻な社会問題ですが、そのような罪を犯す人々も、解決のための行動を起こさない私達も蜘蛛の網に捕らえられた虫のように逃れられない迷いの中にいると思います。宗教や儒学により道徳を復活させようとしている中国人よりも迷っているのは私達日本人ではないでしょうか。


人の救いは悩みぬく心にある

世界の三大宗教と言われる仏教、キリスト教、イスラム教を始めとする世の教えの真実は結局その創始者の悩みの深さにあると思います。それは科学上の発見や世界を発展させて来た発明と全く同様です。

王家に生まれて世の苦労を知らなかった王子シッダルタふとした事から生老病死の現実に出会って世の無常を知ってから日夜深い悩みに囚われました。その悩みの解決を求めて遂に身分も家族も捨てて一求道者に身を落とし、骨と皮になるまでの苦行をも厭わず道を求め続けた末にようやく一つの解決すなわち悟りに到達しました。釈迦無二の苦悩と教えは二千年の時を隔てた今も私にはありありと感じられます。

学問の探求もすべてそうです。未知の問題研究しょっちゅう出口のない迷路に入り込みます。先の見えない苦しさのあまり時にデータの捏造や剽窃が起きたりしますが、どんなに苦しくても真理、真実を求める所にしか道は開けません。


一つの鍵は世間にある

日本語では人を人間と呼び、その人間が生きる場を世間と呼びます。人は人間社会を離れては生きられないし、人ですらあり得ない事は百年前にインドで発見された狼に育てられた二人の人の子の例から明らかです。人は人と助け合って人になる。長い人類史を通じてこれは自明の事でした。人がいつから人間になったかといえば人が傷ついた仲間や老い衰えた親の世話をして死者を丁重に葬るようになった時だと思います。今日の考古学で知られている限りではそれはネアンデルタール人からです。人間とは人間共同体に生きる人の事です。原始共同体は国家の出現によって解体され、地域共同体は国家による支配が個人レベルまで浸透した近代、日本で言えば明治維新以降に解体され、現代人は寄るべき共同体を失っているのが今日の問題の根本原因だと思います。従ってその解決は逆に二十一世紀共同体の構築です。政府は私達から容赦なく税金を取りますがそれはとりもなおさず国民が回復すべき共同体は政治だという事です。住民が回復すべきは地域共同体であり、インターネット時代の今日回復すべきは普遍的学問共同体です。幸福な社会の実現の鍵は人が自発的に参加する国、地域、団体、企業、学問共同体の発展にあるのではないでしょうか。それによって人が全国何処でも学び働き、生涯幸福に生きる事が可能な社会が実現可能であると考えています。

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* 市吉 修   Osamu Ichiyoshi

* 二十一世紀を楽しく生きよう会

* Human Network for Better 21 Century

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