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送信日時: 2014526日月曜日 0:06

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件名: 二十一世紀人の生き方

 

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今朝のNHK討論

ロシアと中国が急接近して対米共闘路線を取っている云々、学者の討論を聞いても仕方が無いという気がしました。昔学校で習った歴史の帝国主義時代の概念を専門家なる方々が学問的言葉でしゃべっているのは殆ど意味が無いと感じています。帝国主義たけなわの19,20世紀と21世紀の今日には決定的な違いがあると考えています。それは今日高度に発展した交通輸送、情報通信網の影響です。今日世界の何処とも瞬時に通信ができるし必要なら実際に一日で行く事ができます。日本から海外に毎日何万人もの人々が行き来しています。日中、日韓の政治屋どうしが国際会議で会っても目も合わさない程に反目していても国民の間の産業、観光、教育面での交流はもはや国内とあまり変わらない所まで発展しています。

この前日本からロシアに旅行するのにビザを取るのが必要と聞いて驚きました。日本と世界の主要国の間では既に短期滞在にはビザの取得は不要なのでビザという言葉も私は殆ど忘れかけていた次第です。

 

中央集権と地方分権

今日の問題の多くは中央集権の弊害ではないでしょうか。中国の新彊ウィグル自治区でのテロは丁度中国で開催されていた国際会議で「アジアの問題はアジア人にまかせろ」と主張した中国政府の面目丸つぶれでしたが、新聞記事によると新彊ウィグル自治区は中国最大の天然ガス生産地であるがそれは国営企業が独占していて地元には恩恵が無い事が独立運動のひとつの原因の様です。即ち共産党一党独裁による極端な中央集権制度の抱える矛盾です。中国政府は武力で反対派を抑える方針のようですが、それは火に油を注ぐようなものでしょう。

ウクライナの問題も地方の知事は中央の任命制だと聞いてクリミアや東ウクライナのロシア系住民の反発も多少分かる気がしました。言語をウクライナ語一本にするというのもロシア系住民の反発を招いたようです。尤もウクライナ語も私にはロシア語のように聞こえますが。このように考えるとウクライナ問題の根本原因も中央集権制度の抱える矛盾だと思います。

日本は明治維新までの幕藩体制基本的に地方分権でした。農村は村役人や庄屋を中心とする地域共同体、大都市江戸では落語に出て来る大家さんが店子の面倒を見る長屋共同体でした。それが明治維新になって極端な中央集権に変わりました。明治政府は当時の帝国主義列強に追いつこうと焦る余りに農民に重税をかけ、払えない場合には田畑を競売に付すことにより国税を確保して富国強兵政策に狂奔しました。その結果は河上肇の貧乏物語に記述される国民の貧困化とその解決策と称して海外侵略を推進した結末の第二次世界大戦による人類の破滅でした。今振り返ると帝国主義に戦争は不可避であり、それは中央集権制度の本質だったのではないでしょうか。

 

人の生き方

中央集権制度の影響は人の性格形成にも深刻な影響を及ぼしている気がします。それは自己の考えを他人にも押し付ける事です。東京都教育委員会が君が代斉唱で起立しなかった先生を処罰したとか、各地で「はだしのゲン」を図書館から撤去せよとの請願が出されたりしましたがこれらは真にせせこましい考えではないでしょうか。私は先日近くの図書館からはだしのゲンを借りて読みましたが、この本はきわめてリアルに広島の戦争時代の人の生き様を明らかにしており、日本人たるもの一度は読むべき本だと自信をもってお勧めします。

中央集権が全体を一つの独断的思想にまとめるものだとすれば地方分権とは各自の自主性を尊重することだと思います。私はそれが二十一世紀人の生き方であると考えています。それを次の駄作にまとめました。

 

愛在心

人には人の心がありて

ものことが分かり思い生ず

心は内なる天地のごとし

天地を照らす太陽が

心にあれば愛となる

愛の心で人は輝く

あらゆる事を受け入れて

あらゆるものと共に生きる

人の心に愛はあるなり

愛の心は豊かなり

天地も凍る冬の夜にも

心は春の花盛りなり

 

中村哲氏の講演

数日前東京新聞でアフガニスタンで農業用水事業を推進している中村哲さんの記事を読みました。その結果私が感じたのはこの国は無理に中央集権を進めずに地方分権の現状を肯定してスイスのような連邦にするのが良いのではないかと思いました。

中村さん達のペシャワル会の活動は疾うにノーベル平和賞に値するものだと思いますが、来る5/30に九州大学で中村氏の講演があります。ご興味があれば下記URLをご覧下さい。

http://www.kyushu-u.ac.jp/pressrelease/2014/2014_04_23_2.pdf

 

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