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送信日時: 平成 191223日日曜日 19:20

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件名: 二十一世紀企業研究会

 

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二十一世紀企業研究会とは「人が全国どこでも学び、生涯現役で働ける企業」を提案し研究する会です。研究しながら二十一世紀企業を始めましょう。

 

年金問題

昨日はNHKの「日本、これから」で年金問題が議論されました。

問題点を整理しますと

 

[1] 今の年金制度は持続可能か

今のままでは持続可能ではないから問題になっているわけです。しかし積立金が170兆円もあるとの事でまだ対策を講じる時間は

十分あります。非正規雇用が増えて月収が10万円そこそこの人が月額15,000円の国民年金を払うことができないのは明らかです。従ってまるで人頭税のように一人頭に定額ではなく収入に応じた額を徴収すべきだと思います。そうなると基礎年金、即ち65歳以上の全員に保証される年金の原資は全額税で賄うのも一案です。そこで消費税をそれに当てようという案が浮上しています。

今の制度では118万人もの無年金者がいるとの事です。それは最短25年のかけ期間に届かなかった人で実は不足分は極くわずか

という人も多いようです。この前のWorking Poorで出て来た老夫妻は20年間かけたとのことですが、それなら80%の国民年金は

支給されて当然だと思います。このように不合理な点は変えていかなくてはならないと思います。

 

[2] 年金制度は維持すべきか、抜本的に変えるべきか

すなわち今のように全員加入制度を維持するのか、401Kのように米国式の自己責任制度にするのかという論点に対しても意見が割

れました。私は基礎年金は全員加入制度を持続すべきだと思います。老後の安心の保証は社会の安定の基礎的条件です。よく若い人は払っただけのお金が戻ってくるかどうかを問題にしますが、基礎年金制度は単なる損得ではなく安全安心の問題です。損したら得をしたと考えるべきでしょう。健康保険や火災保険ではかけるばかりで損する方が即ち幸せな人生であるのは明らかです。

年金制度が崩壊すると個人を守るのは「家」になり歴史を逆行することになります。個人にとって家というものが如何に重苦しいもの

であるかはつい半世紀前までの日本を考えると明らかです。夏目漱石の「道草」も読むと参考になります。

 

[3] 二十一世紀産業

今後は年金世代がその知恵を発揮して如何に新たな社会を築いて行くかが鍵になると思います。社会的に必要ではあるが儲けは少

ない事業は年金世代に最適だと思います。収入の多い老人は税金を通じて社会を支えれば良いと思います。また年金が老後の最低

生活の保障であることを考えれば収入の多い老人には支給は不要でしょう。前述の保険と同じで損してこそ幸いではないでしょう

か。

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*  市吉 修   *  二十一世紀を楽しく生きよう会

*  URL;      http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/

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年金問題

先週に引き続き年金問題を考えます。

 

[1] 少子高齢化時代に今の年金制度は持続可能か

この前のNHK番組では四十年前は二十人の現役世代が一人の老人を支えていたが十年先には二人で一人を支えることになるという

事を神輿の担ぎ手で印象的に表現していました。こういうプレゼンは衝撃的ですが、少し本質を見落としていると思います。

即ち社会の生産力の発展を考慮していません。

四十年前には国民の7割が農民で食料はほぼ自給し、日本の輸出の第一位は生糸でした。その後の高度成長で産業の主役が工業に

移り、今や日本は食糧自給率が40%に落ちました。日本の農業は衰退してしまったのでしょうか。私の見方では農業は工業に劣ら

ない大発展をしたと思います。確かに生産高は半減しましたが、農業人口は当時の1/10になっているのですから農業の生産性は5

に伸びたわけです。

同じ事が年金制度についても言えると思います。支える人数が1/10に減っても生産力が10倍になれば制度は同じ負担と給付水準を保持しつつ持続可能になります。

 

