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送信日時: 2014622日日曜日 23:22

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件名: 人知の進歩と平和について

 

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イスラム国の惨状について

シリアとイラクの内戦は戦後最多の難民を生じ、その惨状に世界の人々は心を痛めています。イスラエルとパレスチナの関係も60年以上耐え難い緊張が続いています。日本の北方領土問題も同様です。ウクライナ、アフガニスタン、チチェン、エジプト、リビア、ナイジェリアなども紛争が続いています。

いずれの問題も国家権力に原因があると思います。イラクも現政権がシーア派を優遇し、スンニ派を弾圧してきた事に対するスンニ派の離反の様相があります。エジプトも一度国家権力を握ると自分の利益のための政治を推進し反対者を抑圧したのではないでしょうか。おそらくそれは軍政でも同じでしょう。

国家権力が問題の原因だとすれば半世紀以上前にA.Toynbeeが著書Civilization on Trialの中で述べた「国家の枠でものを考えてはならない」という教えの正しさとその克服の困難さを再認識します。

 

一神教と多神教

私は一神教は国家の成立と共に生じたと感じています。イエスは「頭が二つある国家は成り立たない」と述べていますが、国家権力というものは中央集権でないと収まらないようです。その思想的反映が一神教ではないでしょうか。

古代ギリシアは多くの都市国家が並び立ち、都市内では直接民主政治が行われました。それを反映してかギリシャ神話には実に多くの神が登場し、まるで人間的に行動しています。日本の神話にも八百万の神があり、高天原は直接民主制でした。日本には絶対的な独裁者が現れなかったのは日本の風土によるという気がします。絶対的な独裁者に一歩近づいていたのはおそらく織田信長でしょうが、明智光秀の反乱であえなく倒されてしまいました。

 

民の独立こそ民主主義の基礎

国家権力の本は平たくいえば役人が国家から生活の資を得ているという事です。公職を辞職すれば飢え死にするという恐怖が国家権力の源でしょう。食うために嫌な仕事もする事は当人かりでなく人間社会の不幸の源泉ではないでしょうか。

二千年前の陶淵明のように嫌なら公職を辞して引退する心意気が民主主義の基礎だと思います。

 

科学史に学ぶ

ユークリッドの幾何学原論は二千年近く絶対の真理だと信じられてきました。言わば科学の一神教です。所が近代に非ユークリッド幾何学が出て来て幾何学には無数の体系があり得る事が分かりました。その身近な例は球面幾何学ですがそれは地理上の発見と人間活動の地球規模展開が影響していると思います。

同様な例はニュートン力学から相対性理論と量子力学への発展でも言えますし、皇国史観から科学的な歴史学への発展、その他あらゆる分野の学問で起こったと思います。

矛盾のない規則と法則が立てられるものは広い意味の学問だと定義すれば学問は無数にありえます。

すると無数にある学問を統一しようとする欲求も生じますので人間の心は複雑なものです。多様性と統一性を共に求めるところに学問発展の原動力があるようです。

 

平和への道

民の自立、そのための学問、そのための対話が唯一の道ではないでしょうか。

 

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