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送信日時: 2014426日土曜日 23:54

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件名: 安倍首相の労働政策を問う

 

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成果主義

数日前の新聞で安倍首相が「時間でなく成果で評価される労働法制の検討」を指示したと報道されました。これは実は「残業手当ゼロ」労働政策にほかなりません。私は安倍氏の一見単純で無害に見えるがその実虚偽で有害な政策に不快感を禁じえない事が多いのですがこれもその一例です。

私は現役時代には開発部において初めて試作する装置や事業の開発に従事しました。「想定外」の問題の続出のために当初の予想の3倍くらいの時間がかかる事がよくありました。立会い試験が近づくと毎日10時過ぎまでの残業と休日出勤が続きました。会社の規則で残業時間が連続して3ヶ月(記憶では確か)72時間を越えると健康診断が課されましたが何ヶ月も続けて健診を受ける時期が続きました。小さい子供と夕ご飯を一緒に食べられないのがつらかったですね。その状態でも一つの喜びは給料日でした。私が最も仕事をしたのが主任の頃ですが事業部長に俺より高給取りではないかと言われた事があります。

私達が企業の柱として働いていた1970-90年代は日本の製造業は世界最強の競争力を有していました。その技術を支えたのはUnion Shop制、すなわち従業員全員正規社員と割り増し残業代制度でした。会社としての一体感があったので困難な状況にも責任を持って取り組む事ができました。安倍氏はこのような技術開発の実態を全くご存知なく、単に観念的な思いつきというより、側近の助言に従ってこんな指示をしているのでしょう。

米国式の成果主義は一時期日本でも流行しましたが、客観的な成果の評価法が無いために直ぐに破綻しました。学校では同じ試験をし、運動競技では同じ条件で競技をするので客観的な成

果の評価が可能ですが、生産企業では同じ条件で仕事をする人は誰もいません。様々な役割を分担する人の成果が総合されて企業としての総合成果で出るので成果主義はそもそも生産企業にはそぐわないものです。株式市場で資本の奪い合いをするのはおそらく成果主義しか無い事業だとおもいますが物の生産活動には成果主義は適用しようが無い代物だと思います。

 

自民党の経済政策を問う

自民党政権の下で進められた非正規社員の増加は企業と従業員の一体感を破壊しました。アベノミクスの政策で円安が進みましたがそれに見合う輸出の増加が無いのは国内生産企業の競争力低下のためです。他方輸入は円安のため金額が膨らみ、貿易赤字が毎月記録を更新し続けています。そのため輸入品や原料高による電気料金の値上げが家計を圧迫しています。同時に勤労者の賃金は伸びず、老齢年金は減らされましたので国民の購買力は低下しました。今や日本は財政と貿易の双子の巨大な赤字を抱える状態が常態化してしまっています。

 

新たな経済学が必要

数日前NHK朝のラジオ、ビジネス展望で経済評論家の藤原なおや氏がアベノミクスの現状を検証した上で過去の経済学が正しくなかった事を率直に認めるべきだと言っていましたがまさに同感です。藤原氏はこのままでは日本経済は遠からず破綻すると警告されていましたが皆様はいかがお考えですか。

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* 市吉 修   Osamu Ichiyoshi

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