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送信日時: 平成 21118日日曜日 3:29

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件名: 二十一世紀企業研究会

 

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二十一世紀企業研究会とは「人が全国どこでも学び、生涯現役で働ける企業」を提案し研究する会です。研究しながら二十一世紀企業を始めましょう。

 

北京旅行

10/28-11/2観光と学会を兼ねて夫婦で北京に行ってきました。二人でツアーに参加して紫禁城や天壇公園、万里の長城などを訪れました。家内は更に盧溝橋と周口店をも訪れました。北京は空港から東直門駅に直接地下鉄が乗り入れ、市内の地下鉄も二年前の地図では役に立たないほど路線も増えしかも料金は2元、約30円と極めて安価で便利でした。学会会場の精華大学へも地下鉄で簡単に行けました。以前に比べると減ったとはいえ自転車も多くまたぼろぼろになるまで使われていました。学会終了後精華大学から円明園までの数キロメートルを歩きました。また建国門駅から天安門駅まで足車の二人歩きをしていると見知らぬおじさんから写真を撮らせてくれと頼まれました。食事は府井に行き現地住民と同じものを食べて安く上がりました。全般に物価は日本とあまり変わらない感じでした。

 

万里の長城

に行った日は今年初めての雪でした。観光客は皆大はしゃぎで登ろうとしましたが雪で滑ってほんの入り口までしか行けませんでした。しかしその分その防衛上の意味がよく分かりました。秦の始皇帝の前から各地に築かれていた防壁は国家権力について多くを語ってくれます。去年訪れた西安では始皇帝の墓、壮大な兵馬踊を見学しました。その時代からの数千年は国家主権の歴史でした。主権は国家にあり、国の民は国家に従属します。租庸調の人頭税はそれを明確に示しています。国家の成立過程が強者による弱者の征服であれば国家の主権が国に有って国家は国の民を支配するための機構であり、国と国の関係は覇権を争う対立関係となるのは自然の流れです。人が人を支配するという不自然な国家にまるで自然法則のように例外なく社会が進化したのはなぜでしょうか。それは支配者は国、貴族、士族とピラミッド型の強固な組織を形成するのに対して被支配者は互いに分断されて団結を禁止されたからです。古代ギリシャ、ローマの都市国家の民主主義とは市民の間の民主主義であり、市民を遥かに上回る数の奴隷の労働によって社会は支えられていました。中国の元や清においてはは支配者の蒙古人や満州人が数においては百倍近い漢民族を支配しました。典型的な身分制社会を確立した我が国の江戸時代においては士農工商の内士の数は農工商の一割そこそこだったと思います。徳川幕府が支配の原則としたのは「百姓は死なさぬよう、生かさぬよう」、「知らしむべからず、依らしむべし」、「徒党を組むものは死罪」でありそれは国家が民の支配機構である事を端的に語っています。しかし人が人を支配するという身分制社会は独立した人格を有する人間原理に反しており、歴史上無数の反乱や一揆が起こりましたが組織された少数者はばらばらの多数者よりも強い事が証明され反乱は残酷に鎮圧されました。しかしながら社会の技術と産業および思想の発展に伴い世界はMagna Carta, 清教徒革命、名誉革命、アメリカ独立革命、フランス革命等を経て民主主義が確立して来ました。民主主義とは主権が国民に有り国家は国民に奉仕する機構であるという思想です。独立当時の米国のある集会でお偉方が「どけどけ、俺たちは人民の代表だぞ」というのに対して誰かが「てめえ等こそどけ、俺たちは人民だぞ」と言った事を読んだ記憶がありますが国家に対する二つの思想を見事に表現しています。J.F.KennedyのAsk not what the state can do for you, but ask what you can do for the state.は名演説とされていますがそれは国家主権の思想ではないでしょうか。政治家はたいてい国家主権論者ですね。なぜなら国家機構にぶら下がってメシを食っていますから。現在オバマ大統領が成立を目指して苦労している国民健康保険はAsk what the state can do for you.だと思います。真の民主主義においては国民と国家の対立はありません。なぜなら直接民主主義においては統治される者とする者は同一だからです。

 

観光の効用

国家主権では人間は国家に従属するため国際の直接民間交流は進みません。逆に国際的な直接民間交流が進めば各国において国民主権の民主主義が発展します。その手っ取り早い方法は観光です。観光、学会、留学、国際スポーツ大会その他の民間交流が進めば戦争のようなバカバカしい事は起こりえません。なぜなら本来自ら働いて家族を養う民の間に対立関係はないからです。国家が諸国民の直接交流を禁止し、御用学者の学問的粉飾によって他国に対する偏見と誤解を助長し、御用メディアが排外的な世論をあおり、更に政府が国内の反対派を抑圧して強権的な支配権を確立して初めて戦争が発生します。

今回は去年の西安旅行の時よりも中国語が通じました。如何に機械翻訳技術が進んでも本当に外国を理解するにはその言語を学んで現地の住民と直接話す事に如くものはありません。それは幾ら電卓で計算ができても数学は分からないのと同様です。

私は今後もなるべく多くの外国語を学んで国内外の人々と交流したいと考えています。

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*  市吉 修   

*  二十一世紀を楽しく生きよう会

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