差出人: OsI [osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp]
送信日時: 201482日土曜日 23:18
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 7.31【緊急上映会&報告】

 映画『デイビッド&カマル』上映&トーク「ガザ地区の今」

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 日時:731日(木)18:3021:00 (18:15開場)

 会場:JICA地球ひろば 国際会議場(2F)

 

家内と二人でこの映画を見に行きました。アメリカから来たDavidとエルサレムのアラブ人の子Camalを主人公とする映画です。たった二日間の出来事ですが、アメリカの家族問題、エルサレムのイスラエル統治問題、貧困、偏見など色々な問題が浮き彫りになりしかも二人の少年の交流に希望を感じる事ができました。

 

子供に希望を感じられるのはまだ偏見に染まっていない素直な心が表れているからです。

イエス・キリストは「子供のごとくあれ」と説きましたが全く同感です。

 

パレスチナ問題は現地住民の意向は一顧だにせず大英帝国を中心に大国間で決まったイスラエルの建国(1948)と同時に現地住民を追放した事がそもそもの発端です。このために発生したパレスチナ難民は250万から300万人に上ると言われます。イスラエル人が自分もののような顔をして暮らしている土地は何千年来のパレスチナ人の土地なのです。

 

この事をイスラエル人が認識する事が問題解決の第一歩だと思います。

 

1967年の7日戦争でイスラエルはシナイ半島からシリアのゴラン高原まで占領しましたがこれは日本の真珠湾攻撃ばりの奇襲攻撃によって制空権を確保したのが主な勝因でした。これによってエルサレムを併合し、ガザとヨルダン河西岸、及びシリアのゴラン高原を占拠しました。この勝利がイスラエルをますます軍国主義にさせ、ガザとヨルダン河西岸にユダヤ人の入植地を拡大し続け、パレスチナ問題の解決を不可能にしてきました。

 

しょせん軍国主義というものは幻想です。1973年の第4次中東戦争ではイスラエルの絶対的優勢は崩れ、イスラエルはシナイ半島全体をエジプトに返還してやっと平和を回復しました。

 

あまり目立ちませんがイスラエルの軍国主義は技術面の強化とは裏腹に影響力が低下していると思います。これは超タカ派でならしたシャロン首相が2005イスラエルの右派とガザ入植者の強硬な反対を押し切ってガザから撤退した事にまず現れています。詳細は下記URLをご覧下さい。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%82%B6%E5%9C%B0%E5%8C%BA%E7%AD%89%E6%92%A4%E9%80%80

次に今回のハマスとの戦争でハマスのロケットがイスラエルの大半の土地に届くまで射程を延ばしている事に現れています。実はイスラエル人は今回のハマスの攻撃に初めて脅威を感じているのです。空港近くにハマスのロケットが着弾しただけで飛行場が半身不随の状態になりました。原子力発電所に当たればそれはユダヤ人問題の最終解決になるかも知れません。ハマスのロケットは今後も進歩するでしょう。人間の執念は大抵の目的は達成するまであきらめませんので。

 

歴史上帝国主義時代がとっくに過ぎている事は最後の覇権国米国が戦後やったことは全て失敗して来た事に現れています。ベトナム、イラク、アフガニスタン、そして一方的にイスラエルに肩入れして来た中東政策。

 

帝国主義の特長は自己中心的な偏狭な世界観と軍事力への過信です。自己主張ばかりで相手の立場に立った思考ができない点でstalkerに通じる、一種の精神的欠陥だと思います。私は1948年のイスラエル建国を実現させたベングリオンの「ユダヤ人はなぜ国をつくったか」(サイマル出版)という本を持っていますが読む気がしません。ひたすら自己主張でつらぬかれていますから。イスラエル右派は聖書を根拠にパレスチナはイスラエルの土地だと主張しますが、ナンセンスですね。旧約聖書を読むとユダヤ人の先祖とされるアブラハムはメソポタミやのウルからユーフラテス河を上って今のシリアにあるHaranという街に行き、そこから南下してカナーン、即ち今のパレスチナに移動したそうです。しかもそこには既に色々な先住民がいた事も旧約聖書にちゃんと書かれています。例えばアブラハムが妻を葬るために土地を買ったのですが売り手はHittite人だったとあります。アブラハムはそこでユダヤ人の神であるエホバからパレスチナどころかエジプトからイラクに到る土地を与えられたことになっています。何とも虫の良い記述です。後年ユダヤ人が何処に行っても迫害されたのは自分達は神に選ばれた特別な民であるという「選民思想」が原因でしたが、それは全く逆立ちした思想でした。即ちユダヤ人が神に選ばれたのではなくユダヤ人が自分に都合の良い神を捏造したのです。もっともこのような捏造はユダヤ人に限った事ではありませんが、問題なのは21世紀の今もまだそのような荒唐無稽な論理で現実にイスラエルという無理に作った国家がパレスチナの土地を占拠し続けパレスチナの住民に耐え難い苦しみを与え続けている事です。

 

現在希望が持てるのは軍国主義の限界を正しく認識するイスラエル人が多数出て来て、活発に平和運動を展開している事です。関心のある方はAdam Kellerさんの下記報告をご覧下さい。

http://adam-keller2.blogspot.co.il/

 

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* 市吉 修   Osamu Ichiyoshi

* 二十一世紀を楽しく生きよう会

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