差出人: OsI [osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2017年6月4日日曜日 23:44
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件名: NHK Special子共の貧困問題に思う、皆さん考え違いをしていませんか。

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 本日のNHK Special子共の貧困を見て
この番組を見てNHKの知恵の貧困を感じました。NHKの平均給与は1200万円だと聞いた事がありますが、その
彼等が日本の貧困問題をまじめな顔で報道している事にまず疑問を感じました。国民から強制的に高額な受信料
を徴収して4Kの次は8K式の思想貧困な技術開発に巨費を投じているNHKに国の貧困問題を取り上げる資格が
あるのか疑問を感じます。

 皆さん、勘違いしていませんか。
この番組は始めから終わりまで金の話でした。曰く、日本の教育投資は先進国の中で最低だとか、貧困家庭の子
が塾にも行けず、学習に不利で、大学進学もあきらめなくてはならない、こうして世代間の貧困の連鎖が生じて税収
が減るだけでなく生活保護費などの社会負担が増え、将来社会が立ち行かなくなる。
現在年金を通じて高齢者への給付は厚いのに対して子共への負担が少なすぎるとか世代間対立をあおるような
問題提起がなされていました。子供の貧困問題を政治が解決した例として英国があげられていましたが、最近の
英国でのテロの犯人が若者である事を見れば決して子供の貧困問題の解決に成功しているようには見えませんが。
貧困の連鎖を解決する一つの方法としてノーベル経済学賞を取ったとかいう経済学者が就学前教育の重要性を
実証したとする研究を紹介し、日本の待機児童問題が取り上げられ又もや教育投資の問題になって番組が終わり
ました。
私はこの番組を見て皆さん、特にNHKに出て来る立派な肩書きのついた有識者の方々が根本的な考え違いをし
ているのではないかと感じました。

お金では何も解決しない。
お金で幸福は買えません。特に教育問題はお金では解決できません。むしろお金が邪魔になる事すらあります。
なぜなら問題をお金に帰する事によって人は自分の最良の宝をないがしろにしているのではないでしょうか。その
宝とは自分の頭脳です。
確か1972年に米国のニクソン大統領が訪中して毛沢東首席にった時毛首席が「勉学には若さと貧困が必要だが
、今の私には両方とも無くなりました」と言った事を覚えています。
生存に関わるほどの貧困は問題ですが現在の日本の貧困問題は相対的貧困であり、戦争直後の日本に比べれば
貧困とも言えないものだと思います。おそらく今の貧困は経済的な貧困よりも心の貧困が問題ではないかと思います。
民主党政権時代に高校教育を無償化した時当時野党の自民党は「ばら撒きだ」と言って批判しましたが、最近
安倍首相は自民党総裁の立場として日本国憲法の改正案に「全ての教育の無償化」を唱えています。これが経済
的に到底実行不可能な事は火を見るより明らかです。無責任に耳障りの良い事を主張する政治屋とそれを支持す
る国民の思想的貧困が我々の直面する諸問題の根本にあるのではないでしょうか。

教育に関する勘違い
前述の経済学者は就学前教育に投資すれば結局社会的に16倍の利益が生ずるなどと言っていましたが、私は納
得していません。以前のNHKが取り上げたWorking Poor問題で米国のある若者が奨学資金で大学に行ったが
そのために背負った借金の返済のため卒業後貧困に陥っている例が紹介されていました。この問題が盛り上がると
早速政治屋が給付型奨学金を推進しますが、それは新たな不公平と財政赤字を生むだけだと思います。
根本には教育に関する誤解があると思います。現状の教育システムは投資すればするほど底無しの赤字を生ずる
だけだと思います。なぜなら問題はお金よりもむしろ心の貧困にあると思うからです。

世界を進歩させるのは「たたき上げ」の人間
だと思います。私は小学校時代に世界の偉人伝を読んで、その多くが幼少時に貧困であった事を知り、意を強くし
ました。何故なら貧困にかけては我が家も何処にも引けを取りませんでしたから。小学校の教科書は上級生から
ゆずってもらい、衣服も従兄からよく貰いました。中学校三年間は家に電気が来ない状況でしたがかえって早寝
早起きの習慣がつき、またテレビも無い事が勉学には理想的な環境でした。その経験からNHKの番組には根本的
な違和感を覚えます。
多くの人の尽力により私は幸運にも大学進学がかないましたが、その機会を十分活用しなかった事を今も悔いてい
ます。サンケイスカラシップをもらって米国の大学に留学するなど運に恵まれましたが恵まれた故に返って肝心の勉
学は疎かにしてしまいました。
多少の勉学をしたのは会社に就職して技術者として働きだしてからです。担当する機械の技術的責任はすべて自
分にあるので否が応でもやらざるを得ません。世の中に出て働く事こそ最高の勉学の場です。学生の頃M.ゴーリキ
ーの「私の大学」という本を読みましたが、同じ趣旨だったと思います。何よりそれは自明の事です。それは世界の
偉人の生き様が証明しています。今の若者には世界の偉人伝をもっと読んでもらいたいものです。 

不足しているのはお金よりも人の心、
即ち愛情と工夫です。前述のように世界を進歩させてきた偉人の多くは貧困に苦しみましたが家族をはじめとする
人の愛情には恵まれていました。人生で直面した数々の困難な状況にも必ず誰かが助けてくれました。
現在の先進国は物質的には飢餓の心配は要らないほどめぐまれていますが、人のつながりと思いやり、愛情、心の
つながりは却って貧しくなっているのではないでしょうか。子共の貧困問題の多くが親の離婚に起因している事もそ
の一つの現れです。少子化をもたらす成婚率の低下も根は同じでしょう。

この問題はもっと研究の必要があると思います。皆様のお考えをお聞かせ下さい。

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* 市吉 修   Osamu Ichiyoshi                    
* 二十一世紀を楽しく生きよう会                    
* Human Network for Better 21 Century      
* http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/
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