差出人: Osamu Ichiyoshi [osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp]

送信日時: 2010417土曜日 23:50

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件名: 二十一世紀企業研究会

 

配信無用の方はお手数ですが返信願います。本MLは会員の紹介により加入する会員の自主研究会です。返信または全員へ返信により意見交換をお願いします。二十一世紀企業研究会とは「人が全国どこでも学び、生涯現役で働ける企業」を提案し研究する会です。研究しながら二十一世紀企業を始めましょう

 

死を知る事が生を知ること

他の動物から人間が特に異なる点は死者を弔う事だと思います。既にネアンデルタール人が死者を野の花で飾って葬った事が知られています。死後の世界を思うことは生前の世界や輪廻転生の観念につながり人が生きている現世はほんのつかの間の命であるという認識が人間を他の動物から根本的に分かつ特徴であると思います。野生の象は偶々象の死骸に出くわすと丁寧に骨を集めて群れが輪になってまるで黙祷を捧げるかのようにしばらく頭を垂れている例が観察されています。人間は死者を花で飾って葬る点で動物よりほんの少し進んでいると言えるでしょう。

原始人が育てた生と死、輪廻転生、遠い祖先が動物であったというトーテムの思想などは現在の科学から見ても本質的に正しかったと思います。原始人は非常に勝れた思索家でした。人間の知能は文明の発達と共に低下して来たと考えています。その一つの証拠は言語が時と共に簡略化されて来たことです。古代の言語は音韻的にも文法的にも現代語よりも複雑であり細かなことが正確に表現できたと思われます。原始人は厳しい大自然の中で生きる術を短期間に学ばなければならず正確な言語による知識の伝承と日々の生活に即した実践的思考が必要不可欠でした。文字の発明以前には知識は暗誦によって伝えられたので大変な記憶力が必要であり、そのために詩や歌や踊りが生活と密接に結びついていました。

 

文明による人間の堕落

農業と牧畜の始まりと共に生じた社会の階級分裂と国家を生み出した文明はこの五千年間の出来事です。原始時代から現在の機械文明への発展は正に奇跡としか言いようがありません。しかし私たち人間は文明の発展にふさわしい進歩を遂げているでしょうか。残念ながら多くの点で退歩しているのではないでしょうか。今日ほど物質的に豊かな時代は原始時代からは全く想像を絶する時代ですが、その中で満足に食べられない貧困の人々が多数います。戦争や犯罪、弱者の虐待も後を絶ちません。

文明による人間の堕落は自分の不幸を他人のせいにすること、他人に対する過度の競争心や支配欲、断片的な知識ばかりで満足し自分の頭で思索しない事などです。

いずれも社会の階級分裂の結果だと思います。

 

人間の再生は社会の再生

人間は一人では生きられない動物です。仮令一人の時も自分の中で対話をしています。即ち思考とは自分自身との対話に他なりません。死後や生前の世界を思うことは先祖や子孫の事を思うことです。徹頭徹尾人間は社会的な動物であり一人を救うには皆を救うしかありません。痛ましい幼児虐待が頻発していますが幼児を救うためには虐待を行う親をも救わねばなりません。権力や暴力は決して問題解決にならないこと歴史を振り返れば明らかです。皆が救われる道はL.トルストイが教えてくれた「イワンの馬鹿」の世界だと思います。自ら労働し、家族を養い他人とも助け合う世界です。

今は大体その世界に入りかけていると思います。圧倒的な軍事力を持つイスラエル

もガザから撤退し、爆撃も短期間でやめざるを得ませんでした。なぜならば今日の情報通信網で世界の人がその惨状を知りイスラエル非難の世論が世界中に巻き起こったからです。軍事では何も解決しない事が情報化時代には自明のことになりつつあります。核兵器の無い世界を目指す運動に米国のオバマ大統領が先頭に立っているのもその表れです。

インターネットを始めとするMass Immediate Networkの時代には世界は地球村に縮小し社会は直接民主社会に進化するでしょう。それはまさしく「イワンの馬鹿」に示された社会であり、そこでは正直者が馬鹿を見ることなく人が助け合って生きられる社会です。レフ・トルストイの童話は最も厳格で悲惨な階級社会の支配階級の家庭に

生まれた深い道徳的苦悩から生まれた理想の世界ですがそれから一世紀近い時を経た現在はその実現の条件が整って来たのではないでしょうか。

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*  市吉 修

*  二十一世紀を楽しく生きよう会

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