点と線

2021/05/29 23:57

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半世紀前に量子力学

を大学で習いましたが、私はなじめなくて全く不勉強でした。何か理論が技巧的で頼りがいが無いよう

に感じられたからです。現実に量子力学は今日の科学技術の基礎をなしており、それが深い真理を含ん

でいるのは明らかです。遅ればせながら私は今も時々復習しています。

 

光は伝搬において波であり、物質との相互作用において粒子(量子)である。

これは光電効果とA.Einsteinによるその簡明な理論により明らかであり、20世紀初頭にM.Plankによ

り確立された光の周波数spectra理論で導入された量子仮説を直接裏付けるものです。

 

粒子は運動状態においては波である。

これは上の量子仮説の逆を言うものであり1924年に仏の de Broglieにより提唱され我国の菊池正志等

によって実験的にも証明されました。詳細については下記URLをご覧下さい。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%A4%E6%B3%A2#:~:text=%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%A4%E6%B3%A2%EF%BC%88%E3%83%89%E3%83%BB,%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%81%AB%E3%82%88%E3%81%A3%E3%81%A6%E6%8F%90%E5%94%B1%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%80%82

 

波と粒子

量子力学は上のde Broglie波の理論をもとにしてそれを拡張したものだと思います。

一方向に流れる波は波動関数Φ= e^(i.( k.r 2πf .t ))で表現されます。ここでiは虚数、rは観測点の位

置ベクトル、kは伝搬定数ベクトル、fは波の周波数、tは時間です。r = (x, y, z),  k= (kx, ky, kz)であり

  k.r = kx .x + ky .y + kz .zです。

ある瞬間tにおけるこの波の位相θ=k.r 2πf .tは空間における平面k.r =θ+ 2πf .tを成すので平面波

と呼ばれます。またこの位相面の移動する速度はdr/dt = k/2π.f =λ.fです。ここでλ= k/2πは平面波の

波長であり伝搬定数k=2π/λです。

 

de Broglieの理論とは運動量pで運動する粒子は同時に波でありその波と粒子の関係は

p = h / λ= 2π/λ. h/ 2π = k. h/ 2π    ここでλは波の波長、hPlank定数です。

光の場合はenergy量子E = h.fですからp = E / cとなります。但しc = λ・fは光速です。

一般の粒子についてはベクトルとして (px, py, pz) = h / 2π.(kx, ky, kz)てす。

 

対応原理

上の波動関数を位置変数xで微分すると ӘΦ/Әx = i.kx.Φとなります。y, zについても同様です。

ベクトルとしての表現は (Ә/Әx, Ә/Әy, Ә/Әy) Φ= i(kx, ky, kz) Φ となります。

ここから量子力学は運動量ベクトルを次の微分演算子ベクトルに対応させます。

       (px, py, pz) = h / 2π.(kx, ky, kz) = h / 2πi. (Ә/Әx, Ә/Әy, Ә/Әy)

そうして取り組む問題に対して古典的物理学を応用し更に上の対応関係により微分方程式を立てます。

例えばエネルギーに関する方程式が量子力学の基礎を成すSchroedinger方程式です。

私はこの対応原理を習った時に何といい加減な理論かと思いました。そして少なからずやる気を失った、

とは不勉強の言い訳ですね。

 

しかし理論とは本来そんなものではないでしょうか。仮令根拠があやふやでも仮定を置いて理論を立て

実際の問題に応用し役に立てば良しとする度量の広い思想です。但しあやふやな点はその理論を使いな

がら何度も見直して更に深く研究すればよいのです。

 

上の量子力学とは光の量子論と物質の波動論を手掛かりにして論理的な根拠はともかくとして対応原理

により取り組む問題の微分方程式を立てる方法を確立したものだと言えるでしょう。

 

Euclid幾何学の点と線

Euclidの幾何学原論においてまず点と線が定義されています。更に自明の真理としては公準、公理が立

てられます。詳細はhttps://euc-elements.matrix.jp/01/E-Elements0100.html

ここで点とは部分を持たないもの、即ち大きさの無いもの、直線とは二点によって定まり、幅が無くて

長さがあるものとされています。

 

物が上の点の集まりであるとすると飛んでいる矢は止まり、運動は一般に不可能であるというエレアの

ゼノンの逆説が成り立ちます。これに対して現実のものが運動するのは上述の物質波の理論により極微

の粒子は運動すると波であり空間的に広がっているのでゼノンの逆理は解消されると私は考えます。

 

私が提案する点と線の定義

前述の物理学の観点から思うと私は点と線について次の定義を提案します。

(1)  点とは一つの位置と周りに全方向を有するものである。

(2)  線とはその上の各点において一つの方向を有するものである。

(3)  直線とはその上のすべての点において一つの方向を共有するものである。

 

位置と方向とは点と直線で対照的な関係にあります。前述の平面波は方向があって特定の位置が無いの

で直線に、粒子は位置があって特定の方向が無いので点は粒子に対応させると多くの物理現象が納得で

きます。

 

(1)  ものが目に見えるわけ

光が物体に当たると物体の各点からあらゆる方向に再放射されます。従って物は何処からでも見えるわ

けです。音についても同様です。

 

(2)電子顕微鏡の原理

電子は運動している時は波になっており、光と同様に顕微鏡を実現しています。電子波の波長は光より

遥かに短いため桁違いに小さな物を見る事ができます。

 

静止しているものは粒子であり動いているものは波である。現実には完全に静止しているものは無いの

で万物は粒子でもあれば波でもある。波と粒子の相いれない性質を現実の物は共に持っているので、

その記述は波動関数により確率的な意味で行う事ができるが、完全に決定論的な記述は不可能である。

それを端的に表すのがHeisenbergの不確定性原理です。

 

量子力学的点と線の観点から物事を見ると

(1)  万象は厳密には不確定であり人が予言できるのはその確率である。

(2)  人が方向音痴な理由

人は一つの点でありその回りに無限の方向がある。あるいは特定の方向を持たない。故に人は方向

音痴である。

(3)  人は一つの方向に走りだすと回りが見えなくなる。

人は一旦走りだすと他の方向に転換するのが困難です。正しく方向を変えるには一瞬静止する必要

がある。体操の選手は要所で止める事を意識して演技をするのではないでしょうか。生活の上でも

時に何もせずぼうっとして考える事、バカも休み休み言う事が必要でしょう。

(4)  人が生きている事とは確率の大きさはさておき、あらゆる可能性がある事である。

実は死んでからも不確定性を免れる事はできません。数年前私は宮崎市の生目古墳群の巨大な遺跡に立

ち、これを作った時代にその主はこの地域では知らない者は無い強大な人間だったに違いないと思いま

した。それが今日では名も伝わっていない。人の運命は分からないものだと感じます。

 

しかし生きるとはあらゆる可能性がある事である。また楽しからずや。

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+      市吉 修 

+     二十一世紀を楽しく生きよう会

+     HP ;   http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/

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