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送信日時: 平成 21年12月20日日曜日 2:48
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件名: 二十一世紀企業研究会
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東京大空襲裁判東京地裁判決
は12/14に出されましたが内容は原告敗訴でした。つまり東京大空襲の死亡者の確認や追悼処理、戦争孤児の救済を行わなかった国に責任は無かったという結論です。この判決は担当判事が人事異動したため新任の判事の代読という代物でした。
東京新聞に載った要旨を読みましたが要点は
(1) 関連法律が無いのだから国に法的責任はない。
(2) 戦争被害は殆どの日本国民が多かれ少なかれ受けているのだから裁判所がいちいち選別することはできない。
ことのようです。
上の(1)については日本国憲法があり、昭和21年9月9日に廃止された戦時災害保護法があります。この法律は一般人の戦争被害を補償するものでありその廃止こそ日本国憲法から見て違法であったと思います。
(2)については軍人軍属には累計50兆円という手厚い補償が行われ、一般人でも原爆被害者、満州、中国の残留孤児には遅まきながら多少なりとも補償がなされています。
法律が無ければ責任が無いのなら逆に法律を作れば政府は何でもできることになります。そういう恣意的な政治の欠陥を正す規範が憲法であり、憲法の番人としての裁判所のより所であるはずなのに根幹を忘れて些事にこだわり無理に結論を出している印象を受けました。
裁判員制度は刑事事件ばかりでなくこのように国のあり方を問う民事訴訟にも必要ではないでしょうか。
国民と国の関係
一般の戦争被害者に対する国の戦争責任を問う裁判は原告敗訴の先例がいくつかあるようです。裁判所の論拠は
[A] .戦争被害は国民がひとしく受けなくてはならないという一般受忍論
これに対しては軍人軍属には手厚い補償があり戦争孤児には補償が無いのは不公平ではないかという疑問がわきます。これにたいして裁判所は
[B] .軍人は国に雇用されていたが一般国民は国と雇用関係が無かった。
ということだそうです。
いったい国と国民の関係は雇用関係より薄いということでしょうか。
昔R.ベネディクトの「菊と刀」という本を読みましたが戦時中の日本研究で彼女がどうしても理解できなかったのは日本人はすべて天皇に恩を受けておりしかもその恩はいくら返しても返しつくせないことになっていることでした。
今回の東京地裁の判決はR.ベネディクトが首をかしげたのと類似の国家観から出ているような気がしますが如何でしょうか。
R.ベネディクトが理解できなかった日本人の国家間は昭和の軍国主義時代のほんの数十年間に画一的な学校教育で日本人に刷り込まれたもので本来の日本文化とは無縁の代物です。古代において天皇が政治の実権を握っていたときは壬申の乱に代表されるように皇位争いはどこにでもある権力闘争でした。政治の実権が藤原氏などの貴族に移ってからは天皇は貴族の権力闘争の駒のように使われました。腐敗した貴族政治の行き詰まりは末法思想に反映される社会的行き詰まりを生じました。その逼塞状況を打開したのは武士の台頭でした。武士は朝廷には何ら恩義を感じてはおらず、承久の乱や建武の中興のように朝廷が武家政権にたいして謀反を起こしたときには天皇、上皇をも佐渡や四国の遠隔地に流し、あるいは皇族をも処刑しました。武士社会はご恩と奉公関係で結びついていましたが恩恵が無ければ奉公も無く返って敵にまわる事もある割り切った関係でした。鎌倉時代の武士には「滅私奉公」などはたわ言にしか思えなかったでしょう。私はこのような古代の武士の自己主義、腐敗した京の朝廷を見限って地方に土着し、荒地を開拓して自らの道を切り開いた自主的な武士の生き方に共感を覚えます。
二十一世紀の今日では国家とは国民のためにあるという民主主義が基本であると信じています。前述の判決を出した裁判官の国家観は国民は国家のためにあるという軍国主義の残債だと思います。考えてみると無理もありません。裁判官は国家に「雇用」されている役人の一人ですので国民主権でなく国家主権の思想が知らず知らずに刷り込まれているのも理解できます。二年間も自分が担当した裁判の判決を人事異動したため他の判事に代読させるなどとは裁判官といえども所詮は小役人に過ぎないことを表してはいないでしょうか。このように国家の罪を問うような民事裁判には一般国民からの裁判員参加が必要ではないかと思いますが如何でしょうか。
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市吉 修
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二十一世紀を楽しく生きよう会
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