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送信日時: 平成 20112日日曜日 1:39

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件名: 二十一世紀企業研究会

 

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二十一世紀企業研究会とは「人が全国どこでも学び、生涯現役で働ける企業」を提案し研究する会です。研究しながら二十一世紀企業を始めましょう。

 

麻生内閣の減税政策を問う

景気の刺激策と生活支援と称して二兆円をすべての世帯に給付金という形で戻す。一世帯あたり6万円だという事です。野党や識者のばら撒き批判を受けて与謝野財政金融担当大臣は年収一千万以上の高額所得者は除くと言っています。

何れにしろこれは米国のBush政権が行い、所期の効果は全く得られなかった政策です。米国の減税の場合は給付金の30%しか消費に回らなかったそうです。

麻生さんは会社経営もやっているので経済のプロを自認しておられるようです。私は一介の通信技術者で経済の土素人であると自認しておりますが、ある面ではプロよりも素人の方が経済の本質を掴んでいる気がします。

不景気になると景気刺激と称して赤字国債を発行して必要も無い土木工事などをやり800兆円もの累積債務を積み上げて来たのは偉大な経済学者ケインズの「不況の時はピラミッドの穴掘りでもいいから財政支出によって有効需要を創出せよ」という学説を生半可に理解しているからだと思います。ケインズ学説の所謂乗数効果理論をよく吟味もせずに鵜呑みにしているのだと思います。

減税や財政支出によって直ちに乗数効果が現れるものでは無い事は土素人でも分かります。右から左にお金を流しても何等付加価値は生じません。二兆円配ってその1/3が消費に回ってその1/20が消費税として政府に戻ってくるだけです。2/3が貯蓄に回って銀行の貸し渋りが少し緩和される効果はあるかも知れませんが。

ケインズの乗数効果を実現するにはそこに新たな価値の創造が無くてはなりません。例えば不況の時に最も困る最貧層にお金を給付すればその分はそっくり消費に回り先ず乗数率1.0が達成されます。例えば小泉政権の時に打ち切られた母子家庭手当てや、身体障害者手当てです。それと貧困家庭の子女への奨学資金です。私も日本育英会の奨学資金を貰って大学を出さして貰いましたが、奨学資金ほど投資効果の大きい投資はありません。私は会社時代に行った装置開発によって頂いた奨学資金の何十倍もの価値を創造出来たと思います。現在特に医師や看護士、介護士などの医療従事者の不足が深刻ですが、貧困家庭の子女、失業中の若者、リストラされた社会人に奨学資金を出して大学や専門学校で学ばせれば数年の時間はかかりますがその効果は何倍にもなって現れます。年収一千万の家庭に6万円のお金を与えて何の景気回復効果があるでしょうか。私の年収はその1/3にも及びませんが6万円の金は要りません。その分財政赤字の削減に使ってもらいたいと思います。同時に首相や国会議員の歳費は半減して財政赤字の改善に当ててもらいたいと思います。

小沢を取るか麻生を取るか国会冒頭解散を言明していた麻生さんは世界的な金融破綻を口実に選挙を先延ばししていますが、今や町中を宣伝カーが走り回り、選挙真っ最中の感を呈しています。その訴え方の熱心さと内容の空疎な事は政治家の大半は国家機構にぶら下がって800兆円の財政赤字の国庫からバカ高い歳費を取って恥じる事もない権力欲の塊であるという気がするのは私だけでしょうか。

 

金融不況は悪か

銀行は大衆から集めた預金を事業者に貸し付けて利率を稼ぐ事によって営業します。従って貸し渋りは本来いつまでも続けられる事ではないと思います。問題の根は株式や土地、貴金属のようにそれ自体では大した価値を有せずただ市場の相場で激しく価格が乱高下するものを資産として含む会計制度にあるのではないでしょうか。工学的には金は電気伝導率が銀に次いで高くしかも錆びないために電気部品には不可欠の素材ですが、財産としての投機により価格が高騰して電気製品の設計者として困った事がありました。土地は農業を行い、住宅を建てて住むには絶対的な価値のある資産ですが、それが投機の対象となり価格が高騰して会計上の含み資産が増えるのは疑問を感じます。マイホームでも土地の価格高騰により資産評価額が増えると固定資産税が増えます。自分が住み、売る意思もない自宅の固定資産税が増えるのは不合理ではないでしょうか。株式も事業家と資産家が持てるものを出し合って起業するには合理的な仕組みだと思いますが、株式取引所での取引だけで利益を得るのはそれ自体がバブルだと思います。商売の利益は価値あるものの創造に対する対価であるべきですが、株式の取引で創造される価値が如何なるものか私には分かりません。経済の土素人である所以ですが、どなたか説明して頂けませんか。

株式や土地が値上がりを続けて資産が増え好景気が続くというのは経済学者から見れば経済成長でしょうが私から見れば異常な状態です。ねずみ講などのマルチ商法は個人でやれば犯罪であり厳しく罰せられますが、絶対的な価値の創造も無しに利益が増えるのは社会全体のマルチ商法のようなものだと思いますが、これは誰も罰せられません。しかし持続不可能なバブルがいつかはじけるのは自然現象にも等しい必然性があり、むしろ異常な状態を是正する正常な現象だと思います。まずいのはそれに引き続いて経済が不況に突入して非正規雇用者や母子家庭、父子家庭、身体障害者や高齢者などの社会的弱者にまずしわ寄せが来る事です。年収2000万円の人の収入が半減しても生活には大して困りませんが、年収200万円の人の収入が半減すれば直ちに死活問題になります。

不況時には経済的困窮者の救済の仕組み、例えば失業保険や国民健康保険の保険料の補助、国民年金の掛け金の補助、奨学資金の提供、生活保護などの所謂Safety Netが整えばむしろ不況は社会の病気の回復過程であり、何等恐れることはありません。前回提案したように仕事が無い時こそ時間を有効に使って学問を行い、自分の知識と技能を磨き、自立と互助のための人間網を築くチャンスにすれば如何でしょうか。

 

米国の大統領選を問う

投票が三日後に迫った米国大統領選挙はObama氏がMaccain氏に対して有利に展開していますが、Obama氏は独自に集めた金で250億円ものTVコマーシャルを打ち、これはMaccain氏の三倍だそうです。そのTVを見たところでは単なるイメージの売り込みと相手の言葉の断片を捉えてその意を捻じ曲げる根拠の無い個人攻撃の域を出ていないようです。他方消費者運動の創始者のRalph Nadar氏も大統領選に出ていますが、こちらは資金が無いため、全く姿が見えません。民主国家アメリカの自由とは金力のあるものがメディアを独占する自由、力の無いものは飢える自由を保障するものに思えます。

 

毎度の宣伝ですが、完全直接衛星放送が実現すれば一時間数万円で全国TV放送がしかも全国至る所から可能になりますので、米国流の規制の無い選挙戦も日本のように規制のありすぎる選挙戦も共に改善され、真の民主主義が実現すると思います。その趣旨に賛同される方は是非ご協力願います。

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*  市吉 修   

*  二十一世紀を楽しく生きよう会

*  URL; http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/

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