差出人: OsI [osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp]

送信日時: 2013910火曜日 15:14

宛先: 'Etsuro Mori'; '市吉修'; '

件名: RE: 2020東京オリンピックの決定に思う。

 

森さん、

貴重なご意見をありがとうございます。

 

2020年のプライマリーバランスの赤字解消は5%から10%に消費増税したところ

10兆円の税収増にしかならず、現在の毎年の財政赤字(約44兆円)をゼロに持ってゆくには更に20%上げ、合計30%の消費税とするか(現在ノルウェー、デンマーク、

スエーデンが25%)、歳出の大幅削減をするか、日本銀行券の多発によるインフレで

借金を帳消しにするか、いずれにせよ2020年までの7年間は極めて厳しい経済環

境を乗り越えてゆかねばならないでしょう。

 

[市吉>

そのような増税は今の体制では無理だと思います。また日本のハイパーインフレは世界経済に与える影響が大きすぎて現実には不可能でしょう。それは今の体制を変えない前提から出てくる結論というより恐怖ですね。国が老人から虎の子の貯金を強奪するに等しい行為だと思います。第二次世界大戦において国民に強制的に買わせた戦時国債を戦後のハイパーインフレ、新円切り替えで紙切れに変じた前科のある日本国ですから油断はできませんが。

 

結局「歳出の大幅削減をする」しか無いのではないでしょうか。

この時年金、医療、生活保護などの社会保障費を削れば交換経済の原動力である個人消費(GDP6)が激減して日本経済全体が壊滅してしまいます。

 

それでは何処を削れば良いかと言えば国の行政費用でしょう。

国の機能を立法、司法、外交と防衛、社会保障および国債費償還作業に限定して行政は地方自治体が行う体制です。

今の国家公務員の大半は地方自治体に移籍し、地方自治体は今の県と市を一体化したものが良いと思います。道州制は単位が大きすぎるので反対です。

 

というのは直接民主制こそ解決の道だと考えていますので。直接民主制というと大半の皆様は馴染みが無いようですが実は人類史の全体を通じて人間の社会は直接民主制でした。

古事記の高天原、中国古代の聖人君主伝説、古代ギリシャ都市及びローマのDemocracy, 西洋人が植民を始めた頃の北アメリカ原住民の社会, 1291年建国のスイス連邦、サンマりノ共和国(イタリア国内の独立国、首相無し)など。 直接民主制が人間の本来の社会である事は人が誰でも有している自尊心に現れています。

この5,000年間の人類史は原始の平等社会から農業、牧畜に始まる社会の分裂(職業の分化、

階級分裂)と同時に進行した統一過程の闘争の結果出現した国家の歴史でした。歴史の教科書の大半は国家権力を巡る政治闘争に満ち満ちています。このため、私達の考えもそれに凝り固まっています。文明の始まりの一つの要因は動物の家畜化ですが人間をも家畜化する事が階級社会の支配の有効な手段でした。人間は自分の中が見えないので考えを変えるのは困難です。社会契約説によって近代国家の原理を確立したJ.J.ルソーがスイス連邦のジュネーブ共和国の出身であったのは偶然ではないと思います。

 

今までよりも少ない公的資金(20-30兆円;国債償還費)で今まで以上に充実した社会サービスを維持するにはその差の部分は国民が直接担う必要があります。政治的には直接民主制の拡大ですが、経済的には国民負担の増大、社会的には国民参加の拡大です。これを義務ではなく自主的行動によって実現する事が大切だと思います。

しょっちゅう首都圏の電車を止める鉄道飛込み自殺は由々しき問題です。私は詳細を知りませんが、鉄道に飛び込むまで追い詰められた人は社会から隔離されていたのではないでしょうか。人間がこの世に生きられるのは自分が人間社会の中に居る場があると感じられるからだと思います。この世に自分の場が無い、生きている意味が無いと感じられたら生きる事は苦痛ですね。

 

私は私達定年退職者には社会の中で果たせる役割が沢山あると考えています。年金世代が社会の負担であるばかりでなく、社会を担う力を発揮する事が今後の世界に必要不可欠ではないでしょうか。

 

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 -----Original Message-----

From: Etsuro Mori

Subject: RE: 2020東京オリンピックの決定に思う。

 

市吉さん

 

今日は。森です。

 

マドリード有力説が多く東京は無理だろう(原発汚染水問題で)と思っていました。

意外にも東京と決まりうれしいと同時に市吉さんご指摘の通り心配事項は山ほどあり

本当に開催できるのか疑問は拭えません。

昭和15年にも東京は開催を返上しており、イギリス人なら"Never say never again"

とジョークをとばすでしょう。

開催経費が4000億円というのも意外に少ないので驚いています。ロンドンは12兆円

使ったそうなので。

 

