差出人: OsI [osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2016年7月31日日曜日 22:29
宛先: 
件名: 正気と狂気、人間性と知性

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相模原市障害者施設での大量殺人
三日前に起きた「津久井やまゆり園」の殺傷事件のニュースを聞いた時に19人死亡と聞いて驚きました。今朝の
NHK討論はこの事件について精神科医や障害者団体および学者などの関係者が話し合いをしました。犯人の
植松聖(さとし)容疑者(26)は事件後に神奈川県警津久井署に車で出頭しました。去る二月には国会の衆議院議長
宛の手紙を提出しており、既に今回の犯行計画が記されていたそうです。警察の取調べに対してもその手紙と同じ
内容を主張しているそうです。曰く、重度障害者は社会のために抹殺したほうが良い。この男は自分のやった事が
悪いとは思っていないようですね。

正気と狂気
犯人の植松聖は正気とは思えませんがナチスドイツにおいては障害者を国策として抹殺しました。曰く、穀つぶし
はつぶせ。日本ではどうだったのでしょうか。戦時中はうつ病などの精神疾患が少なかったと聞いた記憶があります
が、もしかしたら日本でも。司馬遼太郎が戦前、戦中を振り返って「集団発狂していたとしか思えない」と書いていま
したが人間の正気と狂気の違いはどこにあるのでしょうか。

Stalker被害
昼夜を問わずつきまとうStalker被害は時に殺人に到る場合があります。以前Stalkerの意識調査を読んだ事があり
ますがStalkers本人は何と自分は加害者ではなく被害者だと考えているのですね。曰く「こんなに愛しているのに
何故応えてくれないのか」
家族間のいさかいでも似たようなものがあるのではないでしょうか。

一人よがりと他人の人格の無視
が今回の犯行の原因でしょう。それはナチスの人種論に基づく障害者、ジプシー、ユダヤ人の大量抹殺等の狂気
に共通すると思います。この点では我々日本人も大和民族優秀論なるものをふりかざして戦争に到りましたので
反省すべき点が多々あると思います。皇紀2600年なる事業の一環として神武東征の出発地とされる宮崎に八紘台
という石の塔を作り八紘一宇すなわち日本を盟主として世界をまとめる等と宣言していました。しかし内心では日本
人は海外にたいして常に劣等感を抱いていました。それがあらかた消えたのは高度成長期に多くの日本人が海外
に出て日本の工業製品が世界中に好評を博しているのを見た1970年代だと思います。

人間の知性とは
自己を自己とは離れた位置に置く事ができる事ではないでしょうか。化学者のケキュレは夢の中でベンゼン分子を
てその環構造を発見したそうですが、人は小は素粒子から大は宇宙の彼方まで何処にでも自己を置いて考える
事ができる事ができます。医学者は人体の中をありありと想像する事ができ装置設計をする技術者は機械の中を
自分の手の平のように把握しています。人間の脳は爬虫類、哺乳類、人類の三層構造から成るといわれます。それ
ぞれ体の生存、感情と記憶、思考と意志決定を司るとされますが、私はその人類脳の特長は仮想化、即ち想像力だ
と思います。自己を自己とは異なる位置に置く事ができる事が人間の知性の特長だと思います。それを人は魂と呼
んできたのではないでしょうか。

知性とは
異なる位置に
身を置きて
あまねくものを
きわめる事なり

人間性とは
人の立場に
身を置きて
我が事の如
思う事なり
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* 市吉 修 Osamu Ichiyoshi
* 二十一世紀を楽しく生きよう会
* Human Network for Better 21 Century
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