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送信日時: 2012415日曜日 22:47

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件名: 東日本大震災の被災地の通信網の復旧に活用された衛星通信 ;

 

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4/28 STF交流会で講演

上記テーマで今月のSTFの交流会で講演することになりました。

内容梗概

東日本大地震と津波の被災地では通信網が壊滅的な被害を受けました。通信の途絶は救急活動にも大きな支障を来たしました。折角全国から派遣された救急医療チームが現地の病院と連絡がとれないために空しく引き返す事も起こりました。被災地の固定電話2400万回線のうち約200万回線が不通となり、移動通信基地局13 2千のうち29千局が停止したと言われています。

通信事業各社の超人的な努力の上で4月末までには概ね被災地の通信網は復旧しました。その復旧の一環として衛星通信が活用されました。ここでは私の勤務するIPSTAR社を中心にして災害復旧に如何に衛星通信が使われたかを報告します。

 

一寸先は闇

東日本大震災と津波、原発事故は未来は予測不可能であるという事を証明してくれました。現実には天気予報のように私たちは未来を予測しながら生きています。予測は前提条件と予測理論に基づいて行われます。科学法則は理論による予測の実験による証明により確立されます。また理論は事実による外部的証明の他に論理的矛盾を含まないという内部的証明により確立されます。こうして人間の知識は進歩していきますが、それでも本質的な限界があるように思われます。それは人間の知識と思考の限界です。実に簡単なことですが人間は自分の知らないことは考えることもできません。人間の知っている事が如何に広大でも実は知らない事は更に広大なのでしょう。原発事故ではその釈明に「想定外」という言葉が多用されましたがこれは実に便利な言葉ですね。実は原発の問題は「想定内」のことをやっていなかった事が大災害を生じた原因でした。予備の電源をまとめて地下室に設置するとか、電源が全部消失しても燃料棒の熱で発生する蒸気を用いて発電して原子炉の冷却を維持する緊急冷却システムは米国では定期点検の度に検査しているのに日本では試験もした事が無いため運用員も知らなかったとかいった事は想定内のことをやっていなかったという事です。

人間は自分の経験と思想に基づいて生きる他はありませんが人間の思考には本質的な

限界がある事を忘れてはならないと思います。

 

思考の限界

知らざる事を人は思いえず、

考えざる事を人は識りえず

思考と知識の限界は

何によりてぞ打破さるる

外より来る経験と

内より出る疑問なり

仮説を立てて実験をせよ

あらゆる事を受け入れて

あらゆる事を疑うべし

 

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      市吉 修                                Osamu Ichiyoshi

 

二十一世紀を楽しく生きよう会  Human Network for Better 21 Century  http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/

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