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送信日時: 平成 20217日日曜日 20:06

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件名: 二十一世紀企業研究会

 

配信無用の方はお手数ですが返信願います。本MLは会員の紹介により加入する会員の自主研究会です。返信または全員へ返信により意見交換をお願いします。

二十一世紀企業研究会とは「人が全国どこでも学び、生涯現役で働ける企業」を提案し研究する会です。研究しながら二十一世紀企業を始めましょう。

 

次世代高速移動通信

所謂第四世代と呼ばれる次世代高速移動通信としては各社とも種々異なる方式を提案していますが、いずれもOFDMという技術を用いています。OFDMはディジタル放送に用いられていますが、移動通信では放送と異なり非常に深い干渉状態で使用されるためフレーム同期が困難で実用化がむつかしいと思います。またFDM動作が不可能なため従来の移動通信網からの円滑な進化が困難です。以上の問題を根本的に解決する方法としてTMUXの応用を提案します。具体的な技術資料についてはHPの通信網設計講座をご覧下さい。また同講座には次世代高速移動通信の一つと目されるWiMAX講座の概説を載せていますので合わせてご覧下さい。

 

職業教育と生涯学問

先ごろ学習指導要領が改訂されて授業時間を増やしゆとり教育の是正が図られることとなりました。学校教育の重要性は論を待ちませんがその限界をわきまえる必要があると思います。知識の4段階即ち(1)知る、(2)分かる、(3)為す、(4)成る の4段階の内学校でできるのは段階(1)だけであり、あとは当人の自主的な努力しかありえません。小学校にさえ行けなかったエジソンやリンカーン等の偉人はそのことを良く示しています。逆に学校歴がものを言った典型的な社会は戦前の日本であり、学校教育は国民に軍国主義を植えつける場として絶大な威力を発揮しました。

戦後はその反動として松下、本田、豊田、田中角栄など小学校しか出なかった人達が起こした事業が大発展しましたが、戦後半世紀以上が過ぎて上の人々も既に亡くなり、国全体がだれてきていると感じられます。

その元凶は学校制度にあると思います。「自主的に考える態度を養う」とか「独創力を養う」とか謳いながら「有名大学への合格者数」を競う学校運営はうたい文句とは反対のことをやっています。東京の和田中学校の夜間補修、夜スペは大手進学塾の講師に生徒一人あたり二万円もの費用で進学勉強をさせるもので先ごろ話題になりましたが、新学習指導要領のもとで学校の授業時間が増えると生徒はますます自由時間が無くなり「独創力を養う」とは反対の結果に終わると思います。また規律や伝統文化を教える為に武道を必須化し、道徳教育を強化しようとしています。私自身の経験では道徳教育や修身教育はその目的は良いとしても結果は偽善者を育てることになると思います。畢竟伝統や道徳は日常生活の場で自然に身に着くものであり、学校で教えられるものではないと思います。

 

MLには教育関係者もおられますので一つ提案です。

 

[1]  学校を出てからのことを教えること

 世の中に出たら人間は自立しなくてはならず、そのための基礎知識 を学校で習得しなくてはならないこと。学校を出たら働きながらの勉学は大変な努力が要ること。

[2]   職業の重要性

 自立のためには確りした職業につくことの重要性を教えること。

 世の中にどのような職業があるかを教えること。

将来どういう職業につきたいのか夢を持たせること。

[3]   一人前の社会人になるための教育

 年金や健康保険などの社会保障制度の意義を教えること。

 週刊誌でよく取り上げる「払っただけが戻ってくるか」などという低次元の問題ではなく社会の安心、安全の仕組みであること、例えば火災保険や健康保険と同じく金額的には損する方が得なこと。

 また社会の生産力の発展の為には勉学して確たる学力をつけるのが重要なこと

 性教育では将来家庭を築き、子供を育てることの重要性を教えること

 家族制度の歴史的変遷、結婚と離婚、個人と家族の生き方などを教え、考えさせる事。

[4]   生涯学問

 学校は学問のほんの入り口にしか過ぎないこと。

 学校を出てからも学問を続けることの重要性

 

半世紀前の私の故郷では中学校を出ると働くのが当たり前でした。五歳年上のいとこの家にいつものように遊びに行ったところ昨日まで一緒に遊んでいた従兄が馬に荷車を引かせて出かけるのを見て驚くとともに尊敬の念を抱いたことを昨日のように覚えています。

大半の人が中学卒業とともに遠く大阪、東京本面に就職して行き、学校はつかの間の期間であることを知っていたのでみな良く遊び、よく勉学しました。

現在の学校教育の歪は大学入学の重荷ですね。その元凶は学校や親が「有名大学への合格者数」を唯一の評価基準にしてがんばっている所にあります。評価の高い「熱血先生」は益する所よりもむしろ弊害が多いと思います。今思い出しても私が師として感謝している先生は丁寧に教えてくれると同時によく話を聞いてくれる物静かな先生でした。

西澤純一氏は「長く学びすぎることの害」を指摘していますが、学校教育はその目的とする「独創力を養う」とは正反対の結果を生じやすいものであることを注意すべきだと思います。

大学の閉鎖性が学校教育の歪の元凶であると思います。大学の教官募集にはすべて「学位を有するもの」という条件がついており、それを見ただけで私は溜息をついてしまいます。この閉鎖性がいかに独創性を損なっているかは大学卒の大作家が如何に少ないかを思えば明らかです。

それはさておき米国の大学のように年二学期、三学期制を取り、また単位互換制度を徹底すれば大学入試の重しが取れて学校教育は正常化すると思います。

今日のインターネットと放送網を活用すれば学校の外でもかなりの教育はできます。更に基本的なことは出版されて書物の中にあります。如何に情報化社会でも学問は自ら問学するより他に道はありません。例えば外国語を習得するには辞書を片手に原書を読むことを抜きにしては決して身につきません。ナポレオン戦争の時ロシアの捕虜になったモンジュが牢獄の中で考えたことが射影幾何学の始まりですが、これは正に「学問とは人なり」を示す典型的な例です。

 

冒頭に掲げた高速移動通信の議論はインターネットを用いれば会社を退職後も技術研究は可能であることを示しています。私は生涯学問を通して自ら楽しむと共にできる範囲で社会に貢献したいと思います。

 

皆様と協力して小学校から大学、大学院レベルの学問を展開すると共に既存の学校教育から落ちこぼれた人々が学習を続け、高校学力認定試験、いわゆる大検を突破して大学に入学する手伝いをしたいと思います。いかに閉鎖的とは言え、国民の貴重な税金を膨大に投入してきた大学が学問の最高の府であり、基礎研究の最先端であることは間違いありませんから。

 

いろいろな道を通じて大学に入れる仕組みを作ることが学校教育を正常化するのに必要不可欠だと思います。中学を出たら働きながら勉学を続けお金を貯めて五年後に大学に入るような事が普通になれば初めて日本は学問大国になると思います。

日本はもともとそういう国でした。初めて日本の地図を完成させた伊能忠孝は50を過ぎて家業の酒屋を息子に譲ってから遠く江戸に出て高橋義時の門に入り天文、地理、数学を学びました。折から開国を迫る外国船の来訪に備えて国防強化の必要に迫られた幕府に用いられ全国を測量して回り史上初めて正確な大日本全国を完成させました。

このような先人に学び私たちも再び日本に学問を勃興させたいと考えています。

 

 

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*  市吉 修   

*  二十一世紀を楽しく生きよう会

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