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送信日時: 平成 20年1月27日日曜日 21:25
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件名: 二十一世紀企業研究会
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二十一世紀企業研究会とは
「人が全国どこでも学び、生涯現役で働ける企業」を提案し研究する会です。研究しながら二十一世紀企業を始めましょう。
和田中有料授業スタート
本日(2008/1/27)の東京新聞によると「民間出身校長が率いる東京都杉並区立和田中学校で26日、大手進学塾「サピックス」の講師による有料授業が始まった。、、、」
1月24日の報道によるとこれは「二年生の成績上位層向けの夜スペシャル(略称夜スペ)で国語、数学、英語の三科で費用は月額一万八千円と二万四千円の二つのコースがある。」
藤原校長の主張は「多様な外部人材を活用することで「教師が基礎学力育成やマナー指導など「本来の仕事に戻れる」」。
この試みは教育の「機会均等に反する」として各方面から批判を招いています。
私はそれに加えて効果も疑わしいと思います。昨日TVで和田中学校の件の夜スペの様子が放映されました。よる七時から二時間半授業をやりそれから教師と生徒が一緒に食事をしながら気楽に話し合うとのことでした。生徒の感想として「塾に行かなくても良いので便利」「同じ学校の仲間と一緒なので気楽」などと言っていました。
このやり方で果たして教育効果が上がるか、そもそもどれくらい続くか疑問です。
(1)子供の健康が心配
上のTVの放映の通りであるなら生徒は帰宅が早くても10時過ぎになってしまいます。学校で夕食を食べれば家で家族が一緒に食事をするという事も無いでしょう。翌日はまた朝から普通に学校に行って授業を受けるのですからまず過労にならないはずがありません。まだ成長途上の子供の健康への悪影響が心配です。
(2) 学習も逆効果
私の経験則によると人間は習ったことは直ぐに忘れます。忘れたものを自分の力で再発見して初めて身に着きます。この再発見はあくまで自主的な努力でなくてはなりません。子供を教室に縛り付けるとこの自ら学ぶ消化過程がうまく行かず、学習効果は返って逆効果となると思います。
(3) 子供から読書の時間を奪うな
自学自習には読書が必要不可欠ですが上の夜スペの生徒はいつ読書するのでしょうか。読書の習慣を身につければ学校に行かなくても人は力強く伸びて行きます。その好例が発明王エジソンです。エジソンは小学校にすら行きませんでしたが、まだ小学校相当の子供の間にデトロイト図書館の本はすべて読んだそうです。エジソン の発明の本は子供時代の勉学で得た豊かな学識にあります。決して単なる天才などではありません。本人が言うよう「天才とは1%の霊感と99%の発汗なり。」
朝の読書、算数にも効果
以下東京新聞2008/1/24より引用
文部科学省は23日、昨年四月に実施した学力、学習状況調査(学力テスト)で未発表だった学校の取り組みと学力との相関関係についての調査結果を公表した。
「朝の読書」の時間を設けている小中学校は、設けていない学校より、国語、算数、数学ともに正答率が高かったことが分かった一方で、
少人数、習熟度別指導と正答率の相関関係については更に分析が必要として公表を見送った。 中略
今回援助を受けている児童の割合が30%以上の学校について分析したところ正答率が全国平均以上の学校は、地域の人々が授業参観できる公開日を設けている割合や、PTAや地域住民の学校活動に参加する割合が、平均未満の学校よりも高かった。
以上の記事は教育における読書の重要性と学校教育においてPTAを始めとする地域全体による地道な活動が必要不可欠であることを実証していると思います。和田中学校の夜スペは何れの点においても効果が疑わしいし、義務教育の機会均等の原則に反する点も見逃せません。
半年後にまた状況を確認したいと思います。
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* 市吉 修
* 二十一世紀を楽しく生きよう会
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