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送信日時: 平成 21823日日曜日 0:51

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件名: 二十一世紀企業研究会

 

配信無用の方はお手数ですが返信願います。本MLは会員の紹介により加入する会員の自主研究会です。返信または全員へ返信により意見交換をお願いします。二十一世紀企業研究会とは「人が全国どこでも学び、生涯現役で働ける企業」を提案し研究する会です。研究しながら二十一世紀企業を始めましょう。

 

子猫が教えるもの

子猫はすっかり我が家に馴れました。今日動物病院で診てもらったらメスではなくオスでした。生後数ヶ月との事です。まだ家に来て二週間ですが色々な事を教えてくれました。

 

生き物は食べ物に劣らず愛情が必要な事

餌をぽんと上げてさっさと食べる事はありません。少し食べるとしばらく遊びまた食べます。時々相手をしてやらないとなかなか食べません。人間も一人ではあまり食べ物がうまくないのと同じだと思います。

 

言葉以前の心がある事

動物は言葉がしゃべれませんが鳴き声やしぐさでかなり意思疎通ができます。この猫が何処で生まれてどうやってここまで流れて来たのか言葉が無いので分かりません。しかし言葉なしでも分かるものもあります。この猫はあちこちの家の庭で鳴きながら結局そこでは受け入れてもらえない事をちゃんと理解してずっと流れて来ました。私はちょっと様子を見るだけのつもりでしたがこの猫が体を私に摺り寄せて離れないのを見てもう捨てられないなと感じました。

 

人間の本質は言葉と対話にあり、

人間の言葉は抽象的な概念を表す点で即物的な鳴き声しかだせない動物とは決定的に異なります。人間は概念を用いて現象の裏にある法則を発見する特有の能力を有しています。これが人間の学問芸術文化創造の動物学的な基礎だと言えると思います。

ところが言葉は現実に対して虚構の世界ですので真実を表すのと同様に真実を隠す用途にも使われます。原理的に言葉だけではその真実性は保証されません。虚偽の言葉すなわち嘘を暴いて真実を表す作業は対話と実践です。対話の無い所には真実も無いと思います。

山本七平「一下級将校の見た帝国陸軍」によると皇軍の欠陥は「言葉を奪った」ことによると思われます。「言い訳をするな」と言って説明を拒絶するのが皇軍の特長でした。人間から言葉を奪うことは思考力を奪う事であり、中国大陸における泥沼化やビルマの印パール作戦やフィリピンのように補給を無視した愚劣な作戦のため貴重な人命が戦闘よりも飢餓や病気で失われました。大国の戦争によって悲惨な境遇に落とされた現地住民の不幸には何とも言うべき言葉もありません。対話を欠いた言葉は内容が空疎になりその典型的な表れが大本営発表ではないでしょうか。

 

人間は動物以上のもの

世界には多くの浮浪児がいます。運良く施設に収容された子も食べ物は一応与えられても愛情を求める心は満たされる事は少ないのではないでしょうか。Unicefなどが推進している里親制度で献金だけでなく子供と文通をする方式がありますがその意義が子猫を拾ってやっと分かりました。人間は動物以上のものですから人間を立派に育てる事は遥かに大きな幸福がもたらされると思います。

 

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*  市吉 修   

*  二十一世紀を楽しく生きよう会

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