市吉さんの心配事項の中でも私が最も懸念すること財政の悪化とインフラの老朽化で

す。

2020年のプライマリーバランスの赤字解消は5%から10%に消費増税したところ

10兆円の税収増にしかならず、現在の毎年の財政赤字(約44兆円)をゼロに持って

ゆくには更に20%上げ、合計30%の消費税とするか(現在ノルウェー、デンマーク、

スエーデンが25%)、歳出の大幅削減をするか、日本銀行券の多発によるインフレで

借金を帳消しにするか、いずれにせよ2020年までの7年間は極めて厳しい経済環

境を乗り越えてゆかねばならないでしょう。

 

昨年から国交省が「首都高速の再生に関する有識者会議」というのがあり、1964年の

オリンピックから半世紀たち97000ヶ所の要補修ヶ所があります。問題は予算手当です。

オリンピックに4000億円使うなら先ず首都高速の修理に使うべきでしょう。なお、有

識者会議の座長の三宅久之氏は老衰のため昨年なくなりました。

 

森 悦郎

 

 

差出人: OsI [osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp]

送信日時: 201398日曜日 22:01

宛先:

件名: 2020東京オリンピックの決定に思う。

 

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意外なニュース

今朝起きて2020年のオリンピックが東京に決まったと聞いた時は実に意外でした。別に期待していなかったので喜びよりも期待はずれの感がします。むしろイスタンブールが落ちたのが残念です。

 

決まったからには

立派なオリンピックにするのに協力は惜しみませんが、1964年の時のような有頂天の興奮は全くありません。むしろ心配な事が多いですね。

 

動機に異議あり

これはもともと石原前都知事の時始まった計画で「大震災から復興した日本を見てもらうため東京に2020オリンピックを」という文句に反発を覚えました。もしも東北にオリンピックを招致する計画ならば私は全力で支持したのですが、またまた東京では私の気持ちは不支持でした。実際この計画は長らく不人気でしたが今も基本的には変わっていないと思います。

 

心配事項

<> 東京オリンピックの陰で東日本大震災の復興が後回しにならないか。

<> 福島原発からの放射能漏れが深刻化しないか。

<> 安倍政権は原発推進政策に凝り固まっていますが東京近傍の茨城県東海村、静岡県浜岡   

  原発で万一事故が起きたらオリンピックどころではない。

<> オリンピックに先立ち今の日本の醜態を是正する必要がある。それは弱い者を切り捨て、見  捨てている事に起因する社会の不幸である。先週は私の知る限りでも首都圏で少なくとも3件の電車飛び込み自殺があった。これを人身事故と軽い言葉で報道しているようでは問題の解決はできない。戦前の日中戦争をシナ事変と呼んでいたのと類似の精神構造が感じられる。

よくオリンピックの経済効果3兆円とか聞きますがこの類の数値は全くあてに成らない。オリンピックのために他の分野が疎かにされてもその損失を全く勘定に入れないからである。麻生政権の時に景気対策と称して各世帯に何万円か金を配ったがそれが経済成長に何がしか役立ったか全く覚えなし。政府がX円支出すればGDPX円上がるのは当然である。しかしそれは経済成長とは呼ばない。財政赤字もX円増えているからである。経済成長は新たな価値の創造か生産力の向上以外には無い。具体的には有用な新商品の開発、もしくは有益な新方法の創設である。

 

東京オリンピックの利点があるとすれば1964年のオリンピックの時に作った施設が再使用できる事である。聴くところでは国立競技場が今回も主会場となる。しかし半世紀前に作った施設は既に老朽化している。記憶に新しい(恐ろしい)笹子トンネルの事故、これは私は設計から間違いだったと考えています (接着剤を使わなくても安定な構造にすべし、古代ローマやイスタンブールの古代寺院、日本の古代建築のように) が、「人身事故」や「トンネル事故」で交通網がまひして選手が競技に遅れるなどという事が起これば日本は世界の笑いものになるでしょう。

従って2020東京オリンピックの成功の鍵は「新設よりも旧施設の再利用、保守管理」、「東京よりも地方」、「恵まれた者より恵まれないもの」を優先する事だと思います。

 

オリンピックよりもパラリンピック

放送時間や国民栄誉賞の選考を見るとオリンピックに比べてパラリンピック軽視されているのは明らかです。私はいつもこれを残念に思っています。パラリンピック競技を見るとオリンピック以上に感動を覚えます。一つには其処まで来るのに選手が経験した絶望や鍛錬に要した努力の大きさと二つにはいつか自分もそのような障害者になる可能性があるからです。殆どの人は老人になると多かれ少なかれ身体障害者になりますから、身障者に優しい社会は実は万人のために優しい社会なのです。

 

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