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送信日時: 2013716日火曜日 0:25

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件名: 伝達関数による経済成長のモデル;日本経済の問題

 

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交換経済の成長モデルをHPに載せましたのでご興味があればご覧下さい。

http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/A%20Transfer%20Function%20Model%20for%20Growth%20of%20Exchange%20Economy.htm

 

 

原始時代の経済成長

原始時代の経済は自然採集経済でした。石器や海産物、山産物などの交換は極めて古い時代からありましたが、基本的には日々の食べ物を個々の家族や部族が狩猟や採集によって得ていました。この段階の経済成長の要因は明白に技術と知識です。人類は最初死肉を漁るScavengerであったと思われますが、石器の発明と共に狩猟を始め、槍や弓の発明によって狩猟の効率は飛躍的に進歩しました。更に土器の発明と火の使用によって調理を始める事により食べ物の種類が格段に増えて生活が豊かになりました。原始経済において知識と技術の重要性は自明であり、人々は熱心に学びました。生活の場がすなわち学びの場でした。古代人が極めて勤勉であった事は古代語ほど言葉が複雑であった(例えば古代日本語には現代よりも母音や子音の数が多く「連用形+ぬ」一語で表す現在完了形もあった、今も詩を書くには文語が必須。)事に見る事ができます。

 

古代の経済成長

国家の成立に至る歴史時代の最大の特徴は社会の階級分裂と非生産階級を養うための税の出現でしょう。税の対価は社会秩序の維持、文化の創造、技術と知識の進歩などです。政治的には人間の本性に反する支配関係を理由付けるために種々の神話が作られました。それは一面貴重な文化です。文化の基は文字通り文字です。文字が使われ始めたころの日本の古典、古事記や万葉集は日本の宝です。危険を冒して海原を渡った渡来帰化人や遣唐使に付随して唐国で学んだ僧や、学者によって日本文化は飛躍的に発展しました。日本人が如何に文化を尊ぶかは目が見えるのに字の読めない人を呼ぶ「開きめくら」という語によく現れています。

 

近代以降の経済成長

原始文明との本質的な違いは交換の手段としてのお金の発明と経済全体の交換経済への進化です。役人やサラリーマンは生活のすべてを給料に依存しています。商人は市場すなわち交換経済が生活の源です。半農半Xの人も食べ物以外はすべて交換経済からお金を得ています。お金は交換のための手段ですが、この極めて便利なもののために経済は複雑化し、分かりにくくなったのではないでしょうか。

 

前述のモデルは基本的に

[1] 交換経済における国民所得 ; I = P+W = S - R - M = S.( 1 - r - m )

 

[2] 経済成長                 ; S(n+1) / S(n) = <g>.E / S(n) = <g>. (1-r-m)

           <g>. (1-r-m) > 1の時経済は拡大する。

           <g>. (1-r-m) < 1の時経済は縮小する。

 

[3] 現金資産 ;  CS(n+1) = CS(n) + Es  (金利ゼロの場合)

上の現金資産は国民の総銀行預金でありその内の1,000兆円は政府の累積負債の形で

国民が所有しています。

 

交換経済の成長の源は消費

上の[2]において

<g>. (1-r-m) > 1の時経済は成長する。

ここで<g>は消費活動によって新たに創造される価値を表しています。ここで消費活動とはお金を使うありとあらゆる活動であり、物の生産、運輸、販売、医療、観光、政治、教育、研究、開発など人間の正業の全てを指しています。それを一語で言えばお金を消費して行う価値の創造です。お金は消費されても無くなりはしません。買い手の支出は売り手の収入であり国民総収入とは即ち国民総支出に他なりません。本質的な事はお金を使って何をやるか、結果として何を得るかという事です。

上の[3]は消費されずにひたすら溜まっていくお金です。これは経済成長には寄与しませんが、お金が表す価値の蓄積です。家や車の購入、進学など大きな支出が必要な時に役立ちます。

 

お金の価値を生むのは技術と知識

これは原始時代と本質的には同じです。今ある商品に対する需要が急増すればその価格が上がります。するとその製品の供給が増えて価格が正常に戻ります。これからお金の価値を支えるものは生産力である事が分かります。更に生産力の本を求むれば人間の知識と技術に他なりません。不断の研究開発無しには経済成長はあり得ません。国民総生産GNP=国民総売り上げSの源である国民総収入Iは I=S−R−M < S ですから不断の研究開発無しには国民経済は年々縮小してしまいます。

 

日本の経済停滞の原因は大企業の怠慢

今回の参議院選挙で色々な政治討論から分かったことは企業全体で260兆円もの内部留保を抱えこんでいる事です。上位100社で100兆円だそうです。これは日本の大企業が経営を誤っている証拠だと思います。企業の目的は世の為になる製品の開発と事業化です。利益の大半は技術開発に注ぎ込むべきでしょう。260兆円と言えば一億人が一年260万円をもらって遊んで暮らせる金額です。まことに日本の大企業の怠慢には呆れます。米国であればこのような膨大な内部留保は株主が許さないでしょう。日本の技術力の低下の原因はこの膨大な内部留保に現れた恥ずべき怠慢にあるのではないでしょうか。

 

安倍のみクスの破綻

安倍自民党の経済政策は上述の事から愚劣なものだと思います。企業に260兆円もの内部留保があるのなら黒田日銀総裁が得意顔で言った「異次元の金融緩和」は何の意味も無い事は明白です。技術力の低下から円安になっても日本は自動車以外は売るものが無く、輸入品の価格高騰のため既に電気料金が全国的に値上げされました。

 

あるべき経済政策

私は株はやった事がありませんが真に金融は曲者ですね。日本の大企業社会的責任を果たさせるためには過度の内部留保には課税すべきでしょう。日本の株主はギャンブル的な感覚で株をっているのでしょうか。株主ならばもっと企業の行動を監視すべきでしょう。

 

新たな事業方法とは

大企業が技術革新の活力を失っているのならそれに頼る事はできません。それに対して私達はどのような産業社会を目指すべきでしょうか。

           [1]社会の問題、人間の苦しみ認識

           [2]問題の原因の探求

           [3]問題の解決法の探求

           [4]問題の解決を実現する方法の実行、新たな製品の事業化。

上の各段階を最も効果的に実行する方法について皆様のお考えをお寄せ下さい。

 

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* 市吉 修   Osamu Ichiyoshi

* 二十一世紀を楽しく生きよう会

* Human Network for Better 21 Century

* http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/

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