差出人: Osamu Ichiyoshi [osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp]

送信日時: 2011130日曜日 0:20

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件名: 二十一世紀企業研究会 ;歴史発展の原動力

 

配信無用の方はお手数ですが返信願います。本MLは会員の紹介により加入する会員の自主研究会です。返信または全員へ返信により意見交換をお願いします。二十一世紀企業研究会とは「人が全国どこでも学び、生涯現役で働ける企業」を提案し研究する会です。研究しながら二十一世紀企業を始めましょう

 

中東の情勢

チュニジアの政変に端を発した市民運動はアラブの各地に飛び火しエジプトでも反政府デモが激しくなっているようです。これらの国では独裁政権が長期に続いて来たという共通点があります。歴史的な政変に発展するのではないかという気がします。

 

歴史発展の原動力

それは人間の組織の力だと思います。原始の自然採集経済から農耕経済への発展に伴い生じた階級社会と国家という権力構造が普遍的に見られるのは人間の組織の特性に由来すると思います。人間の組織を一言で定義すればそれによって食えるか否かですね。国家を支えるのは役人ですが役人の忠誠心は一重に給料にかかっています。これは会社でも同じですね。人間は食うためには何でもやる動物です。価値観が確りしていれば逆境にも負けず努力しますが、価値観が確りしていないと食うためにはどんな非人道的なこともやる動物です。何百万人というユダヤ人虐殺を行ったナチスドイツの役人も家庭に帰れば良きパパ、良き夫でした。典型的な奴隷制度の古代ギリシア、ローマにおいても人数の上では奴隷が自由民を上回っていたと思います。少数の支配者が多数の人民を支配できるのは一重に組織の力です。

 

組織は固定化する

のも上が下を支配する組織では当然の性質です。反対に下克上の社会は混乱した社会であり、天下が麻のごとく乱れたわが国の戦国時代が典型例です。支配関係による組織の安定性は歴史的に長く封建社会が続いた原因でしょうが封建社会の行き詰まりの原因ともなりました。同様な事は会社などの私企業にも当てはまると思います。よく会社の寿命が30年と言われますが、上が下を支配する組織では次第に活力が失われて組織が動脈硬化を起こして衰退するのは必然だと思います。

 

間接民主制の歴史的意義

支配関係に基づく封建社会は上の固定化によって行き詰まり、市民革命を経て今日の間接民主社会に進化しました。その理想は人民の、人民による、人民のための政府というA.リンカーンの名言に簡潔に表現されています。

 

間接民主制の限界

も今日では明確になっています。A.リンカーンの理想は現実には強者の、官僚による、政治家のための政府になっています。国家が国民を欺き、国民を破滅に導いた例は戦争ばかりでなく今日NHK特集で放送された諫早湾干拓事業や現在900兆円に達し止まる所を知らぬ財政破綻など現在も続いています。諫早湾干拓事業においては国民を騙した環境アセスメントだけでなく反対漁民を賛成に回らせた243億円の補償金は今日の財政破綻の一端を占めているのではないでしょうか。

 

直接民主制

以上の間接民主制の限界の打破は直接民主制しかないと思います。その第一歩は国民が政治を監視し、政策決定と実施にもっと直接に参加することです。インターネットはそのための一つの手段を与えています。エジプトにおいて政府はインターネットを閉鎖しているようですが、これは混乱に拍車をかけるものだと思います。

 

今日の歴史段階の特長

それは支配関係でなく通常無関係な人々が共通の問題に対して平等な立場で組織を作ることが容易になった段階だということではないでしょうか。当MLはまだ単なる意見交換会ですが、お互いに殆ど無関係の人間が現在の世界の危機感を共有して6年間も持続しています。ここから思わぬ事業の芽が出ないとも限りません。私自身にはこの研究会で毎週意見発表をさせて頂く事は万巻の書を読むよりも良い修行になっています。

従来の歴史の原動力が支配関係による組織の力であるとすればこれからの組織の原則は如何なるものでしょうか。私はそれは責任分担関係による組織だと考えます。従来の政府や企業の組織も本当は責任分担を建前とする組織でしたが現実は支配関係が主たる要因でその実は無責任組織になっていました。戦争によって国民を破滅に導いた軍人や役人が法外な恩給を食み、最も弱い立場の戦争孤児が国家から見捨てられてこの世の地獄を生きたのは従来の組織の欠陥を端的に示していると思います。今日の財政赤字、毎年三万人を越す自殺者や孤独死に見られる無縁社会、若者の就職難など我国の抱える問題の根は従来の支配関係に基づく社会の構造や、現代人の世界観に起因する所が大きいと思いますが、皆様いかがお考えになるでしょうか。

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*  市吉 修

*  二十一世紀を楽しく生きよう会

* URL; http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/

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