[2] 何をなすべきか。

先ず徒に悲観的にならないことです。とかくジャーナリストは自分の作品を売り込むために衝撃的な事を言います。日本の崩壊、日本

をだめにした政治家五人、ノストラダムスの大予言による世界の終末云々。こういう手合いの一見もっともな説を鵜呑みにしないこと

です。

生産力の向上は生産、流通、消費の三面における技術革新によって実現されます。その本質は知識とその応用だと思います。

従って若者は老後の心配をするなら確り学問をしてそれを仕事に活用し社会の生産力を上げることだと思います。

年金世代は人類の未来の心配をして長年培った知識を学問にして若者に伝えるのが仕事ではないでしょうか。何より老人が楽しく

生きることはそれだけで若者の励みになります。私が子供の頃は老人は例外なく腰が曲がり、杖をついていましたが、あるとき腰の

曲がっていない老人が多くなっているのにふと気がつきました。今や死ぬまで背筋の真っ直ぐな老人も沢山います。これこそ世の中

の進歩というものでしょう。

現在医師不足が深刻で全国の離島や山間僻地に無医村が数多あるだけでなく大都会でも救急患者が何十もの病院で搬入を拒否されて

死亡するという事件が頻発しています。従って医師の大幅増員が緊急に必要であるのは明らかです。片やWorking Poorと呼ばれ

る人々は不安定な仕事と低賃金で生活に追われて勉学する機会がありません。また50歳の主婦が医学部の入学試験に合格したのに

入学を拒絶された例もあります。何たる才能の浪費でしょうか。

非正規雇用を推進して人間としての最低限以下の給料で人を働かせる経営者の決まり文句は外国企業との競争ですが、そのような競争

には勝つ必要は無し。工業会の代表が政府の諮問会議に就任して国の方針として諮問していることは自らの利益のために国民を酷使し

ようとしているのに他なりません。会社は栄えても人間は貧しく、勉学の機会に恵まれないため、医師や看護士が不足して今や外国

から来てもらうというのは正しく後進国の姿に他なりません。

 

[3] 行動計画提案

不足している医療専門家の養成のためには大学を頂点とする教育制度の改革が必要な事は既に提案しました。大学の改革は一朝一夕には実現しないのでとりあえずインターネットを通じた問学網を通じて「人が全国何処でも学び」既存の大学に入る手伝いをすることができます。一般社会人には一つの生涯学問の場として自主問学会を発展させて行きたいと考えています。

また直接衛星LANを実現して人が全国何処でも授業を受けられる仕組みを確立すれば医者が離島や山間僻地に勤務しつつ医学の進歩について行く体制を提供することができます。現在では塩分の取りすぎが健康に良くない事は常識になっていますが、これを発見したのは長野県の山間地に勤務していた医師でした。医学の最先端は大学の研究室だけではなく現場にあることを示す好例だと思います。医学の対象は人間なのですから至極当然のことではありますが。

SOHO連合により都会と田舎を有機的に結ぶ事が多くの問題の根本的な解決になると考えています。自然環境に恵まれた日本は明治以前の歴史時代を通じて四千万人もの大人口が完全にZero Emissionで生活して来ました。即ち食料ばかりでなく燃料も自給可能な国です。住宅が密集した都会では薪で炊事や風呂を沸かすのは煙が近所迷惑になるかも知れませんが田舎では問題になりません。また私の研究によると酸素の供給と温度が適当ならば薪も殆ど煙を出さずに燃えます。もとより炭は煙を出さずに燃えます。

石油のために幾多の戦争が起きました。しかし石油は必ずいつかは枯渇します。枯渇せずとも投機の対象になり、現在我々の生活を圧迫しています。薪炭は今だかって投機の対象になった話を聞きません。日本のような山国には極めて安定供給が可能な資源です。

 

以上の提案の更なる詳細については二十一世紀を楽しく生きよう会のHPをご覧下さい。

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*  市吉 修 *  二十一世紀を楽しく生きよう会

* URL;        http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/

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